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SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

Signal

📡 Signal|BTC 長期保有者、2015年以降の弱気相場で初めて含み損を回避

glassnode の LTH-MVRV で、ビットコインの長期保有者は今回の弱気相場を集団として含み益のまま通過。2015 年以降の底では毎回 1 を割っていた。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|BTC 長期保有者、2015年以降の弱気相場で初めて含み損を回避

ビットコインの長期保有者 (155 日以上動いていないコインの持ち主) は、今回の弱気相場を通して集団として一度も含み損に沈まなかった。オンチェーン分析会社の glassnode が 10 月 4 日に公表したデータで、同社によれば少なくとも 2015 年以降の弱気相場で初めての形だ。

過去の底では、長期保有者の評価額が取得原価を割り込むのが通例だった。今回はその線の上で反転しており、相場の下値を支える売り手の層が変わったのかを測る材料になる。

LTH-MVRV は長期保有者の含み損益を 1 本の比率にしたもの

MVRV は時価総額を実現時価総額で割った比率だ。実現時価総額は、各コインを最後に動いた時点の価格で評価し直した総額で、保有者全体の取得原価に近い。glassnode の定義では、LTH-MVRV はこの計算を 155 日以上動いていない UTXO (未使用のコイン出力) だけに絞ったものになる。

読み方は単純で、1 なら長期保有者全体の評価額と取得原価が等しい。1 を下回れば集団として含み損、上回れば含み益になる。

ただし、これは集団の合計であって一人ひとりの損益ではない。高値圏で買ってそのまま 155 日を越えたコインは、個別には含み損でありうる。比率が 1 を超えているのは、より安い価格で取得した古いコインの含み益が、そうした損を上回っているという意味だ。

2015 年・2018 年・2022 年の底では 1 を割っていた

glassnode が投稿に添えたチャートでは、2015 年初、2018 年末、2022 年末の 3 つの底で LTH-MVRV が 1 を下回り、長期保有者が集団として含み損の領域に入っている。2022 年末の底は FTX 破綻の直後にあたる。

今回の比率は 2026 年に入って下がったが、1 の上で底を打ち、再び上向いている。チャート上の底は 1 の少し上にあり、線を割り込んだ日はない。

この見立ては、glassnode の週次レポート 9 月 23 日号 (「Escape Velocity」) が別の指標で示した内容とも重なる。同号によれば、ビットコインは今回の弱気相場で実現価格 (全コインの平均取得価格) を日足の終値で一度も下回らなかった。2018〜19 年と 2022〜23 年の弱気相場では、価格が実現価格の下で数か月推移していた。

底が浅かった理由と、裏返しの売り圧

浅い底には、保有層の入れ替わりという説明が立つ。現物 ETF のカストディや上場企業の財務に入ったコインは、相場が下げても動きにくい。こうしたコインが 155 日を越えて長期保有者の側に積み上がれば、下落局面で投げ売りに回りうる供給は過去のサイクルより薄くなる。今回の数字は、この仮説と矛盾しない。

ただ、glassnode のデータは保有者の属性までは示していない。そして含み益が厚い層は、利益確定の売りを出せる層でもある。9 月 23 日号は、長期保有者の大きな供給の塊が 84,000〜85,000 ドルにあり、価格がそのすぐ上にあると書いている。この塊を割り込めば、売り手は同じ長期保有者の側から出てくる。

次に見るもの

glassnode は 9 月 23 日号で、下値の主な支えを True Market Mean (売買に参加している投資家の平均取得価格の推計) の 77,000 ドルに置き、価格がその上を保てば 6 月の安値が過去 3 回の弱気相場で最も浅い底になると書いた。上値の次の節目は 96,700 ドルで、実現価格に MVRV の長期平均を掛けた価格にあたる。

確認先は、glassnode Research が毎週出す「The Week On-chain」の次号と、同社 Studio の LTH-MVRV チャートだ。見るのは 2 点で、価格が 84,000 ドルの供給帯の上にとどまるか、LTH-MVRV が 1 から離れる動きを続けるかだ。比率が再び 1 に向かって沈むなら、今回の「含み損を避けた底」という記録は、底がまだ終わっていなかったという話に置き換わる。

ことば

  • LTH (長期保有者) — glassnode の区分で、155 日以上動いていないコインの持ち主。同社がコインの年齢ごとに使われる確率を分析して置いた境目で、それより若いコインの持ち主は短期保有者 (STH) と呼ばれる。
  • 実現価格 — 全コインを最後に動いた時点の価格で平均した値で、市場全体のおおよその取得原価。価格がこの下にあると保有者全体が含み損に近づくため、弱気相場の底を測る目安に使われる。
  • True Market Mean — glassnode と ARK Invest の共同研究 (Cointime Economics) から生まれた推計で、市場で売買に参加している投資家の平均取得価格を表す。価格がこの上なら平均的な現役投資家は含み益、下なら含み損という目安になる。

🔗 一次ソース

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