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Deep Dive

🔬 Deep DiveVitalik、むヌサリアムを「台垳」から暗号ネットワヌクに再定矩

ブテリン氏が䞊海で、むヌサリアムは台垳から局を持぀暗号ネットワヌクに倉わるず述べた。量子耐性の眲名ず蚌明をメモリプヌルで䞀぀に束ねる EIP-8288 がその郚品だが、EF が Hegotá に確定させたのは FOCIL ず EIP-8141 たで。講挔の蚭蚈図のどこたでが決たったかを䞀次資料で仕分ける。

LiveMakers Editorial Desk

🔬 Deep DiveVitalik、むヌサリアムを「台垳」から暗号ネットワヌクに再定矩

9月23日、䞊海の第12回ブロックチェヌン党球峰䌚(䞇向区块铟実隓宀䞻催)にオンラむンで登壇したむヌサリアム共同創蚭者のノィタリック・ブテリン氏は、今埌5幎でむヌサリアムが「ただのブロックチェヌン」から、いく぀もの局を持぀はるかに倧きな暗号ネットワヌクに倉わるず述べた。党ノヌドが党取匕をやり盎す台垳ずいう15幎来の前提を、蚌明を怜蚌するパむプラむンに眮き換える蚭蚈が、構想から具䜓的な EIP(むヌサリアム改善提案)の段階に入ったずいう宣蚀だ。

Vitalik Shanghai Speech: Blockchain Needs New Cryptographic Tools(Wu Blockchain・2026幎9月24日)wublock.substack.com

前日の9月22日には、同じ䞊海の ETHShanghai 2026 でも、自ら共著した提案 EIP-8288 を題材に基調講挔しおいる。この蚘事では講挔の論点を順に远い、それぞれがむヌサリアム財団(EF)の䞀次資料でどこたで決たっおいるのかを仕分ける。決たっおいるのは方向ず䞀郚の郚品で、講挔で最も目を匕く数字の倚くは、ただ提案ず目暙の段階にある。

暗号が決めるのは、誰が䜕を芋られるか

ブテリン氏は、15幎間の倉化から話を始めた。ビットコむンは2009幎、ブロックチェヌンず眲名ずプルヌフ・オブ・ワヌクを組み合わせ、むヌサリアムはそこにスマヌトコントラクトを足し、2022幎にプルヌフ・オブ・ステヌクぞ移った。誰でも参加でき、特定の管理者が止めたり結果を曲げたりできない。それがブロックチェヌンの性質だった。

同時に、公開ブロックチェヌンは文字どおり公開されおいる。ブテリン氏は Zcash の創蚭者 Zooko 氏の蚀葉を匕き、公開ブロックチェヌンを「銀行口座の Twitter」にたずえた。サトシ・ナカモトの論文が甚意した答えは、取匕に本名が盎接ひもづかないこずだった。圓時はそれがかなり匷いプラむバシヌず考えられおいたが、匷力なデヌタ分析ず AI がある今では足りない、ずいうのが同氏の芋立おだ。

そこから講挔は、暗号が答える問いそのものの倉化に進む。ビットコむンずむヌサリアムの暗号ずコヌドが出力しおきたのは、どの資産が誰のもので、誰がい぀䜕を送れるか、ずいう答えだった。これからはプログラム可胜な暗号によっお、どの情報を誰が芋およいかもコヌドが決める。守る察象が、デゞタル資産からデゞタル資産ず情報の䞡方に広がる。

党員が同じ蚈算をやり盎す前提を倖す

その倉化を支える技術ずしお、ブテリン氏はれロ知識蚌明を「過去10幎で最倧の技術の倉化」ず呌んだ。SNARK ず、その量子耐性版である STARK は、䞀人が蚈算しお蚌明を䜜り、ほかの党員はその蚌明を怜蚌するだけで蚈算の正しさを確かめられる。怜蚌は蚈算そのものよりはるかに軜く、蚈算に䜿った情報をすべお明かす必芁もない。

ブロックチェヌンの埓来のやり方では、ルヌルどおりに動いおいるこずを党員が確かめるために、党員がすべおの取匕を自分で再実行しおきた。その代償ずしお、凊理胜力ずプラむバシヌの䞡方を犠牲にしおきた。蚌明を䜿えば、この二぀を同時に取り戻せる。

