SNAPSHOT
BTC/USD$83,642+0.7%
ETH/USD$2,536.60+1.0%
Coinbase(perp)$182.93+1.0%
S&P 500(perp)7,822.50+0.2%
米テック100(perp)30,975.00+0.2%
日経225(perp)68,962+0.1%
EUR/USD(perp)1.1209+0.0%
USD/JPY(perp)158.250+0.0%
Gold(perp)$4,201.80+0.3%
WTI(perp)$91.22+0.5%
米10年金利5.24%+0.4%
BTCボラティリティ(BVIV)39.17+0.9%
Review status: auto_collectedSource: collected_liveas-of 05:03 JSTPacket ID: alt20_2026101205Top-page market prices are Hyperliquid perpetual-futures prices (US 10Y from the U.S. Treasury).
SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

Weekly Brief

LVM Weekly Brief #9|雇用2.9万人増でも下がらない米長期金利

米9月雇用は2万9,000人増、7〜8月も計6万人の下方修正。それでも米30年債は週間14bp高い5.63%で引け、財務省の長期債買い戻しには上限の7.7倍の売りが来た。暗号資産では銀行のトークン化預金とつながる NIGHT と QNT が2倍前後に走り、RWA ではトークン化米国債が1.4%縮む横で、準備金収益を参加企業に回す Open USD が始動した。

LiveMakers Editorial Desk

LVM Weekly Brief #9|雇用2.9万人増でも下がらない米長期金利

Executive Summary

米労働統計局が 10 月 2 日に出した 9 月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は 2 万 9,000 人増にとどまり、7 月と 8 月も合わせて 6 万人下方修正された。 それでも米財務省の日次利回りで 10 年債は同じ日に 5.24% から 5.28% へ上がり、30 年債は週間で 14bp (ベーシスポイント = 0.01%) 高い 5.63% で引けた。

米労働統計局「The Employment Situation — September 2026」(2026-10-02)Bureau of Labor Statistics

景気の数字が弱く出ても、長い年限の金利は下がらなかった。 9 月 25 日と 10 月 2 日を比べると、3 か月物は 4.24% から 4.19% へ 5bp 下がり、2 年債は 4.81% から 4.83% へ 2bp しか動いていない。上がったのは 5 年債の 8bp から先で、10 年債が 11bp、20 年債が 13bp、30 年債が 14bp。政策金利の予想に近い年限はほぼ止まり、遠い年限ほど売られている。前号から 2 週続けて、同じ形が出た。

売りたい側の列は、財務省の窓口で数字になった。 10 月 1 日、米財務省が 10 年から 20 年のゾーンで実施した国債の買い戻しには、上限 60 億ドルに対して 463 億 9,100 万ドルの売りが申し込まれた。上限の 7.7 倍にあたり、財務省は対象 41 銘柄のうち 2 銘柄だけを上限いっぱいまで買った。

他の資産は割れた。 S&P 500 は前週末比 0.27% 安の 7,722.72、日経平均先物は 4.96% 高の 69,785 円。金は 3.43% 安の 1 オンス 4,172.1 ドル、WTI は 1.28% 安の 91.26 ドル。ドル指数は 0.88% 高の 101.924 で、ドル円は 157 円 68 銭と 0.31% の円安にとどまった。ビットコインは 0.57% 高の 8 万 4,427 ドル、イーサリアムは 1.10% 安の 2,658.23 ドル。

暗号資産で大きく動いたのは、銀行のトークン化預金とつながる銘柄だった。 Midnight の NIGHT は前週末比 85.76% 高、米大手銀行の決済インフラ会社が技術パートナーに選んだ Quant の QNT は 7 日で約 137% 高。トークン化資産の側では米国債の器が 1 週間で 1.4% 縮み、同じ週に準備金の 88% を短期国債の MMF に置く新しいドル建てステーブルコイン Open USD が 6 億 6,850 万ドルで動き出している。

