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SNAPSHOT 2026-10-12 07:30 JST

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📡 Signal|DTCC、株と米国債を同じ CUSIP のまま10月からトークン化

DTCC が10月、ラッセル1000の構成銘柄・指数 ETF・米国債のトークン化サービスを始める。トークンは従来と同じ CUSIP のまま動き、帳簿を二つに割らない。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|DTCC、株と米国債を同じ CUSIP のまま10月からトークン化

米国の証券決済を担う DTCC (米預託信託清算機構) が、トークン化サービスの本格開始を10月に控えている。子会社の DTC (証券保管振替機関) が預かるラッセル1000の構成銘柄、主要な指数 ETF、米国債をトークンに換え、ブロックチェーン上で動かせるようにする。

9月23日、ラサラ社長兼 CEO はジョージタウン大学の金融市場政策会議に登壇し、この取り組みの根にある考え方を語った。「資産のプールを割れば、流動性と価格発見が割れる。それは最終投資家にとって良くない」。トークンを既存の証券と同じ番号のまま流通させる設計は、この一文から読むと分かりやすい。

10月の開始までに積まれてきたもの

出発点は2025年12月の SEC (米証券取引委員会) のノーアクションレターだ。DTC が、流動性の高い資産に限った範囲でトークン化サービスを提供することを3年間認めた。対象は、時価総額で米国の上位1,000社にあたるラッセル1000の構成銘柄、主要な指数に連動する ETF、米国債の短期・中期・長期債である。

DTCC は2026年5月4日、7月に限定的な本番取引を行い、10月にサービスを開始する日程を発表した。その時点で50社超が業界作業部会に集まっていた。

7月15日には、DTC が預かる資産をトークンに換え、実際の本番取引に使った。担保の差し入れ、証券貸借、米国債のレポ取引の資金と証券の同時決済、株式の同時決済、株式トークンの移転、中央清算機関の証拠金の処理まで、決済の主要な流れを一通り通した。参加したのは30社超で、BlackRock、Goldman Sachs、J.P. Morgan、Vanguard、Citadel Securities、ニューヨーク証券取引所、Nasdaq、Circle、Ondo Finance などが名を連ねた。

同じ CUSIP で、帳簿を二つに割らない

DTCC の公式ページによれば、トークン化された DTC の資産は、従来の口座振替と同じ CUSIP (米国の証券識別番号) のまま、既存の仕組みとブロックチェーンのあいだを行き来する。承認されたネットワークの上では24時間移転できる。

同じ番号を使うことの意味は大きい。トークン化株式を別の証券として新しく発行すれば、同じ会社の株が二つの市場に分かれ、それぞれに板ができる。DTCC はその形を取らず、一つの証券が二つの帳簿の上を移るだけにした。ラサラ氏の言う「プールを割らない」は、この設計を指している。

トークンは、原資産と同じ法的権利と経済的利益、投資家保護を持つように設計され、配当や株式分割といったコーポレートアクションも処理される。一方で、発行・償還・一時停止・回収 (クローバック) の機能が組み込まれ、規制順守と運用監督のために DTCC 側が止められる。24時間動く資産でありながら、止める権限は中央に残る。

どのチェーンに載るか

7月の本番取引で使われたのは二つのネットワークだった。Hyperledger Besu をもとにした DTCC の私設ネットワークと、公開型の Canton Network である。5月27日には Stellar への対応も発表したが、Stellar 上で使えるようになるのは2027年前半の見込みだ。DTCC は公式ページで、10月の開始時点で複数の対応チェーンを用意する予定だとしている。

DTC が預かる資産は約114兆ドルにのぼる。サービスの対象はそのうちノーアクションレターが認めた範囲に限られるが、そこには米国の大型株のほぼすべてと、国債市場の中心が含まれる。ステーブルコインやトークン化ファンドのように新しい器を作る動きとは違い、既存の器の中身がそのままブロックチェーンに出てくる。

次に見るもの

  • 10月中に DTCC のプレスリリース面で、具体的な開始日と、初日から使えるチェーンの一覧が出るか。Besu と Canton のほかに、公開型のチェーンが開始時点で加わるか
  • 開始後、トークン化された ETF や米国債が、どの参加者の口座から最初に動くか。7月の30社超のうち、本番の利用者として名前が出る顔ぶれ
  • ノーアクションレターの3年の期限。2028年末に向けて、SEC が対象資産の範囲を広げる判断に進むかどうか

ことば

  • DTCC / DTC — DTCC は米国の証券の清算・決済を担う持株会社で、DTC はその子会社として株式や債券を一括して預かり、口座振替で受け渡しを処理する。今回のトークンは DTC が発行する。
  • CUSIP — 米国とカナダの証券に付く9桁の識別番号。トークン化後も同じ番号を使うことで、既存の証券とトークンが別の銘柄として扱われない。
  • ノーアクションレター — SEC の担当部局が、示された条件の範囲で行う限り執行措置を勧告しないと表明する文書。規則そのものではないが、事業を始める根拠として使われる。

🔗 一次ソース

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