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SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

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📡 Signal|Public、Kalshi の確率を株の発注条件に実装

Public が Kalshi と組み、イベントの発生確率を条件に株式やオプションを自動発注する AI エージェントを公開した。予測市場の確率が、読み物から発注の入力へ移る。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Public、Kalshi の確率を株の発注条件に実装

米ブローカーの Public が9月24日、予測市場 Kalshi と組み、イベントの発生確率を条件に株式やオプションを自動発注する AI エージェントを公開した。発表資料が例示するのは「保有するヘルスケア銘柄の FDA 承認確率が75%を超えたら、その銘柄を5,000ドル分、成行で買う」といった指示文である。確率は読むものではなく、発注の入力になった。予測市場が価格の下流から、価格をつくる側へ回り始めている。

Public Launches AI Agents for Prediction Markets(Public 社リリース・2026年9月24日/3つの指示文例と Abraham 氏の発言の原文)prnewswire.com

指示文が、そのまま発注ルールになる

Public のリリースは三つの例を挙げている。いずれも自然文のまま載っている。

  • 「保有するヘルスケア銘柄の FDA 承認確率が75%を超えたら、その銘柄を5,000ドル分、成行で自動的に買う」
  • 「今年の利下げが3回以上になる確率が1日で10ポイント上昇したら、通知して銀行株のエクスポージャーを要約する」
  • 「保有銘柄の第3四半期決算が市場予想を下回る確率が60%を超えたら、1ポジションあたり2,500ドルを上限に、イン・ザ・マネー(すでに権利行使に値する水準)のプットを買う」

処理の流れは、利用者が自然文で戦略を指示し、対話型の画面がそれを可視化した計画に変換し、利用者が承認して初めて稼働する、という順になっている。閾値・金額・上限がルールとして固定される点が要だ。

「Public はポートフォリオの構築に自ら手を入れる投資家のために作られている。AI エージェントは、その戦略を自動化させる」。共同 CEO 兼共同創業者の Leif Abraham はそう述べている。Fortune に対しては「AI エージェントは代わりに仕事をする。投資においてそれは、画面を見ていない間も市場を監視できるということだ」と説明した。

イベントに賭けるか、株の計器に使うか

Abraham の説明によれば、利用者はイベントそのものにポジションを取ることもできるし、そのマーケットデータをポートフォリオの別の場所での売買トリガーとして使うこともできる。前者は予測市場の取引、後者は予測市場を計器として使う株式運用だ。

対象カテゴリは政治・選挙に限らない。暗号資産、コモディティ、気候、経済指標、企業イベント、市場、指数、テクノロジー・科学が並ぶ。金融市場に影響する事象を広く取っている。取引を担う Kalshi は CFTC(商品先物取引委員会)規制下の取引所であり、Public はそこを通して執行する。

Public は2019年創業、ニューヨークに本社を置き、Accel と Tiger Global が出資している。自社を「世界初のエージェンティック・ブローカレッジ」と呼び、数十億ドル規模の資産を預かるとしている。

確率が、配信から配管へ

予測市場のデータが証券側へ流れ込む動きは、今回が最初ではない。Tradeweb は Kalshi のデータを機関投資家のワークフローに統合し、ProCap は AI エージェントによる投資調査に使っている。今回の Public は、その系列の小売側にあたる。

ここが本筋だ。予測市場の出力は、これまで人が読むものだった。記事の中の数字であり、ダッシュボードの一行だった。発注条件に置かれた瞬間、確率の変動そのものが売買フローを生む。確率が動けば株が動き、株が動けば次の確率が動く。二つの市場のあいだに往復が生まれる。

同時に、設計上の弱い点もそこに残る。確率は板が薄い契約でも同じ精度で表示される。数十件の注文で動く確率と、厚い板が支える確率を、条件式は区別しない。閾値を跨いだかどうかだけが判定される。

定義が争われている商品が、口座の配線になった

日付がもう一つある。同じ9月24日、ニューヨーク州は競合の Polymarket を無許可の賭博営業として提訴した。営業許可を問う手続きと、証券口座の発注回路への組み込みが、同じ日に並んでいる。

制度の側が「これは何か」を決めきる前に、実装の側が先に配線を終える。予測市場はいま、その順序で普及している。定義が後から来るとき、効いてくるのはすでに動いている配線のほうだ。

確認できる先は二つある。Kalshi のマーケット一覧で「今年の利下げ回数」の契約の建玉と値動きを見ること。次の FOMC 会合の前後が、この配線の最初の実地テストになる。もう一つは Public のニュースルームで、提供範囲と稼働条件がどう更新されるか。

ことば

  • 予測市場 — 将来の出来事が起きるかどうかを売買の対象にする市場。価格がそのまま発生確率として読まれるため、情報の集計装置としても使われる。
  • イベント契約 — 「FDA が承認するか」「利下げが3回以上か」のように、事象の成否で決済される契約。株式や債券が価格で決済されるのに対し、こちらは出来事の成否で決まる。
  • エージェンティック・ブローカレッジ — AI エージェントが注文の監視と執行まで担う証券口座の形。人が都度判断する代わりに、事前に承認したルールが動き続ける。

🔗 一次ソース

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