Macro Lane

雇用は 2 万 9,000 人増、7 月はマイナスに書き換えられた。 米労働統計局によれば、9 月の失業率は 4.2%、平均時給は前月比 0.1% 増の 37.81 ドル、前年比 3.0% 増だった。7 月の雇用者数は 2 万 1,000 人増から 1 万人減へ、8 月は 16 万 2,000 人増から 13 万 3,000 人増へ改定されている。3 か月を並べると、雇用の増加はほぼ止まっている。

物価の側は、9 月 30 日の米経済分析局の発表で見え方が変わった。8 月の個人消費支出 (PCE) 物価は前年比 3.4%、食品とエネルギーを除くコアは 3.0% で、前月比はそれぞれ 0.3% と 0.2%。同じ発表は国民経済計算の年次改定を含み、8 月 26 日に 3.7% と 3.3% で出ていた 7 月分が 3.4% と 3.0% に引き直された。前年比の物価は、過去の月ごと低く書き換えられたことになる。名目の個人消費は前月比 0.9% 増、実質でも 0.6% 増で、貯蓄率は 4.1% まで下がった。同じ日に出た 2026 年 4〜6 月期の国内総生産 (GDP) の第 3 次推計は、年率 2.2% へ 0.7 ポイント上方修正されている。

FRB の側では、ジェファーソン副議長が 10 月 1 日の講演で 9 月の 0.25 ポイントの利上げ (誘導目標 3.75〜4.00%) を振り返り、物価は「高すぎる状態が長すぎる」と述べたうえで、次の判断はデータ次第だとした。雇用統計の後、10 月会合での追加利上げの織り込みは大きく後退したと伝えられている。次回の連邦公開市場委員会 (FOMC) は 10 月 27〜28 日だ。

短い金利は雇用に反応し、長い金利は反応しなかった。 財務省の日次利回りを週の中で追うと、2 年債は 9 月 28 日に 4.92% まで上がったあと、PCE と雇用統計を経て 10 月 1 日に 4.78% まで下げ、2 日は 4.83% で引けた。週の高値から 9bp 下にいる。30 年債は 28 日 5.56%、29 日 5.59%、30 日 5.64%、10 月 1 日 5.61%、2 日 5.63% と、週の高値近くで終わった。10 年債の週内高値は 9 月 30 日の 5.29% だ。

年限9/2510/2変化
3 か月4.24%4.19%−5bp
2 年4.81%4.83%+2bp
5 年4.98%5.06%+8bp
10 年5.17%5.28%+11bp
20 年5.54%5.67%+13bp
30 年5.49%5.63%+14bp

2 年債と 10 年債の差は前号の 36bp から 45bp へ、2 年債と 30 年債の差は 68bp から 80bp へ開いた。前々週の 25bp から数えると、2 年と 10 年の差は 2 週で 20bp 広がっている。前号は「政策金利の値段は動かず、期間を持つ値段だけが動いた週」だったが、今週はさらに進み、政策金利の予想が下がる方向に動いたのに、期間を持つ値段は上がり続けた。

財務省の買い戻しには、上限の 7.7 倍の売りが来た。 10 月 1 日の買い戻しは、償還日が 2037 年 2 月から 2046 年 8 月までの銘柄を対象に、上限 60 億ドルで行われた。申し込みは 463 億 9,100 万ドル、買い入れは 60 億ドルで、41 銘柄のうち実際に買ったのは 2 銘柄だった。財務省は 8 月に長い年限の買い戻しを増額しており、今回の上限もその枠の中にある。それでも、手放したい長期債の量は窓口の 7 倍以上あった。財務省は申し込みの中から割安な銘柄だけを選べる立場にあり、売り手の側は希望の価格で出られなかった分を市場に戻すしかない。

財政・流動性の定点。 FRB の総資産は 9 月 30 日時点で 6 兆 7,430 億ドル、前週比 46 億 7,300 万ドル減。保有証券は 6 兆 4,646 億ドルで 64 億 9,100 万ドル減ったが、内訳の米国債は 4 兆 5,642 億ドルと 58 億 2,900 万ドル増えている。欧州中央銀行 (ECB) の 9 月 25 日時点の財務諸表では、マネタリーベースが 3 兆 9,256 億ユーロで前週比 189 億ユーロ減、金融政策目的の保有証券は 3 兆 3,435 億ユーロで、償還による減少だけが続いた。日本銀行の営業毎旬報告は 9 月 20 日時点が最新のままで、変化なし。9 月のマネタリーベースは平均 532 兆 8,000 億円、前年比 15.2% 減だった。

