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📡 Signal|ブルメンタール議員、Cantor 会長に Tether 取引で13項目の照会

米上院 PSI のブルメンタール筆頭委員が Cantor Fitzgerald 会長に Tether との取引で13項目を照会。期限は10月23日。土台はイラン関連ウォレットの分析報告書。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|ブルメンタール議員、Cantor 会長に Tether 取引で13項目の照会

米上院の常設調査小委員会 (PSI) で少数党の筆頭委員を務めるリチャード・ブルメンタール上院議員 (民主党) は10月8日付で、米金融サービス会社 Cantor Fitzgerald のブランドン・ラトニック会長に書簡を送り、ステーブルコイン発行体 Tether との取引関係について 13 項目の資料と回答を求めた。回答の期限は10月23日。Cantor の前会長は、現在の商務長官ハワード・ラトニック氏だ。

書簡の土台は、同じ小委員会の少数党側が 9 月28日に出した報告書にある。イランと関連組織に結び付けられて制裁や差押えの対象になった 846 のウォレットのうち、84% がほぼ USDT だけで取引していたという分析だ。照会の矛先は Tether そのものから、その準備資産を米国で預かる金融機関へ広がった。

本サイトの速報 (ブルメンタール議員の小委員会がCantor FitzgeraldのテザーTether関連でルットニック氏に書簡) の続報として、書簡と報告書の原文から要点を整理する。

書簡が求めた 13 項目

書簡はまず、Tether との取引に関わるすべての文書と通信の保全を求め、そのうえで 2023年1月以降を対象に 13 項目の質問と資料を並べた。主なものは次のとおりだ。

  • Tether との取引の始まりと、そこから Cantor が得た年ごとの収入。ラトニック家が得た額も
  • 信頼できる独立監査人による Tether の監査を求めているか
  • Tether の米財務省外国資産管理室 (OFAC) の制裁やマネーロンダリング対策の遵守を、どう監視しているか
  • Tether の準備資産の保管 (カストディ) の関係と、その記録
  • ハワード・ラトニック氏が Cantor の持分を手放した条件と、持分を子どもに移すのに Tether から融資などを受けたかどうか
  • イランの影の銀行網やロシア制裁の回避に USDT が使われたという指摘を、Cantor がどう調べたか
  • 大統領のデジタル資産諮問評議会のメンバーとの通信

書簡は、Tether がエルサルバドルを拠点としながら、資産の大半は Cantor の保管の下で米国にあると書く。Cantor の Tether 株 5% の価値は、トランプ大統領の復帰以降に6億ドルから推定100億ドルへ増え、準備資産の保管で毎年数千万ドルを得ているとも指摘した。100億ドルは国際調査報道ジャーナリスト連合 (ICIJ) の報道にもとづく推定値で、書簡の脚注がその出典を示している。

9 月28日の報告書が示したもの

報告書の題は「Tethered to Terrorism: Crypto & Iran's Shadow Banking Network」。表紙には PSI の筆頭委員ブルメンタール氏と少数党スタッフの名があり、多数党の共和党側との共同報告ではない。

報告書は 3 つの発見を挙げた。

  • イランと関連組織に結び付けられた 846 のウォレットのうち 84% が、USDT だけ、またはほぼ USDT だけで取引していた
  • 制裁対象の石油密輸業者 2 人が、2021〜2025年の 4 年間に 6 億300万ドル超の USDT を動かし、その取引網はヒズボラやフーシ派、イランの金融機関につながっていた
  • 2024年より前、Tether は対テロ当局が指定したウォレットを包括的・一貫して凍結してはいなかった。ある事例では、指定後も3,460万ドルが制裁対象のウォレットを通じて動き続けた

報告書はこれらをもとに、USDT がイランの影の銀行網の中で重要な「生命線」になっていると結論づけた。米財務省の金融犯罪取締ネットワーク (FinCEN) が 2026年5月の警告で、暗号資産を「イランの影の銀行網の一角」と呼び、大量のステーブルコインの発行体に言及したことも引いている。

Tether は報告書が出た同じ日、2026年に入ってイラン関連の USDT 約5億5,000万ドルの凍結を支援したとする声明を出したと Decrypt などが伝えている。USDT は制裁対象者や犯罪網の逃げ場ではないという立場だ。

少数党の照会であって、召喚状ではない

書簡の重さを測るには、立場を押さえる必要がある。PSI の委員長は共和党のロン・ジョンソン上院議員で、書簡の写しも同氏に送られている。少数党の筆頭委員による照会は、回答を法的に強制する召喚状ではない。報告書も書簡も、Cantor や Tether の違法行為を認定したものではない。

それでも、この照会が持つ意味は小さくない。Tether の準備資産の多くは米国債で、その保管を担うのが Cantor だ。ステーブルコインの信用の土台である準備資産が、米国の金融機関と、現職閣僚の一族に結び付いている。議会がステーブルコインの規制の運用を詰めていく中で、発行体だけでなく、準備資産を預かる側の監視責任をどこまで問うかが論点として浮かび上がった。

次に見るもの

確認できる次の一点は、10月23日の回答期限の後に、ブルメンタール氏の事務所か PSI 少数党側が Cantor の回答の有無と中身を公表するかどうかだ。あわせて、Cantor と Tether が書簡に対して公式の声明を出すかを見る。報道によれば、両社は書簡についての問い合わせにすぐには答えていない。

ことば

  • 常設調査小委員会 (PSI) — 米上院の国土安全保障・政府問題委員会に属する調査専門の小委員会。委員長は多数党、筆頭委員は少数党から出る。少数党の側も独自に報告書や書簡を出す。
  • 影の銀行網 (shadow banking network) — 制裁で正規の銀行を使えない国や組織が、両替商や仲介業者、暗号資産などを組み合わせて資金を動かす非公式の送金網。今回の報告書は、その中で USDT が中心になっていると分析した。
  • カストディ — 顧客の資産を預かり、保管・管理する業務。Tether の準備資産の米国債の保管を Cantor が担っていることが、今回の照会の起点になっている。

🔗 一次ソース

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