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SNAPSHOT 2026-10-12 18:03 JST

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📡 Signal|フランス下院委、10万ユーロ以上の自己管理ウォレットに申告義務

フランス国民議会の財務委員会が、12月31日時点で10万ユーロ以上の自己管理ウォレットに税務申告を義務づける修正案を採択。違反は最大1万ユーロの罰金。本会議での出し直しが焦点。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|フランス下院委、10万ユーロ以上の自己管理ウォレットに申告義務

フランス国民議会の財務委員会は10月9日、2027年予算法案への修正案 I-CF821 を採択した。暗号資産の事業者に預けず自分で管理しているウォレットのうち、12月31日時点の評価額が10万ユーロ以上のものを税務当局へ申告させる内容で、申告しなかった場合は最大1万ユーロの罰金を科す。

速報では基準額を100万ユーロと伝えたが、修正案の条文が定める基準は10万ユーロ以上だ。委員会は同じ夜、修正を重ねた予算法案の歳入部分そのものを否決しており、この条文が法律になるには本会議でもう一度可決される必要がある。

条文が書き足すのは、海外口座の申告義務の一段落

フランスにはすでに、暗号資産の申告義務がある。税法典 (CGI) 1649 bis C 条は、居住者が海外の事業者で開設・保有・利用・閉鎖した暗号資産の口座を、所得税の申告と一緒に届け出るよう定めている。税務当局の公式解説によれば、届け出なかった口座には1件750ユーロ、残高が年内に5万ユーロを超えた口座なら1件1,500ユーロの罰金がかかる。

修正案は、この条文に一段落を足す。対象は「暗号資産サービス事業者のもとで保管されていない」ウォレットで、本人が直接持つものだ。評価は申告する年の12月31日時点で、ウォレット内の暗号資産の合計が10万ユーロ以上なら申告の義務が生じる。罰則は、罰金を定める1729 C ter 条の対象に 1649 bis C 条を加える形で用意した。申告するのはウォレットそのもので、保有額を申告する仕組みではない。

提出したのは中道系の少数会派 LIOT のシャルル・ド・クルソン氏ら3人の議員で、提出は10月3日、採択は9日だった。

2021年の35億ユーロと4億ユーロ

修正案の趣旨説明は、富裕層への課税を調べた国民議会の調査委員会の報告 (勧告9) を根拠に挙げる。2021年に実現した暗号資産の値上がり益は35億ユーロだったのに対し、同じ年に税務当局へ申告された保有額は4億ユーロにとどまった。議員らは、暗号資産の保有が実態より少なく把握されており、脱税の経路になりうると書いている。

EU では2026年1月1日から、暗号資産の事業者に利用者の取引を税務当局へ報告させる DAC8 (行政協力指令の第8次改正) が適用されている。ただし DAC8 で報告するのは事業者で、事業者を通さずに持つ自己管理ウォレットの保有は仕組みの外にある。今回の修正案は、その空白を国内の申告義務で埋めにいく設計だ。

同じ財務委員会は2025年12月にも、不正対策法案の審議で、5,000ユーロ超の自己管理ウォレットに評価額の届け出を求める別の修正案 (CF64) を採択している。基準額は今回の20分の1で、自己管理ウォレットを税務当局の視野に入れようとする動きは一度きりではない。

自己管理の「見えなさ」をどこまで残すか

自己管理ウォレットは、事業者の破綻や凍結から資産を切り離せることが最大の利点で、取引所が破綻するたびに自衛策として語られてきた。税務当局から見れば、同じ性質が「見えない資産」になる。修正案は保有そのものを制限せず、保有の事実を税務当局に知らせることだけを求めている。

一方で、申告は、高額の暗号資産を自分で持っている人の一覧を当局の手元に作ることでもある。データの保管と漏えいの危険、評価額を誰がどう確かめるのか、という論点は残る。基準を10万ユーロに置いたのは、少額の保有者を外して、当局が追う対象を絞るためと読める。

DAC8 が事業者の側から作った透明性を、加盟国が保有者の側からも求めるのかどうか。フランスの線引きは、その試金石になる。

10月13日からの本会議で、出し直されるか

確認先は国民議会の2027年予算法案の本会議の修正案一覧だ。国民議会の公式チャンネル LCP によれば、本会議は政府の原案から審議をやり直し、歳入部分の審議は10月13日から始まる。委員会で採択された修正案は、本会議用に改めて提出されない限り、審議の対象にならない。I-CF821 と同じ内容の修正案が本会議に出されるか、そして歳入部分の採決まで残るかが、次の判断材料になる。

ことば

  • 自己管理ウォレット — 取引所などの事業者に預けず、利用者が自分で秘密鍵を持って管理するウォレット。事業者の破綻の影響を受けない反面、事業者経由の報告の仕組みには乗らない。
  • DAC8 — EU の行政協力指令の第8次改正。暗号資産の事業者に利用者の取引を税務当局へ報告させ、加盟国どうしで情報を交換する。2026年1月1日から適用されている。
  • 1649 bis C 条 — フランス税法典の条文で、海外の事業者に持つ暗号資産の口座の届け出を居住者に義務づける。今回の修正案は、この条文に自己管理ウォレットの申告を書き足す。

🔗 一次ソース

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