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📡 Signal|ブラジル中銀の新規則、Binance に国内移管の期限
ブラジル中銀の決議520号は、国外の暗号資産業者に10月30日までの国内移管を求める。Binance は移管の詳細を予告し、B3 は2027年初頭のトークン化基盤の稼働を準備している。
Binance は10月2日、ブラジル中央銀行 (BCB) の決議521号にもとづき、11月1日からブラジルの利用者が国外と暗号資産を送受金する際に、送金の目的と相手方の申告を求めると告知した。同じ告知で「数日のうちに、ブラジルへの業務移管の詳細を示す」とも書いた。背景には、国外で設立された暗号資産業者に、国内の認可業者へ業務と顧客を移すよう求める決議520号の期限がある。規則の施行日 (2月2日) から270日で、数えると10月30日になる。
同じ規則の下で、ブラジル最大の証券取引所 B3 は、トークン化資産の基盤を2027年初頭に稼働させる準備を進めている。海外の取引所が国内の枠組みへ移るか縮むかを迫られる一方で、国内の既存の市場インフラはトークン化へ踏み出す。ブラジルの暗号資産市場は、規則の期限を境に担い手の顔ぶれが入れ替わりつつある。
本サイトの速報 (バイナンス、ブラジルで8サービスを制限し22トークン上場廃止へ / ブラジル証券取引所B3、トークン化証券基盤を2027年上期に開始へ) の続報として、中央銀行の条文と当事者の公表から整理する。
決議520号が定めた「270日」
BCB は2025年11月10日、暗号資産サービス事業者 (VASP) の制度を定める3本の決議を出した。519号が認可の手続き、520号が事業者の設立と運営、521号が為替規制への組み込みを定める。520号は2026年2月2日に施行された。
国外の業者に効くのは520号の23条だ。施行日に国内で暗号資産の業務を行っていた国外設立の事業者で、施行後も国内で正規に事業を続けたい者は、施行日から270日以内に、業務と顧客を国内の認可を受けた事業者へ移さなければならない。国内の既存の事業者にも同じ270日の枠があり、88条は期間内に BCB へ認可を申請するよう求めている。
2月2日から270日を数えると、10月30日になる。国外の大手取引所にとって、ブラジルの利用者を国内の法人へ移し終える期限が、あと3週間に迫っている。
Binance の告知と、報じられたサービスの縮小
Binance の10月2日の告知が定めるのは、11月1日からの申告の手続きだ。利用者は国外の自分の口座への送金や、ブラジルに住んでいない個人・企業との送受金の際に、出金なら目的と受取人を、入金なら目的と送金者を申告する。入金は申告を済ませるまで保留になる。根拠は決議521号で、為替規制の既存の決議277号を改めたものだと告知は説明している。
サービスの縮小については、Wu Blockchain が10月9日、Binance のポルトガル語の FAQ の画面を添えて報じた。画面の文面によると、BCB の新規則を理由に、10月27日から Loans、Binance Pool、Cloud Mining、証拠金取引、Launchpool、Megadrop、HODLer Airdrops、Alpha 2.0 の8つのサービスがブラジルの利用者向けに制限される。既存のポジションは決済と残高の移動だけができ、新規には建てられない。
ただし、この FAQ のページは Binance の公開の告知一覧では見つからず、22銘柄の取扱い停止の銘柄リストや、10月29日までの国内法人への移管という日付も、Binance の公開の告知では確認できていない。確認できる範囲で言えるのは、10月27日という制限の日付が、決議520号の移管期限の直前に置かれていることまでだ。
B3 は「2027年初頭」に向けて
B3 は9月15日、自社のイベント B3 Week 2026 に合わせたニュースで、トークン化への取り組みを示した。顧客・個人投資家関係担当ディレクターの Felipe Paiva 氏は、トークン化資産のインフラが「2027年初頭から、さまざまな用途で稼働できる状態になる」と述べ、そこには担保のリアルタイムでの移動も含むとした。「プラットフォーム、ステーブルコイン、トークン化した金融商品の取り組みを進めている」とも語っている。
狙いは、金融商品と決済を規制された環境の中で統合することだとニュースは書く。同じイベントでは「トークン化: 24時間365日の市場と新しい担保の形を可能にする」と題した討議も組まれた。
一部の報道は、開始を「2027年上期」とし、既存の株式と同じ注文板での取引や、決済期間などの詳細を伝えている。B3 の公表資料で確認できるのは、「2027年初頭」という時期と、ステーブルコイン・トークン化担保を含む構想までだ。プラットフォームの名称、対象資産、技術の提携先は、B3 自身はまだ示していない。
次に見るもの
確認できる次の一点は、Binance が10月2日の告知で予告した、ブラジルへの業務移管の詳細だ。Binance のサポートの告知欄で、移管先の国内法人、移管の日付、取扱いを続ける銘柄が10月30日の期限までに示されるかを見る。そのうえで11月1日には、決議521号にもとづく国外送受金の申告が始まる。
B3 については、2027年初頭の稼働に向けて、プラットフォームの名称と最初に扱う資産を同社が公表するかが次の確認点になる。B3 のニュース欄と、同社の決算発表がその確認先だ。
ことば
- VASP — 暗号資産の売買・交換・保管などを業として行う事業者 (Virtual Asset Service Provider)。ブラジルでは決議519〜521号で中央銀行の認可制になり、国外の業者も国内の認可業者を通じた業務が求められる。
- トークン化担保 — 国債や株式などの担保をブロックチェーン上のトークンとして表し、担保の差し入れや移し替えを短い時間で行えるようにする仕組み。B3 は担保をリアルタイムで動かす用途を挙げている。
- 決議 (Resolução BCB) — ブラジル中央銀行が出す規則。暗号資産の制度は法律で枠を決め、事業者の要件や手続きの細目を中央銀行の決議で定める形をとっている。
🔗 一次ソース
ブラジル中央銀行:決議520号 (2025年11月10日・23条 国外設立事業者の270日以内の移管 / 92条 2026年2月2日施行)bcb.gov.br
ブラジル中央銀行:決議521号 (為替規制への組み込み)bcb.gov.br- Binance:Updates on International Virtual Asset Transfer Procedures in Brazil (2026年10月2日)binance.com
- B3:B3 avança em contratos de eventos e tokenização (2026年9月15日)b3.com.br
- Wu Blockchain の X 投稿 (2026年10月9日・Binance の FAQ の画面)
CoinPost Terminal:B3 のトークン化証券基盤 (2026年10月9日)CoinPost Terminal