米国の政府債務は、会計年度末の 9 月 30 日に 40 兆 1,720 億ドル、翌 10 月 1 日には 1 日で 888 億ドル増えて 40 兆 2,610 億ドルになった。年度の切り替わりで政府機関の閉鎖が心配された 10 月 1 日は、12 月 11 日までのつなぎ予算で越えたと伝えられている。統計が予定どおり出たのは、その裏付けでもある。3 中銀はそろって量を増やしておらず、政府の借り入れは年度の初日から積み上がっている。長い年限の売りの列は、この組み合わせの上に並んでいる。

日米金利差はわずかに開き、円はまたドル全体より強かった。 財務省 (日本) の国債金利情報で、10 月 1 日の 10 年債は 3.092%、20 年債 3.910%、30 年債 4.122%。9 月 25 日の 3.071%、3.883%、4.112% からそれぞれ上がった。同じ日付で比べた日米の 10 年金利差は 9 月 25 日の 2.099 ポイントから 10 月 1 日の 2.148 ポイントへ、4.9bp 広がっている。

教科書どおりなら円は売られる場面だが、ドル円の週間変化は 0.31% の円安で、ドル指数の 0.88% 高を下回った。前号に続き、主要通貨の中で円はドルに対して相対的に買われた側にいる。財務省が 9 月 30 日に公表した外国為替平衡操作の実績は、8 月 27 日から 9 月 28 日まで 0 円だった。介入なしで、金利差が開いた週に円が持ちこたえた。日銀が 10 月 1 日に出した短観では、大企業製造業の業況判断が 24 と 2 ポイント改善し、大企業製造業の 2026 年度の想定為替レートは 1 ドル 153 円 79 銭だった。実勢とは 4 円近く離れている。

規則の側では、保管のルールが出てきた。 米証券取引委員会 (SEC) は 10 月 1 日、登録投資顧問と規制下のファンドが暗号資産を保管する方法について規則案を出した。外部の保管先が使えない場合に限って顧問自身が保管する経路と、州信託会社を保管先にする要件を明文化しようとしている。意見募集は官報に掲載されてから 60 日。前日の 9 月 30 日には、個人がプライベート市場の商品に入る経路を広げる規則案も出している。一方で、暗号資産市場構造法案 (CLARITY 法、H.R.3633) は 9 月 15 日の 49 対 50 から、今週も本会議に戻っていない。米財務省のステーブルコイン法 (GENIUS 法) 第 3 条の規則案は、10 月 19 日に意見募集を締め切る。法律が止まっているあいだに、運用の器を決める規則案のほうが週ごとに増えている。

Crypto Lane

ビットコインは 8 万 4,427 ドル、週間 0.57% 高。週の中で 2 回、向きが変わった。 雇用統計の直後には 8 万 6,000 ドル台後半まで上がったと伝えられ、3 日朝には 8 万 4,000 ドル台に戻している。BlackRock の iShares ビットコイン・トラスト (IBIT) の公式ページでは、10 月 1 日時点の受益証券が 14 億 1,476 万口で、9 月 24 日から 748 万口増えた。1 口あたり純資産は 47.9352 ドル、純資産は約 678 億ドル。

米国の現物ビットコイン ETF 全体の資金フローは、集計事業者のデータを引いた報道で、9 月 28 日から 10 月 1 日の 4 営業日に差し引き 5,130 万ドルの流入、うち IBIT が 2 億 9,200 万ドルだった。9 月 30 日には 1 億 4,870 万ドルの流出が出て、9 営業日続いた流入が止まっている。前号の週に約 30 億ドル入った流れは、今週は IBIT 1 本が他の銘柄の流出を埋める形に細った。金曜分を含む週間の確定値は、次の集計で確かめる必要がある。