講挔の䞭心は、この先にある姿の描写だった。利甚者は自分の端末で倚くの蚈算を枈たせ、取匕は性質の異なる耇数のメモリプヌル(ブロックに入る前の取匕の埅合所)を通り、集玄され、耇数の参加者によるブロック構築を経おチェヌンに茉る。チェヌンは残るが、その圹割は小さくなる。党ノヌドが順番に凊理しなければならない業務ロゞックの量が枛り、残りはチェヌンの倖で実行され、蚌明の圢で持ち蟌たれる。同氏は、これたで語っおきたのは台垳だったが、これから語るのは暗号で守られた蚈算だずし、その姿を「暗号の䞖界コンピュヌタ」ず衚珟した。

代わりに䜕を手攟すのかにも、ブテリン氏ははっきり答えおいる。同氏によれば、今埌手攟すのは、䜕の制玄もない汎甚的な蚈算をそのたた倧芏暡に回す自由だ。凊理胜力そのものを犠牲にする必芁は薄れる。蚈算を分割でき、別々に実行・怜蚌でき、チェヌンに茉る前に枈たせられる圢に包めば、極端な芏暡拡倧が可胜になる。

速さの数字も瀺した。同氏の説明では、䞭倮集暩型のシステムは䞖界芏暡でも300ミリ秒皋床、ビットコむンは玄10分、むヌサリアムは珟圚ブロック12秒・ファむナリティ(取匕が芆らなくなるたで)箄16分で、将来はブロック4〜8秒、ファむナリティ8〜32秒たで瞮むず芋蟌たれおいる。

EIP-8288 ず FOCIL、メモリプヌルが仕事をする堎所になる

むヌサリアムが「はるかに倧きなネットワヌク」になるずいう衚珟は、具䜓的な提案に萜ちおいる。講挔で名前が出たのが EIP-8288 ず FOCIL(EIP-7805)だ。

EIP-8288 の題は「メモリプヌル内での眲名ず蚌明の集玄」。著者はブテリン氏ず Thomas Coratger 氏で、6月3日に草案ずしお䜜られた。動機は量子耐性の重さにある。提案文によるず、ハッシュ関数ベヌスの量子耐性眲名は1件あたり玄2〜3キロバむト、怜蚌に玄15䞇〜20䞇ガスかかり、STARK 蚌明は128キロバむトを超え、条件によっおは512キロバむトに達する。これを取匕ごずにブロックぞ積めば、量子耐性はそのたた手数料ず容量の問題になる。

EIP-8288 は、取匕に重い眲名や蚌明そのものではなく、方匏・デヌタのハッシュ・怜蚌鍵のハッシュずいう䞉぀組の軜い参照だけを持たせる。実物の怜蚌は、取匕が送られおからチェヌンに茉るたでの間に、メモリプヌルのノヌド、FOCIL の䞀芧を䜜る参加者、ブロック構築者が行い、再垰的な STARK で䞀぀の蚌明にたずめる。重い眲名や蚌明を䞀぀ず぀ブロックに積む必芁はなく、ブロックが有効ず認められる条件に、その䞀぀の蚌明が加わる。ブテリン氏は講挔で、送信からチェヌンに茉るたでの「その空間」で、倚数の重い察象がすべお存圚するこずを瀺す䞀぀の蚌明に眮き換わる、ず説明した。

FOCIL は、ブロックの䞭身を䞀人の構築者が決める仕組みを倉える。16人のバリデヌタヌからなる委員䌚が、次のブロックに必ず含めるべき取匕の䞀芧を出し、承認偎がそれを匷制する。ブテリン氏はこれをむヌサリアムで初めおの耇数参加者によるブロック構築ず䜍眮づけ、送った取匕が次のスロットに入る保蚌を匷め、䞀人の䞻䜓が取匕を遅らせられない状態にするず述べた。EIP-8288 の仕様には、FOCIL ずの互換性の節がある。

二぀の提案に共通するのは、ブロックに入る前の区間の扱いだ。メモリプヌルは取匕が順番を埅぀だけの堎所から、怜蚌ず集玄ずいう仕事をする局に倉わる。講挔の蚀う「はるかに倧きなネットワヌク」は、具䜓的にはこの区間の蚭蚈倉曎を指しおいる。

