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📡 Signal|公開鍵が見えている BTC、Glassnode の集計で626万枚

Glassnode の集計で、公開鍵がチェーン上に見えているアドレスの BTC は約626万枚 (供給の31.2%)。7割近くはアドレスの使い回しによるもので、移せば解消できる。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|公開鍵が見えている BTC、Glassnode の集計で626万枚

オンチェーン分析会社 Glassnode の共同創業者ラファエル・シュルツェ=クラフト氏は10月8日、公開鍵がすでにチェーン上に見えているアドレスに、約626万 BTC があると X に投稿した。ビットコインの供給量の31.2%にあたり、2021年初めの24.8%から増えている。

量子計算機が実用の規模に達すると、見えている公開鍵から秘密鍵を割り出せるおそれがある。ただし626万枚の7割近くは、使い終わったアドレスを使い回したことによる露出で、新しいアドレスへ移せば解消できる。量子への備えでビットコインが動かさなければならない量の下限が、この数字だ。

626万枚の内訳: 使い回しが433万枚

シュルツェ=クラフト氏の連続投稿によると、露出の内訳は次のとおりだ。

  • アドレスの使い回し: 433万 BTC。一度送金に使ったアドレスは公開鍵がチェーンに残る。資金を新しいアドレスへ移せば露出はなくなる
  • アドレスの形式による露出: 194万 BTC。公開鍵をそのまま載せる初期の形式 (P2PK) が171万枚で、うち110万枚はサトシ・ナカモトのものとされる。Taproot 形式が22.2万枚

Glassnode の公式アカウントは、使い回しのアドレスの残高がこの1年で379万から433万 BTC に増え、流通量の21.5%になったと補足した。10月11日時点の供給量 約2,010万 BTC で割ると、626万枚は約31.2%で、投稿の数字と合う。

5月の集計から22万枚増えた

Glassnode は5月20日のリサーチで、同じ定義の露出を604万 BTC (30.2%) と集計していた。そのときの内訳は、形式による露出が192万枚、運用による露出が412万枚だ。5か月で約22万枚増え、増えた分のほとんどは運用、つまり使い回しの側にある。

リサーチは定義に但し書きを付けている。ここでの「露出していない」は「量子に耐性がある」ではなく、「いまのところ公開鍵が見えていない」という意味にすぎない。量子計算機の到来の時期を予測するものでも、個々の保管業者の危険度を評価するものでもないとしている。

推計は400万枚から1,000万枚まで割れている

量子で危うくなる BTC の量は、数え方で大きく変わる。Chaincode Labs は2025年5月の報告で、流通量の20〜50%、400万〜1,000万 BTC が潜在的に脆弱だとした。一方で CoinShares は2026年2月、P2PK の約160万枚のうち市場を揺るがしうるのは約1.02万枚にとどまると反論している。Glassnode の626万枚は、その間にある。

対策の側は、まだ提案の段階だ。公開鍵を長くチェーンにさらさない新しい出力の形式を定める BIP-360 は、ビットコインの改善提案のリポジトリで状態が草案 (ドラフト段階) のままになっている。他のチェーンは先に動いている。Zcash では、透明な送金に量子耐性の署名を2027年1月に入れる目標が示され (10日の記事)、Tron はテストネットで耐量子署名の一つを稼働させた (11日の記事)。

次に見るもの

確認先は、ビットコインの改善提案のリポジトリにある BIP-360 のページだ。状態が草案から先に進むかどうかで、移行の段取りが始まるかが分かる。もう一つは Glassnode のリサーチの次の集計で、使い回しの433万枚が減り始めるかを見る。この部分は、利用者や取引所が資金を新しいアドレスへ移すだけで減らせる。626万枚のうち、量子の議論を待たずに今日から減らせる部分がどれだけ動くかが、備えの実際の進み具合を示す。

ことば

  • 公開鍵の露出 — ビットコインのアドレスの多くは、公開鍵そのものではなくそのハッシュ値で表される。送金に一度使うと公開鍵がチェーン上に残り、量子計算機が実用になればそこから秘密鍵を割り出されるおそれがある。
  • P2PK — ビットコインの初期に使われた、公開鍵をそのまま載せる送金の形式。2009〜2010年ごろに採掘された BTC の多くがこの形式で残っている。
  • BIP-360 — 公開鍵が長期間チェーン上に見えたままになる攻撃への備えとして、新しい出力の形式 (P2MR) を提案するビットコインの改善提案。現在は草案の段階で、採用は決まっていない。

🔗 一次ソース

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