最大の保有企業 Strategy は 9 月 28 日に提出した臨時報告書 (8-K) で、9 月 21〜27 日に 1,665 BTC を平均 8 万 5,681 ドルで買い、保有を 84 万 7,666 BTC にしたと開示した。同じ週に普通株の売り出しで得た 2 億 4,620 万ドルのうち 1 億 350 万ドルは、自社の優先株の買い戻しに回っている。今週の購入分は、10 月 5 日 (月) に出る次の開示で確かめられる。

イーサリアムは 2,658.23 ドルで 1.10% 安、ビットコインに対して 2 週続けて遅れた。 ビットコインとイーサリアムの価格比は、前週末の 31.2 倍から 31.8 倍へ広がった。BlackRock の iShares イーサリアム・トラスト (ETHA) は 10 月 1 日時点で純資産 99 億 1,481 万ドル、受益証券 4 億 8,728 万口で、9 月 24 日から 412 万口増えている。一方で現物イーサリアム ETF 全体では、9 月 28 日から 10 月 1 日に約 1 億 70 万ドルの流出があったと報じられている。同じ 4 日間でビットコイン側はわずかながら流入を保っており、資金の向きも価格と同じく分かれた。

次の材料は日付が決まっている。Ethereum Foundation によれば、次のネットワーク・アップグレード Glamsterdam がテストネット Sepolia で 10 月 6 日 13 時 53 分 (協定世界時) に有効化される。メインネットの日付はまだ出ていない。

アルトでは、銀行のトークン化預金とつながる二つが走った。 Midnight の NIGHT は 10 月 3 日朝に 0.04617 USDT、前週末比 85.76% 高。CoinGecko では時価総額約 7.9 億ドル、順位は 87 位まで上がった。Midnight は 9 月の活動報告で、メインネットで許可不要のスマートコントラクト配備が始まったと告知している。開発者は事前環境での必須の審査を経ずに配備でき、アプリが利用者に代わって配備することもできる。価格が先回りしている先は、ロンドンの Monument 銀行が Midnight 上で計画する個人預金のトークン化で、開始は 11 月の見込みと報じられており、預金トークンはまだ発行されていない。親チェーンの Cardano の ADA は同じ週に 6.44% 安で、NIGHT の上げとは連動していない。

もう一つは Quant の QNT だ。米大手銀行が出資する決済インフラ会社 The Clearing House は 9 月 24 日、トークン化預金の取り組み On-Chain Money Initiative の技術パートナーに Quant を選んだと発表した。ネットワークは 2027 年前半の開始を見込み、即時決済網 RTP や大口決済網 CHIPS との接続を想定する。CoinGecko では QNT が 7 日で約 137% 高、時価総額約 33.9 億ドルで 34 位。ただし発表文は QNT トークンに一言も触れていない。

ビットコインが 0.57%、イーサリアムが 1.10% 安の週に、銀行の預金をチェーンに載せる計画とつながった銘柄だけが 2 倍前後になった。どちらも、銀行側の仕組みが動き出す日付はまだ先にある。

📚 今週の論文

「The Illusion of Payload Blindness: Why MEV Mitigations Fail in Practice」(Simona Češková、Martin Perešíni、Ivan Homoliak・チェコのブルノ工科大学・IACR ePrint 2026/2265)。 取引の中身を隠して順番の操作 (MEV = ブロック生成者が取引の並べ替えで得る利益) を防ぐ 3 系統の対策、暗号化された取引待機領域、検証可能な並べ替え、ブロックの遅延を、現実的な攻撃者の前提で検証した論文である。中身を暗号化しても、外側に残る送信者の情報と、その送信者の過去の行動から中身はかなりの精度で推測できると示した。さらに、各対策の費用は導入を決める側に乗るため、ブロック生成者の損失が利用者の利益を上回るとしている。

含意は市場の設計に及ぶ。取引の順番を公正に保つ仕組みを暗号技術だけで作れるという前提が崩れるなら、オンチェーン市場の公正さは、誰が順番を決めるかという運営と規律の問題に戻ってくる。トークン化された株や国債をチェーン上で売買する場をつくるとき、注文の扱いを規則で縛る従来型の市場規制が、そのまま必要になる。

