12 Indicators: Morning
🔬 7月28日朝のマーケット|12指標
WTI -8.25%。
S&P 500 +0.02%。
ADA -4.57%。
7月28日朝の市場では、原油の地政学プレミアムが急速に剥がれた。
米国とイランが攻撃を一時停止し、交渉再開へ動いたことで、WTIは$81.94、Brentは$87.83へ急落した。米10年債利回りも4.641%へ低下した。
しかし、その安心は市場全体へ広がっていない。S&P 500は横ばい、VIXは18.67へ小幅上昇。Nasdaqは0.18%下げて4日続落し、BTC、ETH、ADA、NIGHTもそろって下落した。
今朝の中心は、「原油ショックの巻き戻し」と「資本の選別」が同時に進んだことだ。
【朝の12指標】
日本時間2026年7月28日07:30の自動レコードを基準にしたスナップショット。米株・米金利・VIXは7月27日米国終値、暗号資産と一部の先物・為替は28日朝の値を反映する。
1|BTC
$64,554(-0.95%)
$65Kを割り込み、前日の反発を維持できなかった。ただし下げは1%未満で、暗号資産4種の中では相対的に浅い。まず$65Kの回復を確認したい。
2|ETH
$1,928.55(-0.40%)
$1.9K台を維持し、BTCより下げが小さい。絶対水準は保ったが、原油と金利の低下を上昇材料へ変えるほどの買いは入っていない。
3|ADA
$0.158082(-4.57%)
暗号資産4種で最大の下落。$0.16を割り、7月23日の$0.175台から調整が続く。固有材料よりも高ベータのアルト売りとして読むが、$0.16の回復が必要だ。
4|NIGHT
$0.01905033(-3.80%)
$0.02を割り込んだ。7月21日の急落安値$0.01778は上回るが、流動性の薄い状態で下方向の振れが続いている。価格だけでなく出来高と板の厚さを確認したい。
5|S&P 500
7,413.18(+0.02%)
ほぼ横ばい。Dowは+0.51%、Nasdaqは-0.18%と指数の中でも方向が割れた。原油安を全面的な株高へ変えたのではなく、銘柄間のローテーションで指数を保った。
6|日経平均先物(NKD1)
63,870(-0.88%)
64,000を下回った。原油安は輸入コストを抑え、163円台の円安は輸出採算を支え得るが、米半導体株の下落が重く、日本株のリスク許容度は回復していない。
7|DXY
101.514(+0.04%)
ほぼ横ばいだが、101台を維持した。米金利が低下してもドルは崩れず、暗号資産への追い風となるドル安は起きていない。
8|USD/JPY
163.759(-0.04%)
163円台後半で膠着。米10年債利回りの低下だけでは円高へ戻らず、日米金利差と介入警戒が同居している。
9|Gold
$4,077.70(+0.25%)
原油の地政学プレミアムが剥がれる中でも小幅上昇した。全面的な安全資産逃避ではないが、地政学・財政・金融政策へのヘッジ需要は消えていない。
10|WTI
$81.94(-8.25%)
今朝最大の動意。7月24日の$92台から急低下し、7月18日の$81台へ戻った。Brentも$87.83(-9.25%)。攻撃停止と交渉再開期待、CPCターミナルの積み出し再開で供給不安が後退した。ただし、持続性は実際の停戦と通航回復で判定する。
11|米10年債利回り
4.641%(前日比 -3.8bp、相対 -0.81%)
原油急落と同時に利回りは低下した。短期インフレ圧力の緩和を織り込む動きと整合的だが、4.6%台はなお高く、7月28-29日のFOMCを前に大きな方向は決まっていない。
12|VIX
18.67(+0.48%)
原油が急落してもVIXは下がらなかった。18台はパニックではないが、地政学の安心が株式市場の安心へ直結していないことを示す。
🛰️ 補助シグナル(サテライト|12指標本体とは別枠)
個別株は7月27日米国終値、前営業日比、配当調整後。12指標の置き換えではなく、資本の移動を見るサテライトとして扱う。
AI Capital Cycle
