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📡 Signal|高市首相、2005年決議を根拠に旧敵国条項の削除を国連で要求
高市早苗首相が9月22日、第81回国連総会の一般討論演説で、国連憲章に残る「旧敵国条項」を早急に削除すべきだと述べた。安保理の構図についても1945年当時の国際情勢を反映したものだとして変革を急務とした。
高市早苗首相が9月22日、ニューヨークの国連本部で開かれた第81回国連総会の一般討論演説に立ち、国連憲章に残る「旧敵国条項」を早急に削除すべきだと述べた。安全保障理事会についても、現在の構図は1945年当時の国際情勢を反映したものだとして、構造の変革を急務と位置づけた。
第81回国連総会における高市内閣総理大臣一般討論演説首相官邸
安保理改革の主張自体は、日本政府が長く掲げてきたものだ。今回の演説で目を引くのは、その根拠の置き方だ。演説は「削除すべきだ」という主張を、国連自身が21年前に採択した決議の履行という形に組み替えている。
2005年の決議を根拠に据える
演説は「旧敵国条項」について、2005年に全加盟国首脳の決意として、国連憲章から「敵国」への言及を削除するとの国連総会決議が採択されていると指摘した。そのうえで「この決議に従い、同条項は早急に削除されるべきです」と述べている。
この組み立てには効果がある。日本の立場の主張としてではなく、加盟国全体が既に合意した事項の未履行として提示すれば、反論する側は21年前に自国も加わった決議と向き合うことになる。条項の削除には憲章改正という高い手続きの壁があり、今日明日に動く話ではない。それでも、論点の置かれる場所が変わる。
「1945年当時の国際情勢」という言い方
安保理については、演説はこう述べている。「安全保障理事会の現在の構図は、1945年当時の国際情勢を反映したものであり、現代の国際社会を真に反映した構造へと変革することが急務です。」
常任理事国の構成や拒否権という具体の制度名を挙げず、構図そのものの古さを指摘する形をとった。旧敵国条項の削除要求と並べると、二つの主張は同じ一点を指している。国連の基本文書が第二次大戦直後の力の配置をまだ保持しているという指摘だ。
海と資源の話も同じ演説に入っていた
演説が扱ったのは国連改革だけではない。核軍縮と NPT の維持、北朝鮮の非核化と拉致問題、ウクライナ侵略と法の支配、気候変動とグリーン・トランスフォーメーション、AI ガバナンスと広島 AI プロセス、開発協力とアフリカへの関与が並んでいる。
市場に近い項目は、エネルギーとサプライチェーンの強靭性を軸に据えた「進化した」自由で開かれたインド太平洋の議論と、海上安全保障だ。演説はホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡を名指しした。この二つは原油とコンテナの通り道であり、そこが詰まれば運賃と原油価格を通じて各国の物価に直接効く。国連改革が抽象の議論に見える一方、同じ演説は具体の海峡名を挙げている。
二つの1945年
演説が並べた二つの要求は、いずれも1945年に書かれた文書を書き換えろという内容だ。一方は憲章から特定の言及を消すこと、他方は理事会の構図を作り直すこと。どちらも手続きの壁は高く、演説一つで動く範囲を超えている。
それでも、主張の形が「日本の要望」から「合意済み事項の履行」へ寄ったことは記録に残る。次に同じ論点が持ち出されるとき、出発点はこの演説の位置になる。
次に確認できる一点
見る先は二つある。首相官邸の「総理の演説・記者会見など」に掲載された9月22日の演説全文と、外務省の「国連改革」ページだ。後者に安保理改革の交渉状況の更新が入るかどうかが、この主張が会期中の議論へ接続したかの最初の手掛かりになる。第81回国連総会の会期を目安に、この二つの面を見ておきたい。
ことば
- 旧敵国条項 — 国連憲章に残る「敵国」への言及で、第二次大戦の敵国に対する特別な措置を想定した規定。2005年の国連総会決議で削除の方針が確認されたが、憲章改正の手続きを要するため条文としては残っている。
- 一般討論演説 — 毎年9月の国連総会の冒頭に各国首脳が順番に行う演説。その年の自国の外交方針を国際社会へ示す場であり、時間が限られるため何を並べたかが優先順位を映す。
- バブ・エル・マンデブ海峡 — 紅海とアデン湾を結ぶ海峡で、スエズ運河を経由する欧州とアジアの航路の要所。ホルムズ海峡と並び、通航の妨げが運賃と原油価格に直接跳ね返る。
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