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📡 Signal|Evernorth、XRP 4.7 億枚の運用で Ripple など 4 社と提携
Evernorth が約 4 億 7,300 万 XRP の運用を始め、Ripple、Kraken、Coinbase、BitGo を執行の相手に選んだ。議決権株の 39.9% は SBI が持つ。同じ日に Privy が XRPL に AI エージェント向けの財布を持ち込んだ。
XRP を財務の中心に置く米上場企業 Evernorth Holdings (ナスダック: XRPN) は10月14日、保有する約 4 億 7,300 万 XRP の運用を始めるにあたり、Ripple、Kraken、Coinbase、BitGo の 4 社を最初の機関投資家向けの執行の相手に選んだと発表した。運用は2026年10〜12月期に始める。まず既存の金融機関を通じた戦略から入り、XRP Ledger (XRPL) の貸し借りの機能が動き出せば、チェーン上の運用へ広げるとしている。
保有するだけだった「器」が、保有する XRP に稼がせる段階へ入る。ビットコインを抱える上場企業の多くは買って持つことを軸にしてきたが、Evernorth は上場の 2 日後に、運用の相手を名指しした。
Evernorth の合併とナスダック上場までの経緯は、10日の Signal で整理した。本稿では、今回新たに分かった運用の計画と株主の構成を見る。
4 社と、2 段階の運用
発表によると、4 社は機関投資家向けの基盤の厚み、免許と資本の大きさ、上場企業や運用会社に仕えてきた経験で選んだ。会社ごとの役割 (売買の執行、資産の保管、貸し出しなど) は書かれていない。契約はいずれも、通常の完了条件と、必要な規制上・社内の承認を満たすことが前提だ。
運用は 2 段階で進める。
- 第 1 段階: 既存の機関投資家の取引相手を通じて、今すぐ実行できる戦略
- 第 2 段階: XRPL に組み込まれる貸し借りとチェーン上の信用の機能が、バリデータ (取引を承認する参加者) の支持で有効になり、本番で実績を積んだ段階で、台帳そのものの上での DeFi (分散型金融) の戦略を段階的に加える
目的は、XRP で収益を得て「1 株あたりの XRP」を時間をかけて増やすことだ。どんな戦略で収益を得るのかは、発表に書かれていない。
アシーシュ・ビルラ CEO は「財務を働かせる」と述べ、XRPL 自身の信用市場が動き出せば「初日から資本を持ってそこにいるつもりだ」とした。Coinbase の資産運用部門の共同 CIO から移ったヒューゴ・ジャンデボズ CIO は「財務にとっての問いは、資産を持てるかではなく、管理できるかだ」と話している。
株主の 4 割は SBI
合併の完了時の 8-K によると、議決権のあるクラス A 普通株の 39.9% (888 万 5,293 株) を SBI ホールディングスが実質的に保有する。議決権のないクラス C も 9.0% を持つ。議決権株では、スポンサーの Arrington XRP Capital Fund が 19.9%、Ripple の共同創業者クリス・ラーセン氏が 9.9%、Ripple が 7.1% と続く。
日本の金融グループが、ナスダックに上場した XRP の財務企業の最大の議決権株主になっている。Ripple の関係者の議決権は、8-K の取り決めで 9.9% を超えないよう抑えられている。
保有する 4 億 7,300 万 XRP の価値は、XRP の値動きでそのまま変わる。8-K に記された合併の成立時の価格 (1 XRP あたり約 1.43 ドル) で換算すると、約 6 億 8,000 万ドルになる。なお今回の発表文は株式の取引開始を10月8日と書いているが、8-K と合併完了時の発表は10月12日としている。
同じ日の XRPL: AI エージェントの財布
同じ XRPL では、Ripple がウォレット基盤の Privy と組み、Privy のウォレットを XRPL に持ち込んだ。Privy が13日のブログで発表し、14日の速報で伝えた。開発者は Privy を通じて XRPL のウォレットをプログラムで作って管理し、取引に署名し、XRP や RLUSD を使ったアプリを作れるようになる。
Privy は、サーバー側のウォレットが AI エージェントに資金を持たせ、取引させる手段になるとし、HTTP の仕組みでその場で少額を払う x402 の決済にも対応すると書いた。利用の制限の設定や、手数料の肩代わりは今後の対応としている。
報道は「エージェントの決済が XRPL の活動の 25% を占める」と伝えた。この数字は、Ripple の開発部門の幹部の X への投稿が出どころで、何を数えた割合かは示されていない。XRPL の AI エージェントの決済を集計するダッシュボードでは、累計の取引は約 1,445 万件、加盟店は 169 だった。一方で、決済の額は XRP で約 6,992、RLUSD で約 1 万 2,890 にとどまる。件数は多いが、動いた金額はまだ小さい。
XRP に稼がせる道
イーサリアムを抱える財務企業は、保有分をステーキングに回して報酬を得ることができる。XRP にはステーキングの仕組みがない。Evernorth が「運用」の第 2 段階を XRPL の貸し借りの機能に結び付けたのはこのためで、台帳の上に貸し手と借り手の市場ができて初めて、保有する XRP がチェーン上で利息を生む。
その市場の借り手として想定されるものの一つが、Privy が財布を配り始めた AI エージェントや、RLUSD で決済する企業だ。財務企業が貸し手の資本を持ち込み、エージェントや決済の企業が借り手と使い手になる。二つの発表は別々だが、XRPL の上で資金の出し手と使い手を同時に増やす方向で重なる。
次に見るもの
確認できる次の一点は、XRPL の貸し借りの機能の修正 (アメンドメント) の投票だ。バリデータの支持が規定の水準に達して有効になるかどうかが、Evernorth の第 2 段階の開始の条件になる。投票の状況は XRPL の公開のアメンドメントの一覧で追える。
もう一点は、Evernorth が10〜12月期の決算や開示で示す「1 株あたりの XRP」と、運用の収益の中身だ。4 社のうちどこが何を担うのかも、そこで初めて分かる。
ことば
- アメンドメント — XRP Ledger のルールを変える修正。バリデータの一定割合以上が一定期間支持すると有効になる。貸し借りの機能もこの手続きで組み込まれる。
- x402 — HTTP の 402 応答を使い、AI エージェントがその場で少額を払ってデータや API を使うための決済の手順。XRPL でも対応が広がっている。
- 1 株あたりの XRP — 財務企業の保有する XRP を発行済みの株式数で割った値。新株の発行で株が増えても、この値が増えれば株主の取り分は増える。
🔗 一次ソース
- Evernorth 公式 X の告知 (2026年10月14日)
Evernorth の発表 (2026年10月14日/4 社の指名、2 段階の運用、完了条件、両氏の発言、取引開始日の記載を確認)Evernorth | Capital Has A New Meridian- Evernorth Holdings:Form 8-K (2026年10月9日/SBI の 39.9% と主要株主、成立時の XRP 価格、取引開始日10月12日を確認)sec.gov
Building payments and agentic commerce with the XRP Ledger (Privy のブログ・2026年10月13日/XRPL のウォレット、x402、今後の対応を確認)privy.ioXRPL AI Hub (AI エージェントの決済の集計/累計の取引件数、加盟店、決済額)XRPL AI Hub
- Evernorth taps Ripple, Kraken, Coinbase, BitGo (The Block・2026年10月14日)theblock.co