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📡 Signal|スタンダードチャータード、シンガポールで暗号資産の保管へ
スタンダードチャータード銀行のシンガポール法人が10月8日、機関投資家向けに暗号資産・ステーブルコイン・トークン化資産の保管を始める計画を発表した。開始日と免許の状況は未公表だ。
英スタンダードチャータード銀行のシンガポール法人は10月8日、機関投資家と、適格投資家にあたる法人の顧客に向けて、一部の暗号資産・ステーブルコイン・トークン化された実物資産 (RWA) の保管 (カストディ) サービスを始める計画を発表した。開始は「適用される規制上の要件」を満たすことが条件とされ、開始日は発表に書かれていない。
世界の金融システムで重要な銀行 (G-SIB) に数えられる銀行が、アジアの金融拠点で、暗号資産を証券と同じ保管の窓口に載せる。保管を暗号資産の専業会社に任せてきた機関投資家にとって、預け先の選択肢が銀行の側に広がる。計画は9日の 速報 で伝えた。
発表に書かれたこと、書かれていないこと
発表の要点は次のとおりだ。
- 対象の資産: 「選ばれた」暗号資産、ステーブルコイン、トークン化された実物資産。どの銘柄かは明かしていない
- 対象の顧客: 機関投資家と、適格投資家にあたる法人
- 位置づけ: アラブ首長国連邦 (UAE)、ルクセンブルク、香港での実績の上に、シンガポールへ広げる
- 組み込む先: 銀行の Financing & Securities Services (証券の保管や資金調達の部門)。従来の資産の保管、トークン化、デジタル資産の保管をひとつの部門で扱う
取引サービスとデジタル資産の世界責任者 Ole Matthiessen 氏は発表の中で、安全で規制された保管はデジタル資産の基盤だとし、G-SIB として信頼を提供すると述べた。
書かれていないこともある。シンガポール金融管理局 (MAS) の免許や承認の状況、提携先、具体的な銘柄、開始日だ。開始時期について、デジタル資産部門の幹部 Ying Ying Tan 氏は The Block の取材に、年内の開始を目指すと語っている。
Zodia Custody の買収と、銀行本体への取り込み
今回の計画は単独の発表ではない。スタンダードチャータードは5月18日、銀行のベンチャー部門 SC Ventures が出資してきた暗号資産の保管会社 Zodia Custody の保管事業を買収する提案が受け入れられたと発表した。Zodia の保管事業は銀行の Financing & Securities Services に組み込まれ、技術基盤の部分は「Zodia Solutions」として銀行のベンチャー部門の下に切り出される。買収の完了は規制当局の承認が条件で、完了の発表はまだ出ていない。
出資先の会社に保管を任せる形から、銀行本体の部門で保管する形へ。シンガポールの計画は、この組み替えの上に置かれている。機関投資家から見ると、暗号資産の預け先を選ぶ基準が、専業会社の技術から、銀行の自己資本と監督の枠組みへと移っていく。
シンガポールの規制の枠
シンガポールでは、暗号資産 (デジタル支払トークン) の保管を含むサービスは支払サービス法の規制対象で、2024年の改正で、事業者に顧客の資産の分別と信託での保有が求められるようになった。MAS は2025年6月30日から、国外の顧客だけにサービスを提供する事業者にも免許を求めている。
銀行が保管を始める場合に、どの免許や承認がどの順番で要るのかは、発表からは分からない。「規制上の要件」を条件にした一文は、その手続きがまだ途中であることを示している。
次に見るもの
確認先は2つある。1つは MAS の金融機関の登録簿 (Financial Institutions Directory) で、スタンダードチャータード銀行 (シンガポール) の項目にデジタル支払トークンのサービスが加われば、開始の前提が整ったことになる。もう1つはスタンダードチャータードの発表ページで、年内に開始の発表が出るか、Zodia Custody の買収完了の発表が先に出るかを見る。
ことば
- カストディ (保管) — 顧客の資産を預かり、安全に管理するサービス。暗号資産では秘密鍵の管理が中心になり、顧客の資産を事業者自身の資産と分けて持つことが規制の要になる。
- G-SIB — 金融安定理事会 (FSB) が毎年選ぶ、世界の金融システムにとって重要な銀行。破綻したときの影響が大きいため、ほかの銀行より厚い自己資本が求められる。
- トークン化された実物資産 (RWA) — 国債や不動産、ファンドの持ち分などをブロックチェーン上のトークンとして表したもの。保管の仕組みが整うかどうかが、機関投資家が使えるかどうかを分ける。
🔗 一次ソース
スタンダードチャータード:シンガポールでのデジタル資産の保管サービス計画 (2026年10月8日)Standard Chartered
スタンダードチャータード:Zodia Custody の保管事業の買収 (2026年5月18日)Standard Chartered- シンガポール金融管理局:デジタルトークンのサービス事業者の規制の明確化 (2025年)mas.gov.sg
シンガポール金融管理局:規制対象の支払サービスの範囲拡大 (2024年)mas.gov.sg- The Block:Standard Chartered のシンガポールでの暗号資産保管 (2026年10月8日)theblock.co
- CoinDesk の X 投稿 (2026年10月9日)