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📡 Signal|孫正義氏、京都で超知能の悪用リスクに異例の警鐘
孫正義氏が10月4日、京都の STS フォーラム関連イベントで米政権の科学技術政策トップと対談し、超知能の悪用は「すごく危険になり得る」と述べ、各国の協力を求めた。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が 10 月 4 日、京都で開かれた STS フォーラム (科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム) の関連イベントで、超知能の悪用に強い懸念を示した。米ホワイトハウス科学技術政策局のマイケル・クラツィオス局長との公開対談で、悪い人間が間違った使い方をすれば「すごく危険になり得る」と述べた。
AI への投資を最も大きく張ってきた経営者の一人が、安全の側から国際協調を求めた。開発を止めろという主張ではない。国家どうしの対立より AI の悪用のほうが大きな危険になる、という順序の組み替えを、米政権の科学技術政策の責任者の隣で口にした。
「人間同士が戦うぜいたくは、もうない」
朝日新聞によると、孫氏は対談で「人間同士が戦うぜいたくはもうないと思う」と語り、AI を人間の幸福のために使ううえで各国の協力が重要だと述べた。ブルームバーグは、孫氏が AI の能力の指数関数的な伸びを挙げ、各国が相互の信頼を築いてこの技術を一緒に操っていく必要があると語ったと伝えている。
報じられた発言は 2 つの層に分かれる。1 つは、超知能そのものではなく、それを誰が持つかが危険を決めるという見方。もう 1 つは、その危険が国家間の競争より大きいので、競争の構図そのものを後回しにすべきだという主張だ。ブルームバーグはこれを、AI の熱心な推進者として知られる孫氏としては異例の慎重な発言だと位置づけた。
2 年前の株主総会では、ASI を使命に据えていた
孫氏の AI 観は、これまで期待の側で語られてきた。2024 年 6 月 21 日のソフトバンクグループ定時株主総会では、人間の 1 万倍の知能を持つ人工超知能 (ASI) が 10 年以内に生まれるとの見通しを示し、その実現をグループの使命に据えた。
今回の発言は、その見通しを取り下げたものではない。到来の速さを前提にしたまま、そこに安全の議論を接続した形になっている。ブルームバーグによれば、ソフトバンクグループが OpenAI に投じた資金は約 650 億ドルにのぼる。最大級の資本の出し手が、到来の速さと危険の大きさを同じ文脈で語り始めた。
AI への資本の流れを見る側にとって、この変化には使い道がある。資本を出す側が安全と国際協調を語る時、その言葉は規制の議論で、開発を続けながら管理の枠を作る側の論拠として使われやすくなる。
次に見るもの
確認先は 2 つある。1 つは、10 月 6 日まで国立京都国際会館で続く STS フォーラムの年次総会が閉幕時に出す成果の発信だ。AI の安全と国際協調がどの言葉で書かれるかで、孫氏とクラツィオス氏の対談がどれだけ会議全体の論点になったかが見える。
もう 1 つは、ソフトバンクグループの次の四半期決算の発表だ。OpenAI をはじめとする AI への投資の進み方は、決算の開示と説明会で示される。今回の懸念が、投資の語り方や安全への資金の振り向けとして具体的な形を取るかどうかは、そこで確かめられる。
ことば
- 超知能 — 人間の知能をあらゆる面で大きく上回る AI を指す言葉。孫氏は人工超知能 (ASI) の名で、人間の 1 万倍の知能という目安を掲げてきた。
- STS フォーラム — 科学技術と社会の関係を議論するため、2004 年から毎年秋に京都で開かれている国際会議。各国の閣僚、研究者、企業トップが集まる。
- 科学技術政策局 (OSTP) — 米大統領に科学技術政策を助言するホワイトハウスの部局。局長は大統領の科学技術顧問を兼ね、AI 政策の調整役を担う。
🔗 一次ソース
- ブルームバーグ: ソフトバンクGの孫氏、AIの安全性に異例の懸念表明-超知能は危険伴う (2026年10月4日)bloomberg.com
朝日新聞 (Yahoo!ニュース): ソフトバンクGの孫氏、AI進化で「人間同士が戦うぜいたくはない」Yahoo!ニュース
STS フォーラム 第 23 回年次総会の開催告知 (2026年10月4日〜6日・国立京都国際会館)共同通信PRワイヤー
TechNews: ソフトバンクグループ株主総会 (2024年6月21日) — 人間の 1 万倍の ASI の実現を使命に掲げた発言 (ロイター報道にもとづく)TechNews 科技新報
ITmedia ビジネスオンライン (2024年6月21日) — 株主総会での「10 年以内」「人間の 1 万倍」の ASI 見通しITmedia ビジネスオンライン