12 Indicators: Morning
🔬 7月31日朝のマーケット|12指標
VIX 17.09(-17.28%)。
USD/JPY 159.718、DXY 99.969——ともに6月中旬以来の水準。
Micron +18.36%、Lam Research +17.98%。
財務省「国債金利情報」(日次公表の国債金利。2026年7月29日時点で10年2.757%・30年3.941%、7月24日時点で10年2.815%・30年3.980%であることを確認)財務省
昨日の朝、この12指標は「原油とVIXが二日目も上がるか」を見ていた。答えは両方ノーだった。VIXは20.66から17.09へ崩れ、WTIは84ドル台で足踏みした。米株三指数はそろって反発し、昨日の全面安は一日で巻き戻された。
だが、巻き戻らなかったものが一つある。ドルだ。DXYは100を割り、USD/JPYは159円台へ入った。恐怖が引いた日に、通貨だけが昨日と同じ方向へ進み続けている。
今朝の主題は、株が戻ったことではない。株が戻ってもドルが戻らなかったことだ。
【朝の12指標】
日本時間2026年7月31日07:30時点の自動12指標レコードを基準にしたスナップショット。暗号資産は31日朝のライブ値、米株・米金利・VIX・金・原油は7月30日の米国市場、為替・日経先物は31日朝の値を反映する。
1|BTC
$64,907(+1.49%)
反発。7月29日の$63,877から3日ぶりに$64K台後半へ戻した。昨日は株安のなかで価格を保ったが、今日は株高と同じ向きに動いた。7月22日の$66,237には届かない。
2|ETH
$1,929.20(+1.21%)
$1.9K台を回復。7月23日の$1,935.11に迫り、この1週間のレンジ上限へ戻した。前日の$1,905.61からの反発で、BTCとほぼ同じ足取りをたどっている。
3|ADA
$0.17045(+4.71%)
今朝の主要暗号資産で最大の上昇。7月23日の$0.175304以来の水準へ戻した。ただし4銘柄がそろって上げた日であり、単独の材料による動きとは読まない。
4|NIGHT
$0.01849849(+2.17%)
反発したが、7月22日の$0.02365164からは約21.8%低い。この1週間で切り下げた水準を取り戻してはいない。外部の主要取引所で独立に確認できていないため参考値として扱う。
5|S&P 500
7,437.63(+1.66%)
7月23日以来の高い水準へ戻した。Nasdaq +2.78%、Dow +1.19%。昨日そろって下げた三指数が一日で反発し、上げ幅はNasdaqが最も大きい。
6|日経平均先物(NKD1)
63,805(+4.01%)
大幅反発。7月28日の63,870にわずかに届かず、7月27日の65,710は下回る。159円台の円高と同時に上げており、円安を支えにした上昇ではない。
7|DXY
99.969(-0.82%)
100を割った。この朝の定点観測では6月17日以来の水準になる。昨日101を割り、今日は100を割った。株が反発した日にドルは売られ続けている。
8|USD/JPY
159.718(-2.53%)
160円割れ。朝の定点では6月1日以来の円高水準。DXYの下げ幅の3倍以上の円高で、ドル全面安というより円が独自に買われた側面が強い。昨日は「DXYの下落ほど円高は進まない」と書いたが、今日は逆になった。
9|Gold
$4,166.70(+3.27%)
7月7日以来の高さ。ただし7月6日の$4,189.30は下回る。本レコードのドル円で換算すると、円建てでは前日の約67.5万円から約66.5万円へ下げている。今朝の金高はドル建て特有の動きだ。
10|WTI
$84.22(-0.28%)
足踏み。Brentも$89.45(-1.42%)で90ドルを割った。昨日の+6.30%/+7.50%という急反発は二日目へ続かず、7月24日のWTI $92.16・Brent $100.50からは距離がある。
11|米10年債利回り
4.663%(+0.89%、前日レコード比 +4.1bp)
上昇し、7月27日以来の高さ。FOMCが政策金利を据え置き、12人中3人が0.25ポイントの利上げを主張した翌日も、金利は上を向いた。株高・ドル安と同時の金利上昇で、昨日書いた「金利高とドル安のねじれ」は解消せず深まっている。
12|VIX
17.09(-17.28%)
20.66から急落し、7月23日以来の低さ。昨日は20超を「持ち高の移動から恐怖への転換」と読める水準として見ていた。その条件は一日で消えた。恐怖は定着しなかった。
🛰️ 補助シグナル(サテライト|12指標本体とは別枠)
以下は12指標本体の置き換えではなく、値動きがどこから来ているかを見る別枠として扱う。個別株は7月30日の米国終値、前営業日比、配当調整後。
AI Capital Cycle
設備・半導体側:Micron +18.36%、Lam Research +17.98%、Applied Materials +14.97%、AMD +13.00%、Marvell +12.18%、Arista Networks +8.26%、Super Micro +7.90%、TSMC +7.64%、Broadcom +4.73%、NVIDIA +2.65%、Vertiv +2.00%。
ソフトウェア側:Meta -7.95%、Atlassian -5.91%、ServiceNow -4.92%、Salesforce -4.07%、Alphabet -0.91%。一方でMicrosoft +15.51%、Oracle +8.34%、Amazon +3.90%は上げた。
