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SNAPSHOT 2026-10-12 07:30 JST

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📡 Signal|バークレイズら英 7 行、トークン化預金で初の実顧客取引

英国の大手銀行7行が9月24日、トークン化したポンド預金で実際の顧客取引を完了した。住宅ローンの借換2件と個人間売買の代金決済1件。資金をロックし、条件が満たされた時点で自動的に相手へ渡す仕組みを、複数行が同じ基盤の上で通した。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|バークレイズら英 7 行、トークン化預金で初の実顧客取引

英国の大手銀行 7 行が 9 月 24 日、トークン化したポンド預金による実際の顧客取引を完了したと、業界団体の UK Finance が発表した。住宅ローンの借換 2 件と、個人間売買の代金決済 1 件である。

UK banks complete first live customer transactions using tokenised sterling deposits(UK Finance、2026年9月24日)UK Finance

動いたのは、顧客の口座にある実際の預金だった。これまで各行が個別に進めてきたブロックチェーンの実験と違うのは、複数の銀行が同じ仕組みの上で決済まで通したことだ。決済の土台を作り替える動きは、どの技術を使うかという段階を越えて、誰の負債の上でそれをやるかという問いに入っている。英国はそこに、預金という古い答えを新しい形で出してきた。

金をロックして、条件が満たされたら自動で放す

参加したのはバークレイズ、HSBC UK、ロイズ・バンキング・グループ、Monzo、ネーションワイド、NatWest、サンタンデールの 7 行。取引は 2 種類あった。

住宅ローンの借換では、資金をいったんロックした状態に置き、物件の名義移転が確認された時点で自動的に解除して相手方の銀行へ渡した。UK Finance は、決済資金はロックされ完了時に自動的に解放された、手作業の確認と決済の遅れが減る、と説明している。個人間売買では、買い手の口座の中で代金を固定し、商品の受け渡しが成立してはじめて売り手に渡る形をとった。

どちらも、送金の速さではなく、送金の条件を変えている。通常の振込は、送った瞬間に相手のものになる。ここでは、条件を満たした瞬間に相手のものになる。仲介者が預かって確認していた仕事が、預金そのものに埋め込まれた。

基盤の開発は Quant、プロジェクト運営は EY、法務は Linklaters が担った。イングランド銀行、英財務省、金融行為規制機構(FCA)、決済システム規制庁(PSR)が関与している。規制当局が横で見ている状態で実顧客の資金を動かした、という点が、この発表の重さを決めている。

ステーブルコインとは、負債の出どころが違う

トークン化預金は、銀行預金の法的な位置づけを変えずにブロックチェーン上で扱えるようにしたものだ。預金保険や既存の顧客保護がそのまま乗る。発行体が資産を裏づけに独自の請求権を発行するステーブルコインとは、負債の出どころが違う。

イングランド銀行は、決済の技術革新の経路として民間発行のステーブルコインよりもトークン化預金を支持する姿勢をとってきた。今回の取引は、その姿勢に実物の裏づけがついたことを意味する。

ただし、優劣の話に還元できるものではない。同じプログラム可能性を、銀行の負債の側からも実装できると示されたということだ。ステーブルコインが持つ国境をまたぐ速さと、預金が持つ既存の保護の厚み。両者は当面、別の問題を別の場所で解く。

UK Finance の決済・イノベーション担当マネージングディレクター、ジャナ・マッキントッシュ氏は「この実取引は、トークン化預金が実用的で現実の便益を届けられることを示している」と述べた。Quant 創業者兼 CEO のギルバート・ヴェルディアン氏は「これらの取引は英国のインフラの上を動く本物の資金であり、実験ではない」とした。

2027 年 1〜3 月に、社債で試す

この仕組みは Great British Tokenised Deposit(GBTD)という名前で、2025 年に始まっている。

UK Finance は次の段階として、数カ月以内にデジタル資産の決済を対象としたパイロットを予定しているとした。トークン化した顧客資金とデジタル資産を接続し、資産の引き渡しと代金の支払い、中央銀行準備預金での最終決済を一体で回す構想(DvPvR)である。参加行は運営会社とルールブックを設け、2027 年 1〜3 月に 3 本のデジタル債を発行してトークン化預金で売買・決済する計画だと、ユーロニュースなどが伝えている。

住宅ローンと個人間売買は、金額も件数も小さい。だが借換の自動決済は、英国の住宅取引で長年「待ち時間」として受け入れられてきた工程を削る。社債の発行から決済まで同じ預金で通るなら、削られる工程はもっと多い。

数カ月以内と言った、次のパイロット

見るべき先は、UK Finance のプレスリリース面(ukfinance.org.uk の News and insight)と、イングランド銀行が公表する決済インフラ関連の文書である。UK Finance が数カ月以内と言った次のパイロットで、発行体・銘柄・決済方式が具体的に示されるかどうか。そこが示されなければ、2027 年 1〜3 月の 3 本のデジタル債は日程だけが残ることになる。

ことば

  • トークン化預金 — 銀行預金をブロックチェーン上で扱える形にしたもの。預金である法的性格を変えないため、預金保険などの保護がそのまま残る。条件付きの自動決済を組み込める点が従来の振込と違う。
  • DvPvR — 資産の引き渡し(Delivery)、代金の支払い(Payment)、中央銀行の準備預金での最終決済(Reserves)を一体で成立させる方式。どれか一つだけが先に実行されて相手が受け取り損ねる事故を防ぐ。
  • GBTD — Great British Tokenised Deposit。UK Finance が 2025 年に始めた英銀行界の共同プロジェクトで、今回の実取引はその最初の成果にあたる。

🔗 一次ソース

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