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📡 Signal|Chainlink の価格データ、Stellar の本番網で稼働
Chainlink の価格データが Stellar の本番網で稼働した。配られる価格は暗号資産、ステーブルコイン、金の 9 本で、約 42 億ドルのトークン化資産を貸し借りに回す部品がそろい始めた。
オラクル (外部のデータをブロックチェーンに届ける仕組み) 大手の Chainlink と Stellar 開発財団 (SDF) は10月14日、Chainlink の価格データ「Data Feeds」と「Data Streams」が Stellar で使えるようになったと発表した。融資、予測市場、永久先物などの DeFi (分散型金融) のアプリが、担保の評価や清算に使う価格をチェーン上で受け取れる。
Stellar はトークン化した国債や投資信託の受け皿として、資産の発行で先行してきた。発行した資産を貸し借りや売買に回すには、信頼できる価格が要る。今回の発表は、その欠けていた部品を埋める。SDF の事業責任者は、焦点が資産を「発行すること」から「働かせること」へ移ると述べている。
稼働の第一報は15日の速報で伝えた。本稿では、本番網で何が動いているのかを、Chainlink の技術文書で確かめる。
本番網で動く 9 本の価格
Chainlink の Stellar 向けの技術文書によると、Data Feeds は Stellar の本番網 (メインネット) で稼働している。Stellar のスマートコントラクトの仕組み Soroban の上で、一つの代理のコントラクトがすべての価格を配る設計だ。
本番網の一覧に載る価格は 9 本ある。ビットコイン、イーサリアム、LINK、Stellar の XLM といった暗号資産、USDT、USDC、ユーロ建ての EURC というステーブルコイン、金の参照レート、そして 1 本の別の資産だ。どの価格も 1 日に 1 回は更新され、それより前でも 0.5% (金は 0.1%) 動けば更新される。
技術文書の更新履歴を見ると、Data Feeds の Stellar 対応は9月29日に、Data Streams は2月25日に掲載されていた。14日は、両方がそろったことを両者が正式に告知した日にあたる。Data Streams の利用の手順は試験網 (テストネット) で書かれており、本番網での提供の範囲は公開の文書からは確かめられない。
「40 億ドル超」の数え方
両者の告知は、Stellar のトークン化された現実資産 (RWA) を「40 億ドル超」と書いた。SDF の発表はこの数字の根拠として、データ分析サイト Dune 上の Stellar の集計を示している。その集計では、10月12日時点で RWA の時価は約 42 億 5,500 万ドル (ステーブルコインを除く) だった。
発行体の上位は、仏 Spiko の約 18 億ドル、Realiz の約 5 億 5,800 万ドル、Franklin Templeton の約 5 億 5,500 万ドル、Tradable の約 5 億 4,800 万ドル、Ondo の約 5 億 3,700 万ドルと続く。
集計の方法で数字は変わる。トークン化資産の集計サイト rwa.xyz では、10月14日時点の Stellar の RWA は約 35 億 4,000 万ドルと表示されている。どちらの数え方でも、トークン化資産の大半がイーサリアムに集まる中で、Stellar は国債や投資信託のトークンの発行先として一定の規模を持つ。
一方で、本番網で配られている価格は暗号資産とステーブルコインと金が中心で、トークン化した国債や投資信託そのものの価格は一覧に見当たらない。「40 億ドルの RWA に価格を届ける」という報道の言い方は、RWA の一つ一つに価格が付いたことを意味しない。RWA を担保にした貸し借りの周りで使う、基本の価格がそろった段階と読むのが正確だ。
1 年前の発表から、稼働へ
Stellar は2025年10月31日、Chainlink の事業支援の枠組み「Chainlink Scale」に加わり、Data Feeds、Data Streams、チェーン間の接続 (CCIP) を取り入れると発表していた。SDF は今回の稼働を、その発表を実現したものと位置づけている。ただし CCIP は今回の発表に含まれていない。
Chainlink の告知によると、Stellar は Scale の枠組みで、開発者が安く価格データを使えるよう相当の資金を負担する。金額は示されていない。
Chainlink Labs の事業責任者ヨハン・エイド氏は、本番の価格データがそろったことで、開発者は安全な融資市場、ステーブルコイン、トークン化資産を作り、広く使われる規模に育てられると述べた。SDF の事業責任者ラジャ・チャクラボルティ氏は「トークン化は始まりにすぎない」と話し、機関投資家の規模で市場を動かすには価格、執行、移転の基盤が要るとした。
SDF によると、Stellar の主要なアプリが稼働の時点から Chainlink の価格を採用し、担保の処理、借入の比率の計算、自動の清算、ステーブルコインの参照レートに使う。採用したアプリの名前は発表に書かれていない。
次に見るもの
確認できる次の一点は、Chainlink の Stellar 向け技術文書の価格の一覧だ。トークン化した国債や投資信託の価格、あるいは基準価額の配信が加わるか、Data Streams の本番網のアドレスが掲載されるかを見る。そこに RWA の価格が並べば、Stellar の 40 億ドル規模の資産が担保として動き出す条件がそろう。
もう一点は、Stellar の DeFi の預かり資産の推移だ。価格がそろった後に、融資のアプリの預かりが増えるかどうかで、今回の稼働が実際の資金の動きにつながったかが分かる。
ことば
- オラクル — ブロックチェーンの外にある価格や出来事のデータを、チェーン上のプログラムに届ける仕組み。融資の清算や先物の決済は、この価格をもとに自動で実行される。
- Data Streams — Chainlink の価格配信のうち、アプリが必要な時に最新の価格を取りに行く方式。一定の間隔で書き込む Data Feeds より遅れが小さく、先物の取引などに向く。
- Soroban — Stellar のスマートコントラクトの仕組み。Rust という言語で書き、2024年から本番網で使われている。今回の価格データもこの上で配られる。
🔗 一次ソース
- Stellar 公式 X の告知 (2026年10月14日)
Chainlink is now live on Stellar (Stellar 開発財団の発表・2026年10月14日/稼働の告知、40 億ドル超の根拠、採用の用途、両氏の発言を確認)stellar.org- Chainlink 公式 X の告知 (2026年10月14日/Scale での資金負担)
Chainlink Data Feeds on Stellar (Chainlink の技術文書/本番網での稼働と 9 本の価格、更新の条件を確認)Chainlink Documentation
Data Feeds expands to Stellar (Chainlink の更新履歴・2026年9月29日)dev.chain.link
Data Streams Expands to Stellar (Chainlink の更新履歴・2026年2月25日)dev.chain.link
Stellar RWAs (Dune/10月12日時点の RWA の時価と発行体の内訳)dune.com
Stellar (rwa.xyz/10月14日時点の RWA の集計)RWA.xyz
Stellar to join Chainlink Scale (Stellar 開発財団の発表・2025年10月31日)stellar.org