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SNAPSHOT 2026-10-12 07:30 JST

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📡 Signal|英国、Cryptomus の運営会社など暗号資産 5 社をロシア制裁で指定

英国政府はロシア制裁38件の中で、Cryptomus の運営会社 Xeltox やキルギスの TokenSpot など暗号資産の取引所・決済業者5社と個人1人を指定した。2社はロシア系決済網 A7 の取引を処理していたという。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|英国、Cryptomus の運営会社など暗号資産 5 社をロシア制裁で指定

英国政府は10月8日、ロシアの戦争を支える資金・石油・調達網を狙う38件の新たな制裁指定を発表し、その中に暗号資産の取引所3社と決済プラットフォーム2社、関連する個人1人を含めた。英外務省 (FCDO) は、これらがロシアの金融制裁の回避に使われている疑いがあり、うち2社がロシア系の決済網「A7」の取引を処理していたとしている。

New UK sanctions hit the money, oil and supply chains fuelling Russia's war(英国政府 FCDO・2026年10月8日)GOV.UK

制裁通知で名前が確認できるのは、決済サービス Cryptomus の運営会社でカナダ・バンクーバーに登記された Xeltox Enterprises、キルギスの TokenSpot と Tsunami Payments、キルギス財務省を親会社とする Processing KG などだ。米財務省が A7 を重大な国際犯罪組織に指定してから1週間。米英が同じ決済網の周辺を、それぞれの法律で同時に削りにいく構図になった。

指定された暗号資産関連の顔ぶれ

FCDO の発表文そのものは、暗号資産関連の企業名を挙げていない。名前は同日の制裁通知 (Sanctions Notice) に載っている。暗号資産に関わる指定は次のとおりだ。

  • Xeltox Enterprises — カナダ・バンクーバー。別名として Certa Payments、Cryptomus、Heleket が登録されている。理由は Cryptomus の所有と、Heleket を通じて続けている事業によるロシア金融部門での活動
  • Processing KG — キルギス・ビシュケク。決済サービス VexPay を運営し、親会社の欄にはキルギス財務省と記されている
  • Ulan Bukabaev — Processing KG の取締役。資産凍結と英国への渡航禁止
  • TokenSpot と Tsunami Payments — どちらもビシュケクの同じ住所に置かれた会社で、理由はロシア金融部門での事業

発表文は「キルギスに関わる3社」と書く。どの3社が取引所で、どの2社が決済プラットフォームなのか、A7 の取引を処理した2社がどれなのかは、英国政府は示していない。

措置は資産凍結にとどまらない。英国の金融機関によるコルレス取引 (他の銀行のための送金の中継) と送金処理の禁止に加え、インターネットサービスの制裁が科された。英国からこれらのサービスへのアクセスを遮るよう求めるもので、ウェブ上で営業する暗号資産サービスには直接効く。

A7 と「ロシアの軍事費の約半分」

FCDO は A7 を「クレムリンが後ろ盾の不正金融ネットワーク」と呼び、ロシアの金融部門への国際制裁を逃れるために使われていると説明する。発表文によると、A7 は昨年900億ドルを超える資金を動かしたと自ら主張しており、FCDO はこれをロシアの年間の軍事費のおよそ半分に相当すると書いている。

A7 は、ルーブル建てのステーブルコイン A7A5 と結びついてきた。米財務省は2025年8月、A7A5 の発行体をキルギスの Old Vector とし、A7 本体と関連会社を制裁対象に加えている。英国も同じ月に Old Vector などを指定した。今回の指定で、網は A7 の取引を仲介する周辺の取引所と決済業者まで広がった。

1週間前の米国の措置との違いは、狙う層にある。米財務省は10月1日、A7 を重大な国際犯罪組織に指定し、A7 の海外の代理会社が絡む取引を類型ごと止める規則案を出した (米財務省、ロシア系決済網 A7 を国際犯罪組織に指定)。米国が A7 の本体と代理会社の型を押さえにいったのに対し、英国は A7 に出入りする暗号資産の窓口を名指しした。

英国と EU の積み重ね

英国の暗号資産関連の指定はこれが初めてではない。5月26日には、パナマ登記の Huobi Global (HTX) を指定し、その理由に A7 LLC と Garantex Europe の名を挙げていた。EU も7月23日の第21次制裁パッケージで、A7 の国境を越えた決済網に関わる4件を指定し、第三国の暗号資産サービスを全面的に禁じられる仕組みを新設している。

指定のたびに、制裁対象は「ロシアの銀行」から「ロシアの銀行の代わりに送金を中継する業者」へ一段ずつ外側に広がってきた。今回カナダ登記の Xeltox が入ったように、窓口はロシアの外、キルギスの外にも置かれる。制裁の実効性は、指定の速さと、窓口が別の名前で営業を続けるまでの時間の競争になっている。

次に見るもの

確認できる次の一点は、英国政府の「Russia: list of designations and sanctions notices」のページに出る次回の制裁通知だ。Cryptomus や Heleket と同じ事業が別の会社名で再び現れるか、A7 の取引を処理した2社が特定されるかを見る。米国側では、FinCEN が A7 の代理会社について出した規則案の意見募集の行方が、同じ網のもう一方の端になる。

ことば

  • A7A5 — ロシア・ルーブルと連動するように設計されたステーブルコイン。キルギスの Old Vector が発行し、ロシア系の決済網 A7 と結びついて制裁回避の送金に使われてきたと米英当局はみている。
  • コルレス取引 — 銀行が海外の別の銀行に口座を持ち、他行のための送金を中継する取引。制裁対象との間でこれを禁じると、国際送金の経路そのものが閉じる。
  • インターネットサービス制裁 — 英国のロシア制裁にある措置で、指定したオンラインサービスへの英国からのアクセスを遮るよう、通信事業者などに求めるもの。ウェブだけで営業する事業者に効く。

🔗 一次ソース

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