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📡 Signal|Ondo、上場前の AI 企業に連動するトークンを発表
Ondo が上場前の企業に連動するトークン化ノートを発表した。第1弾は社名非公開の AI 企業。株式ではなく、払い戻しは上場時の株価に連動し、米国の投資家は買えない。
トークン化した米国株を手がける Ondo Finance は10月5日、上場前の企業の値動きに連動するトークン「Ondo Private Markets」を発表した。最初の銘柄は社名を伏せた上場前の AI 企業で、今週中に流通市場で24時間の売買が始まる。
これまで未上場株の値上がりは、最低投資額の高いファンドや一部の投資家の手にあった。Ondo はそれを1社単位のトークンに切り分け、上場を待たずに売り買いできる形にした。ただしトークンは株式そのものではなく、米国の投資家は買えない。
初期報は6日の速報で伝えた。本稿では、Ondo の発表と法的な注記で中身を確かめる。
中身は株ではなく、上場時の株価に連動するノート
Ondo の発表によると、トークンの正体はトークン化したノート (債務証券) だ。払い戻しの額は、参照する企業の普通株について、上場などの「適格な流動化イベント」の時点で実現した1株あたりの価値に連動する。
PR Newswire で配信された発表の法的な注記は、さらにはっきり書く。トークンはそれ自体が株式ではなく、保有者に原資産を保有・受領する権利を与えない。発行体は英領バージン諸島の PM Issuer Co (BVI) Limited だ。
株主になるわけではないので、議決権も、会社の情報を受け取る権利も付いてこない。トークンの保有者が持つのは、発行体に対する将来の支払いの請求権だ。値上がりの分は、発行体が約束どおり払って初めて手元に届く。
米国の投資家は対象外
注記によれば、トークンは米国内で、または米国人に向けて、登録なしに売り出せない。米国内から買い注文を出した人は、購入も償還もできない。発表が繰り返す「適格な投資家」は、少なくとも米国外の投資家に限られる。
発表は、自己保管の財布で持てること、他の適格な保有者に自由に移せること、分散型金融 (DeFi) の仕組みと組み合わせられることを売りにする。売買は許可を要しない流通市場で24時間行われる。
一方で、発表からは読み取れない点も残る。最初の企業の社名、発行に使うブロックチェーン、流動化イベントが起きないまま年月が過ぎた場合の扱い、手数料は、発表の本文に書かれていない。
上場株のトークン化から、未上場の一社へ
Ondo は、上場株と ETF のトークン化で先行してきた。発表によると、トークン化した株式と ETF は450銘柄を超え、その残高は10億ドルを上回る。Ondo 全体の預かり残高は39億ドル、累計の保有者は100万を超えるという。
未上場に手を広げる理由として、Ondo は未上場の世界の厚みを挙げる。年間売上高1億ドルを超える米国企業の87%が非上場で、AI 企業はユニコーン企業の価値の半分近くを占めるとする。大型の企業ほど上場を遅らせ、上場の時点では値上がりの多くがすでに済んでいる、というのが Ondo の見立てだ。
上場株のトークンは、取引所で決まる株価という外の値段を参照できる。未上場の一社を参照するトークンには、上場までその値段がない。流通市場で付く価格は、上場時の株価の予想そのものになる。24時間売買できることは出口を作るが、その出口で付く値段の拠り所は、買い手と売り手の見通しの重なりしかない。
次に見るもの
確認先は、Ondo の発表ページと Ondo Private Markets の製品ページだ。今週中の売買開始に合わせて、最初の企業の社名、発行に使うブロックチェーン、ノートの条件 (流動化イベントの定義と満期の扱い) が出るかを見る。
参照先の企業の名前が明かされれば、その企業が自社株を参照するトークンをどう受け止めるかも問われる。米国では10月、トークン化株の売買の場が、発行体の異議を受けて銘柄を一覧から外した例が出たばかりだ (LiveMakers の解説)。未上場企業の同意の有無は、発表の本文に書かれていない。
ことば
- ノート — 発行体が将来の支払いを約束する債務証券。株式と違い、議決権や配当の権利は付かない。Ondo Private Markets では、払い戻しの額が参照企業の上場時の株価に連動する。
- 流動化イベント — 未上場企業の株主が持ち分を現金化できる出来事。株式の上場 (IPO) や企業の売却が典型だ。Ondo のノートは、この時点の1株あたりの価値で払い戻し額が決まる。
- 自己保管 — 暗号資産やトークンを、取引所などに預けず自分の財布で持つこと。秘密鍵を自分で管理するので移転は自由だが、鍵を失えば取り戻せない。
🔗 一次ソース
Ondo Finance「Introducing Ondo Private Markets: Private Company Exposure Trading 24/7」(2026年10月5日) — ノートの払い戻しが流動化イベント時の1株あたりの価値に連動すること、最初の銘柄が上場前の AI 企業であること、450超の株式・ETF と10億ドル超の残高、全体の預かり残高39億ドルと保有者100万超、未上場企業の比率などの Ondo の主張を確認ondo.finance
PR Newswire 配信「Ondo Private Markets To Bring Private-Company Exposure Onchain, Starting with AI」(The Manila Times 掲載・2026年10月6日) — 発行体 PM Issuer Co (BVI) Limited、トークンが株式でなく原資産の権利を与えないこと、米国・米国人への販売制限を確認The Manila Times- CoinDesk 公式 X の初報 (2026年10月6日)