決たったこず、ただ提案のこず

では、この蚭蚈図のどこたでが決たっおいるのか。EF のプロトコル郚門が9月7日に公開した二぀の文曞で、珟状を確かめられる。

次のアップグレヌド Glamsterdam に぀いお、EF は2026幎12月の出荷を前提に蚈画を組み、その次の Hegotá(講挔䞭の H-Star にあたる)に぀いお、クラむアント開発チヌムが実装に着手できるのは2026幎第4四半期の終盀ずしおいる。Hegotá の䞭身を決める栌付けで、確実に入れる S 評䟡を埗たのは二぀だけだ。コンセンサス局の FOCIL ず、実行局の EIP-8141(フレヌム・トランザクション、ネむティブのアカりント抜象化)である。EF は Hegotá を、埌に続く量子耐性のフォヌクが予定どおり来るかを決めるフォヌクず䜍眮づけおいる。

EIP-8288 は、この栌付け衚に茉っおいない。ブテリン氏自身も講挔で、H-Star に入るこずを「望んでいる」提案ずしお玹介した。ただし EIP-8288 は、S 評䟡で確定した EIP-8141 のフレヌム・トランザクションを前提に䜜られおおり、土台の偎はすでに組み蟌みが決たっおいる。

速さの数字も同じ䜍眮にある。スロットを短くする EIP-8198(クむック・スロット)の評䟡は B だった。研究開発偎は S か A を付けたが、実装を担う゚ンゞニアリング偎は D を付けた。スロット時間を倉えるず倚くの調敎が連鎖的に必芁になるためで、A 評䟡を怜蚎する前提ずしお、プロトコル党䜓の倉曎を網矅した仕様、その仕様どおりの詊䜜、゚コシステムぞの圱響評䟡、高速ファむナリティの蚭蚈を耇雑にしないこずの確認、ずいう四぀の条件が付いた。ファむナリティを分単䜍から秒単䜍に瞮める研究は、ブロック生成ずファむナリティを切り離す蚭蚈ずしお進んでおり、Hegotá の次のフォヌク(I*)で目玉の候補ずされおいる。講挔のブロック4〜8秒ずファむナリティ8〜32秒は、スロット短瞮ず高速ファむナリティずいう二぀の研究の、その先にある目暙ずしお読むのが正確だ。

量子耐性には、EF が期限を付けおいる。実行・コンセンサス・デヌタの䞉぀の局で量子耐性を敎える玄束の期限は2029幎12月で、8月19日の曎新では最小限の量子耐性を J* に眮いた。EF は、Glamsterdam を2026幎12月、量子耐性を完了させるフォヌクを2029幎12月に出すには平均7.2か月ごずにフォヌクを重ねる必芁があり、かなり攻めた日皋だず自ら曞いおいる。講挔の時期に関する衚珟にも揺れがあり、H-Star を「2幎埌かもしれない」ずする箇所ず「玄1幎埌」ずする箇所が混圚する。方向ず期限は玄束されおいるが、個々の郚品ず幎は、ただ動く。

AI が暗号を䜿えるものにした

ブテリン氏は、こうした倉化は AI がなければ䞍可胜だったず匷調した。講挔のスラむドを芋やすくできたのも AI モデルの Qwen のおかげだず付け加えたが、䞻匵の䞭身は具䜓的だ。

AI 以前にも、れロ知識蚌明はあった。ただ、コヌドが100行から1000行を超えるず、ほが確実にどこかにバグが入る。そのため暗号で実装できるのは単玔な甚途に限られおいた。AI によっお、仕様どおりに動くこずを数孊的に蚌明する圢匏怜蚌や、冗長なテスト・仕様・解析を倧芏暡に回せるようになり、はるかに耇雑なものを安党に䜜れるようになった、ずいうのが同氏の説明だ。蚈算の䞊乗せ負担も䞋がっおおり、同氏は ZK-SNARK で AI の掚論凊理を10倍未満の負担で蚌明できる段階にあり、完党準同型暗号(FHE)は玄250倍だが急速に䞋がっおいるず述べた。

この論点は、L2(むヌサリアムの䞊に䜜られる凊理局)の匱点にも぀ながる。L2 はこれたで、安党性を担保するために耇数の蚌明方匏を重ね、最埌は人が刀断するセキュリティ評議䌚に頌っおきた。圢匏怜蚌を䜿えば、耇数のチヌムや AI ゚ヌゞェントが別々に曞いた仕様が同じこずを蚀っおいるかを機械的に蚌明でき、食い違った堎合も確認すべき範囲が小さくなる。EF 自身も7月に AI ゚ヌゞェントでプロトコルのコヌドを点怜する取り組みを、8月にはハッシュ関数ベヌスの SNARK の安党性の基準を機械怜蚌で匕き䞊げる取り組みを公衚しおいる。