昨日は設備側が二桁で下げ、ソフトウェア側が買われていた。今日はその配置が逆へ振れている。ただし戻り幅は限定的だ。Micronは7月29日の739.00ドルから874.66ドルへ戻したが、7月23日の990.21ドルには届かない。Applied Materialsも501.77ドルで、7月23日の562.80ドルの下だ。一週間の下げを取り返したのではなく、その一部を戻した段階にある。
Microsoftは決算公表後の最初の取引日に+15.51%。売上高900億ドル・前年同期比18%増、Azure 43%増という数字への反応が、前日の終値には入っていなかった分も含めて出た。
Fiscal & Currency Regime(主要国財政・通貨)
日本国債の利回りは、財務省が日次で公表する国債金利情報による。公表済みの最新は7月29日で、10年2.757%、30年3.941%。7月24日は10年2.815%、30年3.980%だった。日本の長期金利はこの1週間で下がっている。
一方の米10年債は4.663%(7月30日)へ上がった。日本側が下がり米国側が上がったのだから、日米の長期金利差は開いている。それでも円は2.53%上げた。今朝の円高は、金利差では説明できない。
金は同じ日にドル建てで3.27%上げたが、円建てでは下げた。通貨をまたいで同時に金が買われる展開にはなっていない。今日の金高は、金の側ではなくドルの側の動きとして読む。
【12指標の読み方】
今朝の構造は4点に整理できる。
第一に、昨日の恐怖は一日で解けた。VIXは20.66から17.09へ落ち、米株三指数はそろって反発し、原油の急騰は二日目へ続かなかった。昨日の全面安は、続く局面の入口ではなかった。
第二に、ドルだけが戻らなかった。DXYは100割れ、USD/JPYは159円台。株とVIXが元の位置へ戻る一方で、通貨は昨日と同じ方向へ進んだ。リスク資産の反発とドルの下落が同居している。
第三に、金利差では説明できない円高が起きている。米国の10年債は上がり、日本の10年債は7月24日から下がった。差は開いたのに、円が買われた。為替を動かしているのは金利差以外の要因だ。
第四に、AI設備投資へ資金は戻ったが、戻り方は選択的だ。Micron、Lam Research、Applied Materialsは二桁で反発した。同じ日にMeta、Atlassian、ServiceNowは下げた。設備とソフトウェアの綱引きは、向きを変えながら続いている。
【先行指標 Watch】
① USD/JPY 159.718——160円割れが定着するか。朝の定点で159円台は6月15日以来で、ここからさらに円高へ進むかが最大の観測点
② DXY 99.969——100が上限になるか、一日で戻すか。株高と同時のドル安が続けば、資産価格とドルの関係が変わりつつある兆候として読む
③ 米10年債4.663%——7月24日の4.703%を再び試すか。株高・ドル安と同時の金利上昇が二日目も続くか
④ 日本国債10年2.757%(7月29日公表分)——次の公表で2.7%台を保つか。日米金利差の拡大と円高が逆向きに進む状態が続くか
⑤ VIX 17.09——16台へ入るか、18台へ戻るか。20超が一日で終わった以上、次に見るのは下方向の定着だ
⑥ Gold $4,166.70——7月6日の$4,189.30を超えるか。その際に円建てでも同時に上がるかどうかが、ドル要因か通貨横断の動きかを分ける
⑦ AI Capital Cycle——Micron 874.66ドル、Applied Materials 501.77ドルが7月23日の水準へどこまで戻すか。ソフトウェア側の下げが続くか
⑧ 日経先物63,805——7月28日の63,870を超えるか。7月最終取引日を159円台の円高で迎えており、円安に頼らない上昇が続くか
今日の結論。
昨日の相場は、VIXが20を超え、米株三指数がそろって下げ、原油と金が同時に上がった日だった。恐怖が広がり始めた、と書いた。
一日で解けた。VIXは17.09へ落ち、三指数は反発し、原油の急騰は続かなかった。AI設備側は二桁の反発で戻ってきた。
それでもドルは戻らなかった。DXYは100を割り、円は2.53%上げ、金はドル建てで7月7日以来の高値をつけた。日本の長期金利は下がり、米国の長期金利は上がったのに、円が買われている。
戻ったのは株で、戻らなかったのはドルだ。今朝の12指標が示すのは、リスク資産の値動きと通貨の動きが、別々の理由で進み始めている市場だ。
次の答えは、160円割れと100割れが二日目も続くかで出る。
🔗 一次ソース
財務省「国債金利情報」(日次公表の国債金利。2026年7月29日時点で10年2.757%・30年3.941%、7月24日時点で10年2.815%・30年3.980%であることを確認)財務省
米連邦準備制度理事会「Federal Reserve issues FOMC statement」(政策金利3.50〜3.75%の据え置き、9対3の採決、反対3人が0.25ポイントの利上げを主張したことを確認)Board of Governors of the Federal Reserve System- Microsoft「Earnings Release FY26 Q4」(売上高900億ドル・前年同期比18%増、Azure 43%増を確認)microsoft.com
本稿は市場環境の解説であり、投資推奨ではない。数値は更新時刻・データ元により差が出る。
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