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SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

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📡 Signal|Injective、SEC 移転代理人登録の翌月に規制対応トークン規格を稼働

Injective が9月24日、ブロック高 184,394,000 で Meridian を適用した。発行体がコンプライアンス条件をトークンそのものに埋め込める規格を EVM に持ち込んでいる。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Injective、SEC 移転代理人登録の翌月に規制対応トークン規格を稼働

Injective のメインネットが9月24日、ブロック高 184,394,000 で停止し、Meridian と名付けられたアップグレードを適用して再開した。中身の柱は、発行体が移転制限などのコンプライアンス条件をトークンそのものに埋め込める規格を EVM に持ち込んだことだ。

この実装は単独で出てきたものではない。関連会社の Injective Institutional Services が8月19日付で米証券取引委員会 (SEC) の移転代理人として登録を完了しており、証券の名義記録を誰が持つかという問いに先に答えを出していた。名義の台帳とトークンの移転制限を同じ層に置く、という順序で組まれている。

規制条件をトークンに書き込む

ガバナンス提案 701 の本文によれば、Meridian は「規制対応トークン実装のサポートを Injective EVM にもたらし、発行体がコンプライアンスと移転の要件をトークン化商品に直接埋め込めるようにする」。想定されている用途として、規制準拠の実物資産の発行、トークン化株式、新しい金融商品が並ぶ。

従来、移転制限は多くの場合アプリケーション側の実装だった。誰に売ってよいか、どの期間ロックするかという判定を、取引所やプラットフォームのコードが担う。Meridian はその判定をトークン規格の側に移す。発行体から見れば、どのアプリケーションで扱われても条件が付いて回る状態になる。

MultiVM の機能拡張も同じ方向を向いている。提案本文は、資産の制御がネイティブ環境と EVM 環境をまたいで一貫して動くようになると述べる。取引所プリコンパイル、つまり EVM から呼び出せる形で組み込まれた取引所機能を通じたアトミックな購入もサポートされ、EVM 側のアプリケーションがネイティブの流動性と決済層へ直接届く。

承認 99% の内訳を、チェーン上の集計で確かめる

提案は9月18日に投票が始まり、9月22日に締め切られた。報道では99%の支持と伝えられたが、チェーン上の最終集計 (2026年9月26日 8時44分 JST 時点で取得) を見ると、内訳はこうなる。

  • 賛成 約1,776万 INJ
  • 棄権 約821万 INJ
  • 反対 約8.0万 INJ
  • 拒否権付き反対 約14 INJ

投じられた票の合計は約2,605万 INJ。99%という数字は、棄権を除いた賛成・反対・拒否権付き反対のなかでの賛成比率 (99.55%) を指している。棄権を含めた全投票に対する賛成の比率は68.2%で、投票の3割強が賛成にも反対にも回らなかった。

Injective のガバナンスでは、棄権票は定足数の計算には算入されるが、可決判定の分母からは外れる。定足数は33.4%、可決しきい値は50%、拒否権のしきい値は33.4%だから、この投票はどの条件も明確に満たしている。可決の正当性に疑いはない。ただしほぼ全員が賛成したという語感と、実際に賛成を投じた持分の割合は別の数字だ。

参考までに、同時点でボンドされている INJ は約5,819万で、投票総数はその約44.8%にあたる。ボンド量は投票締切時点ではなく取得時点の値なので、定足数判定そのものの再現ではない。

プライバシーは、まだ試験の段階

Meridian にはプライバシー機能そのものは入っていない。提案本文が書いているのは、プライバシー志向のインフラの土台を用意し、私設 RFQ (リクエスト・フォー・クオート) の取引フローの早期テストを導入する、というところまでだ。機関投資家がオンチェーンの流動性にアクセスしながら、注文や取引の情報を秘匿できる実行環境を目指す設計で、本格的なプライバシー機能群は今後のチェーンアップグレードに置かれている。

Injective の公式アカウントは稼働告知で、新しいプライバシープラットフォームのアルファ版が近く公開されると述べている。CypherOS の名で呼ばれているこの層が、どの提案番号で、どの機能範囲を持って出てくるかは、まだ提案として上がっていない。

このほか Meridian は、市場の執行、リスク制御、取引署名、オラクル処理の強化を含む。提案本文はオラクルの優先度付けとリレー検証の改善を挙げ、トークン化株式や実物資産、デリバティブの価格インフラの信頼性を上げる狙いだと説明している。価格が外部から入る資産を扱う以上、ここが弱いままでは規制対応トークン規格も機能しない。

次の分岐

基本線は、規格が用意されたところまでで、実際に条件付きトークンを発行する発行体がどれだけ出るかはこれからという段階だ。移転代理人の登録は名義記録を法的に扱う資格であり、発行体を連れてくる保証ではない。

リスク側の分岐は、プライバシー機能の提案が遅れることだ。私設 RFQ は機関投資家向けの目玉として告知されているが、現時点でチェーンに入ったのは試験フローに留まる。アルファ版の公開時期が示されないまま四半期をまたぐと、告知と実装の距離が開く。

確認先は Mintscan の Injective ガバナンス提案一覧。番号 701 の次にプライバシー機能群を含むチェーンアップグレード提案が上がるかどうか、そこに CypherOS の機能範囲とブロック高が書かれるかどうかを見る。提案が上がれば投票期間は4日間なので、公開から可決までの日程はその場で確定する。

ことば

  • 移転代理人 — 証券の所有者が誰かという権威ある記録を維持し、名義の変更を処理する米国の登録業者。発行済み株式数と実際の保有記録の突合も担う。
  • MultiVM — 一つのチェーンが複数の実行環境 (仮想マシン) を同時に持ち、同じ資産や制御ルールをそれらの環境をまたいで一貫させる構成。今回は Injective のネイティブ環境と EVM が対象。
  • RFQ — 取引相手に価格の提示を求めてから約定する相対取引の方式。板に注文を並べる方式と違い、注文の規模や意図が市場全体に漏れにくい。

🔗 一次ソース

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