AIは「全面安」ではなく、ハードウェアからソフトウェア・クラウド・個別材料への分岐が進んだ。
Palantir +7.00%、Oracle +4.27%、Arm +2.43%、Alphabet +2.34%、Microsoft +1.94%。一方、AMD -5.17%、NVIDIA -4.99%、Lam Research -4.46%、Applied Materials -3.61%、Marvell -2.61%、Micron -2.25%、TSMC -1.07%。
AI Capital Cycleの資金は消えたのではなく、設備・半導体の一方向取引から、利益回収の近いソフトウェア、クラウド、プラットフォームへ分散した。7月29日のMicrosoft決算が、この回転を利益と設備投資の両面から再採点する。
Private Markets / RWA
Hamilton Lane +5.47%、StepStone +4.79%、Blue Owl +2.43%、KKR +2.28%、Blackstone +2.00%、Carlyle +1.94%、Apollo +1.33%、Ares +0.99%、TPG +0.30%。
観測9銘柄がすべて上昇した。米10年債利回りの低下と原油急落が同じ日に起き、オルタナ運用・プライベート市場の関連株へ広く買いが入った。因果は断定できないが、前週の選別から今日は明確なセクター買いへ変わった。
RWAでは、当日の株価上昇とトークン化材料を直接結びつけない。次に見るのは発表件数ではなく、実際の発行、流通、決済、担保利用、二次流動性だ。
【12指標の読み方】
今朝は、地政学リスクの後退とリスク選好の回復を同じものとして扱ってはいけない。
WTI -8.25%、Brent -9.25%、米10年債-3.8bpは、原油ショックと短期インフレ懸念の巻き戻しを示す。これは企業利益、家計コスト、金融政策にとって明確な緩和材料だ。
しかしS&P 500は+0.02%、VIXは+0.48%。Nasdaqは4日続落し、BTC -0.95%、ADA -4.57%、NIGHT -3.80%。市場はその緩和を、広いリスクオンとしては受け取らなかった。
代わりに起きたのが資本の移動だ。AIでは半導体・製造装置が売られ、Palantir、Oracle、Microsoft、Alphabetが上昇した。Private Marketsでは観測9銘柄がすべて上がった。
したがって今朝は、「原油の戦争プレミアムは剥がれたが、資金は市場全体へ戻らず、AIの内部とPrivate Marketsへ選別的に移動したローテーション相場」と読む。
【先行指標 Watch】
① 7月28-29日のFOMC——米10年債4.641%とDXY 101.514が、原油急落を金融緩和材料としてどこまで織り込むか
② WTI $81.94とBrent $87.83——攻撃停止と交渉再開が実際の停戦、ホルムズ通航、海上保険、輸送量の回復へ進むか
③ AI Capital Cycle——7月29日のMicrosoft決算で、クラウド成長、AI売上、設備投資、利益率のバランスが確認できるか
④ S&P 500 7,413とVIX 18.67——原油安でも下がらなかったVIXが18を割るか、Nasdaqの連続下落が止まるか
⑤ BTCの$65K回復、ADAの$0.16回復、NIGHTの$0.02回復——金利低下が暗号資産へ遅れて波及するか
⑥ Private Markets / RWA——9銘柄全面高が続くか。トークン化は発表から実際の発行・流通・担保残高へ進むか
今日の結論。
原油ショックは巻き戻された。
だが、リスク資産は一斉には戻らなかった。
今朝の12指標が示すのは、安心による上昇ではなく、地政学プレミアムの低下をきっかけにした資本の再配置だ。
次の分岐は、FOMCとMicrosoft決算が、このローテーションを広いリスクオンへ変えるか、それとも選別をさらに深めるかにある。
本稿は市場環境の解説であり、投資推奨ではない。数値は更新時刻・データ元により差が出る。
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