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📡 Signal|Rain、OCC に国法信託銀行の設立を申請
Rain が OCC に国法信託銀行の設立を申請した。保管・準備資産の管理・ステーブルコインの発行を担い、預金や融資はしない。ICBA の提訴の3日後で、免許の土台が争われるさなかの申請になる。
ステーブルコインのカード決済基盤を手がける Rain は10月5日、米通貨監督庁 (OCC) に国法信託銀行「Rain National Trust Bank」の設立を申請した。認められれば、暗号資産と米ドルの保管、ステーブルコインの裏付け資産の管理、ドル建てステーブルコインの発行と償還を、ニューヨークに置く子会社の銀行で担う。
申請は、米国の地方銀行の業界団体 ICBA が、暗号資産企業への信託銀行免許をめぐって OCC を提訴した3日後に出た。免許の土台そのものが法廷で問われているさなかに、新しい申請がまた一つ積み上がった。
初期報は6日の速報で伝えた。本稿では、Rain 自身の発表で申請の中身を確かめる。
3つの業務と、やらない3つのこと
Rain の発表によると、設立を目指す銀行の業務は3つに分かれる。
- 保管 — 承認された暗号資産と法定通貨を受託者として預かる。顧客の資産は銀行自身の資産と分けて管理する
- 準備資産の管理 — 2025年に成立したステーブルコイン法 (GENIUS 法) の下で、許可を受けた発行体のために裏付け資産を保有・管理する
- 発行と償還 — GENIUS 法に沿い、ドル建てステーブルコインを自ら発行体として発行し、償還に応じる
発表は、やらないことも同じ重さで並べている。預金を受け入れない、個人向けの口座を提供しない、事業向けの融資をしない。預金保険に入らない信託銀行として、顧客の資産は銀行の負債ではなく、持ち主が特定された保管資産として扱う。発行するステーブルコインの裏付け資産は、担保に差し入れることも、貸し出すことも、使い回すこともしないと書く。
Rain 本体は銀行にならない。決済の会社として残り、Visa と Mastercard の直接加盟の地位も別の子会社で持ち続ける。銀行は資本を分けた子会社とし、OCC の監督と検査を受ける。
ばらばらの預け先を、一つの監督の下へ
Rain の取引先は、ステーブルコインのカードや財布、送金の仕組みを数百万人規模の利用者に提供している。発表によれば、その裏側の資産はいま、州ごとの免許、外部の保管業者、外部のステーブルコイン発行体に分かれて置かれている。
信託銀行を持てば、この3か所を一つの連邦の監督の下にまとめられる。共同創業者のファルーク・マリク CEO は、Rain の上で事業を作る機関は、自分たちのプログラムの裏付け資産を連邦の規制当局に責任を負う受託者に預けたがっていると述べた。
銀行の CEO 候補には、ブランドン・ソト氏を据えた。直近は Coastal Financial の最高財務責任者で、その前は Block 傘下のユタ州の産業銀行 Square Financial Services で同じ役職にあり、預金保険公社 (FDIC) とユタ州から認可を受けた免許申請の準備に関わった。ソト氏は、信託銀行の最初の仕事は何を誰のために持っているかを把握し安全に保つことだとし、日々の照合を初日から組み込むと語っている。
カード決済の会社が、発行と保管を自社の銀行に取り込む。ステーブルコインで払う仕組みのうち、これまで外部に任せていた工程を内側へ移す動きになる。
免許の土台が問われているさなかに
ICBA が10月2日に起こした訴訟は、暗号資産企業に国法信託銀行の免許を出してきた OCC の規則と解釈そのものの取り消しを求めている (LiveMakers の解説)。訴状によると、OCC は現政権下で21の信託銀行を承認または条件付きで承認し、うち少なくとも13社が暗号資産企業だった。争点は、受託業務を主としない会社が「信託会社の業務」の枠に入るかどうかだ。
Rain の申請は、その争点に正面から触れる形をとっている。業務の筆頭に受託者としての保管を置き、預金・融資・個人口座をしないと明記した。ステーブルコインの準備資産の管理と発行は、GENIUS 法が連邦の発行体の仕組みとして用意した業務に結びつけている。訴訟が狙う「受託ではない信託銀行」と見られないよう、申請の言葉を組み立てた跡が読める。
一方で、訴訟の結果は個々の申請の審査にも響く。OCC の規則が取り消されれば、新しい申請も含めて、信託銀行の免許で暗号資産の業務を営む道筋が組み直しになる。
次に見るもの
確認先は二つある。一つは OCC のウェブサイトに載る申請書の公開部分と、意見募集の期間だ。Rain は審査に意見募集の手続きが含まれると書いており、地方銀行の団体がこの申請に反対意見を出すかどうかが、訴訟とは別の場での攻防になる。
もう一つは、ICBA の訴訟 (事件番号 1:26-cv-03441) に OCC が出す最初の答弁だ。OCC が規則の正当性をどの条文で守るかが、Rain を含む後続の申請の行方を左右する。
ことば
- 国法信託銀行 — OCC が免許を出す、信託業務に絞った国の銀行。預金を取らないため預金保険に入らず、保管や受託の業務を州の免許ではなく連邦の監督の下で営める。暗号資産企業の申請が相次ぎ、いまはその範囲が訴訟で争われている。
- GENIUS 法 — 2025年に成立した米国のステーブルコイン法。ドル建てステーブルコインの発行体に、裏付け資産の保有と開示を求める。銀行の子会社や、連邦・州の認可を受けた発行体が発行できる枠組みを定めた。
- 準備資産 — ステーブルコインの価値を支えるために発行体が持つドルや短期国債。償還の請求に応えるための資産で、Rain は自社が預かる準備資産を担保にも貸付にも回さないとしている。
🔗 一次ソース
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