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SNAPSHOT 2026-10-12 07:30 JST

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📡 Signal|Aptos の新実行エンジン MonoMove、取引処理で最大 55 倍

Aptosが実行エンジンを作り直したMonoMoveを発表。Decibelの取引の再生で担保の引き出しが最大55倍速い。並列実行と組み合わせる前の数字で、メインネットへの適用はまだ先だ。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|Aptos の新実行エンジン MonoMove、取引処理で最大 55 倍

レイヤー 1 ブロックチェーンの Aptos は10月6日、スマートコントラクトの実行エンジンを作り直した「MonoMove」を発表した。開発元の Aptos Labs は、メインネット稼働以来で最大の性能向上だと位置づける。Aptos 上の取引所 Decibel の実際の取引を再生した測定では、担保の引き出しが最大 55 倍速く動いた。

ただし、MonoMove はまだメインネットで動いていない。発表の時点では実行エンジンへの組み込みが進んでいる段階で、公開されている開発リポジトリでは安全性の検査を加える作業が続いている。数字が示すのは、本番に入ったあとに期待できる伸びしろのほうだ。

55 倍は、何を測った数字か

Aptos の公式アカウントは、Decibel のメインネットの取引を現行の実行環境と MonoMove で再生し、処理の速さを比べた結果を示した。

  • 担保の引き出し — 最大 55 倍
  • 資金を預ける運用口座 (ボールト) への要求 — 最大 40 倍
  • 無期限先物の市場への要求 — 最大 38 倍
  • 注文の発注 — 最大 22 倍

これは個々の取引を実行する部分の比較だ。取引の受け付けから書き込みまでを通した処理量については、注文板での売買、貸し借り、支払いといった金融の負荷を模した社内の測定で、現行比で最大 11 倍になったとしている。

Aptos はこの数字に 2 つの但し書きを付けた。一つは、まだ最適化を入れていないこと。もう一つは、Aptos の特徴である並列実行の仕組み (Block-STM) をまだ組み合わせていないことだ。Aptos Labs の投稿は「並列化はまだ有効にすらしていない」と書く。そのうえで、処理の詰まりどころは実行からストレージ (データの読み書き) に移ったとしている。

何を作り直したのか

MonoMove は、Aptos のスマートコントラクト言語 Move を動かす仮想マシン (VM) と、その周りの実行の仕組みを作り直したものだ。報道によると、型に応じた専用の処理をあらかじめ用意しておき (単相化)、取引の実行中に型を調べる手間を省く設計をとる。

Aptos Labs の共同創業者エイブリー・チン氏は、Decibel での本番の負荷がほぼ 10 倍速くなり、Move のマイクロベンチマークの中には 50 倍を超えるものもあると投稿した。新しい設計はもともと安全側に倒した作りで、形式的な検証もしやすいとも書いている。

開発は公開リポジトリ aptos-core で進んでいる。ブロックの実行を担うモジュールの中に MonoMove 用の部分がすでに置かれ、10月2日には MonoMove に再入 (リエントランシー) の検査を強制する変更が提案された。10月6日には、MonoMove と現行の VM の実行結果を突き合わせる比較の変更も出ている。どちらも本稿執筆時点で取り込み前だ。

実行の速さを競う中での位置

チェーンの処理能力を上げる道筋は一つではない。Ethereum は多くの処理をレイヤー 2 に任せ、Solana は単一のチェーンで並列実行の性能を前面に出す。同じ Move 言語の系統の Sui を含め、各チェーンは取引所や貸し借りのような金融の処理を、どれだけ速く安全に回せるかで競っている。

MonoMove の数字が、価格の話ではなく処理の話として意味を持つのはこの点だ。Aptos は今回の発表で、金融市場をチェーンの上に移すには速さと安全の両方が要ると繰り返した。測定の題材に選んだのも、無期限先物や担保の出し入れといった金融の処理だった。

報道によると、Aptos は機能を 2026年末までにそろえ、メインネットへの適用は 2027年にガバナンス投票を経て行う計画だという。本番での数字は、並列実行と組み合わせたあとにあらためて測られることになる。

次に見るもの

確認先は GitHub の aptos-core リポジトリだ。再入検査の変更 (pull request 20665) と現行 VM との比較の変更 (同 20685) がいつ取り込まれるかが、開発の進み具合を示す。その先は Aptos のガバナンス提案の一覧で、MonoMove のメインネット適用を問う提案がいつ出るかを見る。並列実行を有効にした状態での処理量の数字が出れば、今回の 11 倍がどこまで伸びるかもそこで分かる。

ことば

  • 実行エンジン (VM) — ブロックチェーン上でスマートコントラクトのプログラムを動かす仕組み。取引の中身を計算して結果を確定させる部分で、ここが速いほど同じ時間に多くの取引を処理できる。
  • Block-STM — Aptos が使う並列実行の方式。複数の取引を同時に実行し、互いにぶつかったものだけをやり直す。MonoMove の今回の数字は、この方式と組み合わせる前のものだ。
  • ガバナンス投票 — チェーンの仕様変更を、ステーク (預け入れたトークン) を持つ参加者の投票で決める手続き。Aptos ではプロトコルの大きな変更は提案と投票を経てメインネットに入る。

🔗 一次ソース

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