「Not All LPs Are Equal: The Active-Passive Gap in Automated Market Maker Liquidity Provision」(Agathe Sadeghi、Dingyue Liu、Ciamac Moallemi、Xin Wan、Brian Zhu・arXiv 2609.37963・2026 年 9 月 29 日投稿)。 自動マーケットメーカー (AMM) に資金を出す流動性提供者の収益を、価格帯を動かす能動型と置きっぱなしの受動型に分けて測った論文である。Uniswap v2 では両者の成績がほぼ一致するが、価格帯を絞れる v3・v4 型のプールでは受動型が全体の平均を系統的に下回る。その差はイーサリアム本体のほうが Arbitrum や Base より大きく、手数料率の高いプールほど受動型の成績は改善した。

含意は、AMM に資金を置くだけの参加者が、情報を持つ相手に一方的に削られる構造が設計によって変わるという点にある。トークン化された株や国債をチェーン上で取引させる設計が増えるほど、どの型のプールで、どの手数料率で流動性を集めるかは、個人の受動的な資金を守る投資家保護の論点になる。

RWA Lane

トークン化米国債は 147 億 5,000 万ドル、残高は減り、保有者はまた増えた。 rwa.xyz の集計で 10 月 2 日時点の残高は 147 億 5,000 万ドル、30 日で 7.43% 減。前号の 149 億 6,000 万ドルから 1 週間で約 1.4% 縮んだ。商品数は 109 と 1 本増え、保有者は 8 万 5,710 で前号の 8 万 3,706 から 2.4% 増えている。上位は Circle の USYC が 24 億ドル、Ondo の USDY が 22 億 8,000 万ドル、BlackRock の BUIDL が 22 億 5,000 万ドル、Franklin Templeton の iBENJI が 17 億 1,000 万ドル、WisdomTree の WTGXX が 12 億 3,000 万ドル。JPMorgan の JLTXX も 6 億 2,600 万ドルで 7 番手にいる。

保有者 1 人あたりの残高は約 17 万 2,100 ドルで、前号の約 17 万 8,700 ドルから 3.7% 小さくなった。2 週続けて同じ向きで、器に入る単位は小さく、人数は多くなっている。中身の 3 か月物国債の利回りは 4.24% から 4.19% へ下がり、器の魅力を利回りで説明できる週ではなかった。

同じ週に、短期国債を準備金にした新しい器が動き出した。 Stripe 傘下の Bridge が発行する Open USD (OUSD) は 9 月 30 日、Ethereum、Base、Solana、Tempo の 4 チェーンで発行を始めた。Bridge の準備金ページでは、10 月 2 日 4 時 30 分 (協定世界時) 時点の流通残高が 6 億 6,849 万 9,644 ドル。準備金のうち現金が 8,025 万ドル (12.0%)、残り 5 億 8,824 万ドル (88.0%) は満期 3 か月未満の米短期国債で運用する MMF に置かれている。Coinbase、Mastercard、Shopify、Stripe、Visa の 5 社が創設に名を連ね、参加企業は 200 社を超える。

設計の要は、準備金の運用収益の行き先だ。運営する Open Standard は、収益の「ほぼすべて」を普及を担った参加企業と分け合うとしている。GENIUS 法は、発行体が保有だけを理由に保有者へ利息を払うことを禁じている。短期国債の利回りは、保有者には届かず、決済の窓口を持つ企業へ届く。初日の 6 億 6,850 万ドルは、トークン化米国債の市場全体の約 4.5% にあたる。

private markets では、四半期末の買い戻し請求が出そろった。 Blue Owl の非上場 BDC (事業開発会社) が 10 月 2 日に提出した株主レターによれば、Blue Owl Credit Income Corp. (OCIC) の第 3 四半期の請求は推計 31 億ドル、発行済株式の 16.8% で、第 2 四半期の 18.8%、第 1 四半期の 21.9% から 3 四半期続けて下がった。一方、テクノロジー企業向けの融資を手がける Blue Owl Technology Income Corp. (OTIC) は 11 億ドル、39.0% で、第 2 四半期の 38.1% から下がっていない。どちらも上限の 5% で按分され、OTIC で応じられたのは請求株数の約 13% だった。

