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SNAPSHOT 2026-10-12 07:30 JST

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📡 Signal|ビットコイン上の USDT、Utexo が発行へ

Tether 出資の Utexo が、RGB を使ってビットコイン上で USDT を発行する見込み。2023年に Omni から撤収した USDT が、取引の中身を表に出さない仕組みで最初の土台に戻る。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|ビットコイン上の USDT、Utexo が発行へ

Tether が出資する Utexo が、ステーブルコイン USDT をビットコイン上で発行する準備を進めている。CoinDesk が9月29日に伝えたところでは開始は10月中の見込みで、Utexo は USDT をビットコイン上で発行し、その商標を使って取引所やウォレットに配る商用ライセンスを得たという。

USDT は2014年にビットコイン上の Omni で生まれたが、Tether は2023年に Omni での新規発行を止め、2025年9月には償還も終えた。時価総額が1,900億ドル近い最大のステーブルコインが、最初の土台に、取引の中身を表に出さない別の仕組みで戻ろうとしている。

Omni の撤収から RGB へ

Tether の公式発表をたどると、撤収と再参入は並行して進んできた。2023年8月17日、Tether は Omni、Kusama、Bitcoin Cash SLP の3つで USDT の新規発行を止めた。発表は、Omni が2014年に最初に使った基盤だったことに触れつつ、利用が戻らないチェーンの維持は非効率でセキュリティ上の負担にもなると説明している。2025年7月11日には、Omni を含む5つの旧チェーンで償還を終え、残った USDT を凍結すると発表し、9月1日に実施した。

その間の2025年8月28日、Tether は RGB 上で USDT を発行する計画を公表した。RGB は、ビットコインの上でデジタル資産を発行するためのプロトコルで、このとき 0.11.1 版でメインネットに到達していた。発表は、USDT をビットコインと同じウォレットで持ち、私的に、オフラインでも送受信できるようになると書いている。

その実務を担うのが Utexo だ。2026年3月6日の発表によると、Utexo は Tether、Big Brain Holdings、Portal Ventures が主導する750万ドルのシード資金を調達し、Franklin Templeton や Flow Traders なども参加した。目標は、ビットコインと Lightning Network の上で、固定の手数料で USDT を決済できるようにすることだった。

予定は一度ずれている。Bitcoin Magazine は7月6日の記事で、RGB 上の USDT は数週間以内、早ければ7月にも始まると伝えていた。今回の見込みは、そこから3か月後になる。

取引の中身をチェーンの外に置く仕組み

RGB の特徴は、クライアント側検証と呼ばれる設計にある。資産の受け渡しの記録は送り手と受け手の手元で検証し、ビットコインのチェーンには、その記録を特定の UTXO (未使用の取引出力) に結びつける印だけを残す。誰がいくら送ったかは、公開の台帳から読み取れない。

CoinDesk によると、Utexo はこの仕組みの上で、USDT の私的な送金、ビットコインと USDT の直接の交換、ビットコインを担保にした借入の3つを用意する。いずれもビットコインを別のチェーンの包装トークンに替えずに使える点を売りにしており、Lightning Network への対応は最初の開始の後に段階的に進めるという。

規制への対応も、口座単位ではなく UTXO 単位で設計されている。Ethereum や Tron の USDT では、Tether が特定のアドレスを凍結できる。RGB 版では、制裁対象や不正に関わる UTXO をブラックリストに載せ、その UTXO は償還できなくなる仕組みだと CoinDesk は伝えている。Utexo の共同創業者ヴィクトル・イフナチュク氏は同紙に、Tether はずっとビットコインの会社だったと語った。

主戦場はなお Ethereum と Tron

USDT の流通の大半は、2014年以降に移っていった Ethereum と Tron にある。スマートコントラクトを持つ Ethereum では、USDT は貸し借りや交換のプログラムにそのまま組み込める。Tron は手数料の安さで、送金用の通貨としての地位を築いた。

ビットコインには同じ種類のプログラムを直接載せる仕組みがない。RGB はその外側に資産の層を足し、Lightning Network と組み合わせて速さを補う。RGB 版の USDT が手にするのはプライバシーとビットコインの決済網で、Ethereum や Tron にある既存の DeFi とのつながりは、いまのところ持たない。

Tether が8月半ばの時点で約10万 BTC を保有していたとも CoinDesk は伝えており、発行体自身がビットコインの大口保有者でもある。USDT がビットコインに戻ることは、Tether にとって準備資産を置く場所と発行の場所を同じチェーンにそろえる動きでもある。

今月の分岐点

  • 基本線: 10月中にビットコイン上での発行が始まり、Utexo の配布先として取引所とウォレットの対応が順に告知される。Lightning Network への対応は年をまたぐ
  • リスク: 7月の見込みと同じく、開始が再び後ろにずれる。その場合、発行の仕組みより先に、配布先の取引所とウォレットの対応が整うかどうかが焦点になる

確認できる次の一点は、Tether が流通残高を日次で公表する透明性ページ (tether.to/en/transparency) の「Current Balances」だ。内訳にビットコイン上の RGB 版が加わり、残高が計上されれば、発行が実際に始まった証拠になる。あわせて、Utexo の公式サイト (utexo.com) に開始日の告知が出るかを10月中に見る。

ことば

  • RGB — ビットコインの上でトークンを発行・送受信するためのプロトコル。取引の記録をチェーンの外で当事者が検証し、チェーンには印だけを残すため、送金の中身が公開されにくい。
  • UTXO — ビットコインの残高の単位となる「未使用の取引出力」。RGB の資産はこの UTXO に結びつけられるため、規制対応のブラックリストも UTXO 単位で働く。
  • Omni — ビットコインの取引に追加のデータを載せて独自トークンを扱う仕組み。USDT が2014年に最初に発行された基盤で、2025年に Tether の対応が終わった。

🔗 一次ソース

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