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📡 Signal|Circle の cirBTC、供給の86%が自社チェーン Arc に
Circle が10月13日、cirBTC を7項目で評価する枠組みを示した。10月12日時点の供給約6,165枚のうち86%が自社チェーン Arc にあり、USDC を借りる担保の受け皿になりつつある。
Circle は10月13日、機関投資家向けのラップドビットコイン「cirBTC」について、保管から使いやすさまでの7項目で評価する枠組みを公式ブログで示した。同社の製品ページによると、10月12日時点の cirBTC の供給量は約6,165枚 (約5億400万ドル相当) で、そのうち約5,318枚、86%が自社のブロックチェーン Arc の上にある。
Ethereum 版は6月から、Arc 版は9月21日から使えるようになった。後から始まった Arc が、3週間ほどで供給の大半を占めている。Circle は、ビットコインを預かり、トークンにし、自社チェーンで担保に回して USDC を借りる、という流れを1社の中でつなぎつつある。ブログの公開は 14日朝の速報 で伝えた。
7項目の枠組みは「新商品」ではない
13日のブログは新しい商品の発表ではなく、すでに動いている cirBTC を、機関投資家が確かめるべき7つの観点に当てはめて説明したものだ。7つは、保管、準備資産、償還、コンプライアンス、運用の強靭性、ガバナンス、他のアプリでの使いやすさ。Circle は「最も弱い層が資産全体の上限を決める」と書いた。
cirBTC について Circle が挙げた中身は次のとおりだ。
- 保管: 裏付けのビットコインは、連邦の認可を受けた信託銀行 Circle National Trust が保管し、Circle 自身の資産とは分けた口座で cirBTC の保有者のために持つ
- 準備資産: ビットコインと1対1で裏付ける。ステーキングした BTC や派生商品ではない。準備資産の確認は、会計士による月次の証明報告ではなく、Chainlink の準備金証明でチェーン上から確かめる方式をとる
- 償還: Circle Mint の手続きで BTC と1対1で償還できる。ただし Mint の口座を持たない保有者は Circle に直接償還できず、第三者の市場で売ることになる。Circle Mint は機関だけが使え、個人は使えない
- ガバナンス: Circle は自前の取引所や貸付プロトコルを運営していないとした
発行体は Circle のバミューダの関連会社で、バミューダ金融庁の免許を受けている。
Arc に集まる理由は「担保」
製品ページの数字では、cirBTC 約6,165枚のうち、Arc に約5,318枚、Ethereum に約847枚がある。準備資産のビットコインは約6,166枚で、流通量をわずかに上回る。
Arc に集まっている理由として考えられるのが、9月の Arc 版の開始と同時に始まった「デジタル資産担保の借入」だ。Circle Mint の対象顧客は、Arc の上で cirBTC を事前に承認された貸付市場に担保として差し入れ、USDC を自分の Mint の口座で直接受け取れる。貸付そのものは Circle ではなく、Morpho や Aave などの独立した第三者が提供する。
ビットコインを持つ機関にとっては、BTC を売らずにドルの資金を得る経路になる。Circle にとっては、預かった BTC が自社チェーンの上で USDC の需要を生む。供給の偏りは、cirBTC が借入の担保として使われ始めていることをうかがわせる。ただし、Arc 上の供給のうちどれだけが実際に担保として差し入れられているかは、製品ページの数字からは分からない。
先行するラップド BTC との違い
ラップド BTC の先行例である WBTC は、本人確認を済ませ、DAO の承認を受けた機関だけが発行と償還をできる。cirBTC も発行と償還を機関に限る点は同じだが、保管から発行、担保の受け皿となるチェーン、借りる側の USDC までを Circle が揃えている点が違う。Circle は8月のブログで、ラップド BTC は戦略的に中立であるべきだと主張してきた。自前の取引所や貸付プロトコルを持たないという今回の説明も、その主張に沿っている。
ビットコインそのものに比べれば、cirBTC の5億ドル規模はまだ小さい。それでも、ステーブルコインの最大級の発行体が、ドルの側だけでなくビットコインの側の入口も持ち始めたことは、機関の資金がチェーンの上でどこを通るのかを変えうる。
次に見るもの
確認先は Circle の cirBTC 製品ページのチェーン別の供給量だ。10月末の時点で Arc の比率が86%から上がるか下がるかで、担保としての使われ方が広がっているのかが分かる。Circle は対応チェーンを今後増やすとしており、3つ目のチェーンがどこになるかも同じページに表れる。
ことば
- ラップドビットコイン — ビットコインを保管機関に預け、その裏付けで別のブロックチェーンの上に発行するトークン。Ethereum などのアプリでビットコインを担保や売買に使えるようにする。発行体と保管機関を信頼できるかが価値の土台になる。
- 準備金証明 (Proof of Reserve) — 裏付け資産が実際にあるかを、外部のデータ提供者がチェーン上で確かめられる形で示す仕組み。月に1度の証明報告より頻繁に確認できる。
🔗 一次ソース
Circle:What Makes a Wrapped Asset Institutional-Grade? (公式ブログ・2026年10月13日・7項目の枠組み)circle.com
Circle:cirBTC 製品ページ (10月12日時点の供給量・準備資産・チェーン別内訳)circle.com
Arc:cirBTC is now live on Arc (デジタル資産担保の借入)arc.io
Circle:cirBTC is now live on Ethereum (2026年6月8日)circle.com
Circle:Wrapped Bitcoin should be strategically neutral (2026年8月11日)circle.com- Circle 公式 X の告知 (10月13日)
WBTC 公式サイトWBTC - One Unified Bitcoin