同じ私募クレジットでも、テクノロジー向けに貸す器だけが出口の列を短くできていない。Blackstone の私募クレジットファンド BCRED では、9 月 30 日の臨時報告書で、外部の投資会社 Cox Capital が持ちかけた株式の買い取りを取締役会が拒否したことが分かった。提示額は 1 株 20.65 ドルで、8 月 31 日時点の純資産 23.60 ドルを 12.5% 下回る。待たずに出たい投資家向けに、割り引いた値段で出口を買う相手が現れている。

金利の側から見ると、今週もずれは広がった。変動金利で貸す私募クレジットの利息を決める 3 か月物は 5bp 下がり、保有資産の評価の割引率にあたる 10 年債は 11bp 上がった。収益は横ばいから下向きで、評価は下向きという組み合わせだ。9 月 30 日の四半期末を挟んで報告される純資産価値は、この 2 週分の差を受ける。

トークン化 RWA の全体は 386 億 7,000 万ドル、保有者は 506 万。 rwa.xyz で、チェーン上で流通している RWA の合計は 10 月 2 日時点で 386 億 7,000 万ドル、30 日で 0.76% 減。保有者は 506 万 1,563 で 30 日 52.88% 増えた。チェーン別では Ethereum が 166 億 5,000 万ドルで全体の約 43%、BNB Chain が 57 億 5,000 万ドル、Solana が 43 億 2,000 万ドル、Stellar が 34 億 4,000 万ドル、Avalanche が 17 億 5,000 万ドル。トークン化クレジットは流通残高 79 億 5,000 万ドルで前号の 79 億 1,000 万ドルからわずかに増え、保有者は 19 万 7,683 でほぼ横ばいだった。

残高の合計が止まり、保有者の数だけが 30 日で 5 割増える形は、米国債の器で見た 1 人あたり残高の縮みと同じ向きを指している。トークン化の市場は、資金の量より先に、参加者の裾野のほうが広がっている。

日本でも、国債そのものをチェーンに載せる検討が始まる。 財務省は 9 月 30 日、「国債のオンチェーン対応に関する研究会」を開くと公表した。理財局次長が主催し、日本銀行と金融庁がオブザーバーに入る。第 1 回は 10 月 8 日 10 時で、12 月から翌年 1 月をめどに議論を整理する。7 月に金融庁がまとめた金融戦略が財務省に割り振った、国債のトークン化と元利払いのオンチェーン決済の検討を、国債の発行体自身が引き取る場になる。同じ週、韓国の金融委員会も株式・債券・ファンドのトークン化に向けた下位規則の改正案を公表し、2027 年 2 月 4 日の施行を予定している。

Cross-Lane Signals

1. 景気の数字が弱くなるほど、長い金利が上がる週が 2 週続いた。 前号の週は PCE も雇用統計も出る前で、2 年と 10 年の差は 25bp から 36bp へ開いた。今週は雇用が 2 万 9,000 人増、7 月がマイナスに改定され、政策金利の予想に近い 2 年債は週の高値から 9bp 下がったのに、差は 45bp まで開いている。景気が冷えれば長い金利も下がるという関係が、今は効いていない。財務省の買い戻しに上限の 7.7 倍の売りが来たことと合わせて読むと、長い年限で起きているのは景気の予想の付け替えより、長く持つこと自体を減らしたい保有者の多さだ。来週 10 月 7 日の 10 年債、8 日の 30 年債の入札は、この列が入札の需要にも出るかを確かめる最初の場になる。