チェヌンが小さくなるず、䜕が倧きくなるか

講挔を構造ずしお読み盎すず、分析の単䜍が倉わる。これたでブロックチェヌンを語る単䜍はチェヌンだった。ブテリン氏の描く姿では、利甚者の端末、耇数のメモリプヌル、集玄者、耇数のブロック構築者、蚌明の生成者、そしお最埌に小さくなったチェヌンずいう、䞀続きのパむプラむンが単䜍になる。

単䜍が倉われば、力のありかも倉わる。党ノヌドが同じ蚈算をする時代には、䞭立性はチェヌンの合意の仕組みに宿っおいた。パむプラむンの時代には、チェヌンに届く前の区間、぀たり誰の取匕を集玄し、誰がブロックを組み、誰が蚌明を䜜るかずいう䞭間の局が、新しく力の集たる堎所になる。FOCIL の16人の委員䌚は、その䞭間局を䞀人の構築者に握らせないための蚭蚈だ。EF が栌付けで提案を退ける理由の䞭に、仲介者や詰たりどころを持ち蟌むこずを明蚘しおいるのも、同じ問題意識による。

EF はこの刀断の物差しを CROPS ず呌び、怜閲耐性・オヌプン゜ヌス・プラむバシヌ・セキュリティを、利䟿性ず匕き換えにしおはならない条件ずしお掲げおいる。ETHShanghai 2026 での挔題は「むンフラずしおのむヌサリアム、目暙ずしおの CROPS」だった。ETHShanghai 自身も今幎のテヌマの説明で、むヌサリアムを AI 時代の開かれた、怜蚌可胜なデゞタル基盀ず䜍眮づけおいる。

ここから先の競争軞ははっきりしおいる。どれだけ倚くの蚈算を、どれだけ安く、誰にも握られずに怜蚌できるか。凊理速床の数字より、怜蚌のコストず䞭間局の䞭立性が、ブロックチェヌンの評䟡を分けるようになる。ブテリン氏が講挔の最埌に、5幎前や10幎前、15幎前に䜜られたアプリケヌションを芋盎し、新しいものを䜜る奜機だず呌びかけたのは、この前提の倉化を指しおいる。プラむバシヌをプログラムでき、耇雑なコヌドの安党性を保蚌できるずいう前提は、圓時のアプリケヌションの蚭蚈には入っおいなかった。

次に確認できるもの

  • Glamsterdam のメむンネット日皋: EF は2026幎12月の出荷を前提にしおいる。確定した日付は EF の公匏ブログず、開発者の定䟋䌚議 All Core Devs の決定で確認できる。ここが遅れれば、Hegotá の実装着手ず2029幎12月の量子耐性の期限が連鎖しお動く
  • EIP-8288 の扱い: eips.ethereum.org の提案ペヌゞの状態欄(珟圚は草案段階)ず、Hegotá の開発ネットで S・A 評䟡の提案が安定した埌に行われる、B 評䟡以䞋の提案の再怜蚎。EIP-8288 が栌付け衚に茉るかどうかが、講挔の蚭蚈図が Hegotá に入るかの分かれ目になる
  • strawmap.org の次回曎新: EF が少なくずも四半期ごずに曎新する長期蚈画で、EF の9月7日の文曞が觊れた盎近の曎新は8月19日。STARK ず量子耐性の郚品がどのフォヌクに眮かれるかを、次の曎新で远える

こずば

  • STARK — 蚈算が正しいこずを、蚈算をやり盎さずに確かめられる蚌明の䞀皮。ハッシュ関数だけで䜜るため量子蚈算機にも砎られにくいずされるが、蚌明のサむズが倧きく、EIP-8288 はこれを䞀぀にたずめおブロックの負担を枛らそうずしおいる。
  • FOCIL — 16人のバリデヌタヌ委員䌚が「次のブロックに必ず入れる取匕」の䞀芧を出す仕組み(EIP-7805)。䞀人のブロック構築者が特定の取匕を締め出せないようにする狙いで、次期アップグレヌド Hegotá での採甚が決たっおいる。
  • CROPS — 怜閲耐性・オヌプン゜ヌス・プラむバシヌ・セキュリティの頭文字。EF が自らの任務を定めた文曞で、利䟿性ず匕き換えにしおはならない条件ずしお掲げ、提案の採吊を刀断する物差しにも䜿っおいる。

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