2. 銀行のトークン化預金に、価格が先に反応した。 NIGHT は 2 倍近く、QNT は 2 倍超になったが、Monument 銀行の預金トークンはまだ 1 枚も発行されておらず、The Clearing House のネットワークは 2027 年前半の開始見込みで、発表文に QNT トークンは出てこない。銀行が自らの預金をチェーンに載せる計画は、暗号資産市場の中では、計画の段階で値札に変わる。ビットコインとイーサリアムがほぼ動かない週だったことが、その感応度を目立たせた。Monument の開始日の告知と、The Clearing House の参加行の顔ぶれが、値札の裏付けを確かめる先になる。

3. 短期国債の利回りが、器によって届く先を変えている。 トークン化米国債の器は、短期国債の利回りをそのまま保有者に渡す商品で、その残高は 30 日で 7.43% 減った。同じ週に始まった Open USD は、準備金の 88% を短期国債の MMF に置きながら、利回りを保有者でなく流通を担う企業に渡す。GENIUS 法の下では、利回りを保有者に届けたい器と、利回りを窓口に届けたい器が分かれていく。Open USD の流通残高が積み上がる週に、トークン化米国債の残高がどう動くかを並べて見ると、二つが同じ資金を取り合っているかどうかが分かる。

4. 長い金利の上昇と、テクノロジー向け融資の出口の列は、同じ方向を指している。 10 年から 30 年が 11〜14bp 上がった週に、テクノロジー企業向けに貸す OTIC の買い戻し請求は 39.0% で高止まりし、BCRED には純資産を 12.5% 下回る買い取りの提示が来た。どちらも、長い資金を固定して持つことへの不安が、価格か出口の列のどちらかに出ている。同じ 9 月 30 日に SEC は個人がプライベート市場に入る経路を広げる規則案を出しており、出たい資金と、新しく入れる資金の入口が同じ週に並んだ。

5. 円は、金利差の開きにも介入なしでも持ちこたえた。 日米の 10 年金利差は 4.9bp 開き、ドル指数は 0.88% 上がったが、ドル円の変化は 0.31% にとどまった。前号に続いて、円はドル全体より強い。財務省の介入実績は 9 月 28 日まで 0 円で、政策の手が入っていない動きだ。日銀の利上げが 9 月 24 日から効き始めたことが、金利差の計算より強く効いていると読むのが素直だ。日本の 10 年債が 3.09% と上がり続ける中で、日本の長い年限が米国と同じ売られ方をするのか、それとも逃げ場になるのかが、次の分かれ目になる。

Risk Digest

1. Technical (技術・市場構造)。 10 月 1 日、チェーンをまたぐ交換サービス NEAR Intents がサービスを止め、約 380 万ドルの損失 (暫定) を公表した。入出金の基盤と契約の相互作用に不具合があり、影響は BSC 上の USDT に限られたと共同創業者が説明している。全額補償を表明し、流出分はのちに返還されたと伝えられた。損失の規模は小さいが、11 のネットワークにまたがる入出金の基盤の 1 か所の不具合で、サービス全体が一時止まった。トークン化資産を複数のチェーンへ広げるほど、資産そのものより、チェーンの間をつなぐ部分が弱点になる。

2. Regulatory (規制・立法)。 SEC は 9 月 30 日、適格投資家の要件に試験や資格による経路を加え、インターバル・ファンドの規則を見直す規則案を出した。個人がプライベート市場の商品に入る入口を広げる提案で、翌日の暗号資産の保管規則案と合わせ、SEC は 2 日続けて運用の器の規則を動かした。同じ週に、私募クレジットの器では買い戻し請求が上限の 5% を大きく超え、按分が続いている。入口を広げる規則と、出口が詰まる実務が同時に進んでおり、規則案の意見募集では、流動性の乏しい商品を個人に届ける条件が争点になる。

3. Market (市場)。 BCRED の取締役会は 9 月 30 日、Cox Capital による 1 株 20.65 ドルでの買い取りの提示を全会一致で拒否した。8 月 31 日時点の純資産 23.60 ドルに対して 12.5% の割引で、上限は 2,000 万ドル。BCRED 自身は、第 2・第 3 四半期の請求者が請求額の約 75% を 90 日以内に純資産価格で受け取ったとしている。額は小さくても、純資産価格より下で出口を買う相手が現れたことは、非上場ファンドの持ち分に市場の値段が付き始めたことを意味する。長い金利の上昇が続けば、その割引は広がる方向に効く。

4. Geopolitical (地政学)。 米国が中東に 3 隻目の空母を送ったと 10 月 2 日に報じられた。9 月 26 日にトランプ大統領はホルムズ海峡の再開を 7 日目に置くイラン案を拒否しており、協議は膠着している。原油は欧州の軽油備蓄の放出をめぐる米欧の協議もあって週間 1.28% 安の 91.26 ドルで引けたが、海峡の安全が戻ったわけではない。今週の長期金利の上昇は原油の上昇を伴っておらず、物価の連想より財政と需給で動いている。衝突が広がれば、原油を通じた物価の要因がその上に重なる。

Next Week Preview

1. 10 月 6〜8 日: 米国債の入札。 米財務省の予定表では、6 日に 3 年債、7 日に 10 年債 (リオープン)、8 日に 30 年債 (リオープン) を入札し、決済はいずれも 10 月 15 日。買い戻しの窓口に上限の 7.7 倍の売りが来た翌週に、新しい長期債の買い手がどれだけ集まるかが、落札利回りと応札倍率に出る。

2. 10 月 7 日 14 時 (米東部時間): FOMC 議事要旨。 FRB の 10 月の公表予定によれば、9 月 15〜16 日の会合の議事要旨が出る。利上げを決めた会合で、追加の利上げにどれだけの参加者が前向きだったかが読める。雇用統計の後に後退した織り込みが、議事要旨の書きぶりでどちらへ戻るかを見る。翌 8 日には FRB の総資産 (H.4.1) も更新される。

3. 10 月 8 日 10 時: 財務省の国債のオンチェーン研究会、第 1 回。 会議は非公開で、議事要旨と配布資料は後日、財務省の研究会ページに公開される。国債そのもののトークン化と、元利払いのオンチェーン決済のどちらを先に論点に置くかが、最初の資料で分かる。

4. 10 月 6 日 13 時 53 分 (協定世界時): Glamsterdam の Sepolia での有効化。 Ethereum Foundation の告知どおりにテストネットで有効化されれば、次はメインネットの日付の議論に進む。イーサリアムがビットコインに 2 週続けて遅れた中で、日付のある材料が出てくる。

5. 10 月 14 日 8 時 30 分 (米東部時間): 9 月の消費者物価指数 (CPI)。 米労働統計局の公表予定表に載っている日付で、翌週の頭になる。雇用が止まり、PCE の前年比が引き下げられた後で、CPI の前月比が下がらなければ、短い年限が再び上がり、長い年限の上昇と重なる。10 月 27〜28 日の FOMC に向けた最後の大きな物価の数字だ。

Watch リスト

  • トークン化株式: rwa.xyz で残高 32 億ドル、保有者 421 万 (前週 392 万)、月間移転高 121 億 9,000 万ドル。残高が止まり保有者だけが増える形が続くか。rwa.xyz のトークン化株式ページで 3 つを並べて見る
  • DTCC のトークン化サービス: 10 月中に開始予定。具体的な開始日と初日の対応チェーンが、DTCC のプレスリリース面に出るか
  • Open USD の流通残高: 10 月 2 日時点 6 億 6,850 万ドル。Bridge の準備金ページで 1 週間後の残高と、短期国債の MMF の比率を見る
  • Strategy の次の 8-K: 10 月 5 日 (月) の開示で、ビットコインの購入額と優先株の買い戻し額がどう並ぶか。SEC の EDGAR で確認できる
  • Monument 銀行の預金トークン: カストディアンの社名と提供開始日が、11 月に向けて Monument の公式ブログで告知されるか
  • 私募クレジットの第 4 四半期: OTIC の請求 39.0% が下がるか。Blue Owl の次の株主レターと、BCRED の純資産の月次開示
  • SEC の保管規則案: 官報に掲載された日から 60 日が意見募集の締切になる。SEC の案件ページ S7-2026-35 で掲載日を確かめる

投資助言ではありません。情報提供・リサーチ目的のみ

🔗 一次ソース

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