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SNAPSHOT 2026-10-18 18:03 JST

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📡 Signal|フランス下院、暗号資産からステーブルコインへの交換を課税対象に

フランス下院が、暗号資産を USDC などのステーブルコインに換えた時点で課税する修正案を可決。2027年1月から、ユーロに換えるのと同じ扱いに。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|フランス下院、暗号資産からステーブルコインへの交換を課税対象に

フランスの国民議会 (下院) は10月16日、2027年度予算案の本会議で、暗号資産をステーブルコインに換えた時点で値上がり益に課税する修正案 I-3898 を可決した。これまでフランスでは暗号資産どうしの交換は課税を先送りでき、税がかかるのはユーロなどの法定通貨に戻した時だった。

修正案は、その先送りの対象から、EU の暗号資産規制 MiCA が定める電子マネートークン (EMT) への交換を外す。USDC や EURC のような法定通貨連動のステーブルコインに換えることが、税の上ではユーロに換えるのと同じになる。値上がりした暗号資産をいったんドル建ての価値に移して待つ、という使い方の前提が変わる。第一報は LiveMakers の 10月18日の速報 で伝えた。

修正案 I-3898 が変える 2 つの規定

国民議会の公表資料によると、修正案は左派会派「民主・共和左派」(GDR) の Nicolas Sansu 議員ら 17 人が10月10日に提出し、16日の本会議 (第 1 読会) で可決された。書き換えるのは、個人の暗号資産の譲渡益を定める租税一般法典の第 150 VH bis 条で、変更は 2 つある。

  • 交換の先送りの例外: 交換の結果として電子マネートークンを受け取る取引には、課税の先送りを適用しない
  • 益の計算方法: 売った暗号資産そのものの取得価格で益を計算する方式に改める。同じ種類の暗号資産を違う価格で買っていた場合は、加重平均の取得価格を使う

適用は2027年1月1日以降の売却と交換から。2026年末までに取得した分は、資産ごとの実際の取得価格を証明するか、2026年12月31日時点のポートフォリオ全体の取得価格を、その日の時価の比率で各資産に割り振るかを選べる。この選択は、2027年以降の課税対象の売却を初めて申告する時に、ポートフォリオ全体について一度だけ行い、撤回できない。

「ステーブルコインへの退避は非課税」の扱いを閉じる

修正案の説明書きは、ステーブルコインへの交換で生じた益が課税されないのは「法の抜け穴」だと書く。ステーブルコインは暗号資産の取引業者での支払いや、他の暗号資産の購入に使え、投資の手段として通常の通貨と変わらない、という理屈だ。新しい負担を作るのではなく、既にある一律課税 (PFU・いわゆるフラットタックス) を、想定されていなかった場面に当てはめるだけだとも説明する。同じ説明書きは、英国とイタリアがすでに同じ方向の法整備をしたと記している。

投資家の側から見ると、変わるのは利益確定の記録のつけ方だ。これまでは、BTC や ETH をステーブルコインに換えても、ユーロに戻すまで税の計算は始まらなかった。修正後は、ステーブルコインに換えるたびに、その時点の益を計算して申告することになる。ステーブルコイン建ての売買を繰り返す投資家ほど、記録と申告の手間は大きくなる。

どの銘柄が電子マネートークンに当たるかは、MiCA の定義への当てはめで決まる。MiCA は電子マネートークンを、1 つの法定通貨の価値に連動させる暗号資産と定めており、ドル連動もユーロ連動も含む。

予算が成立するまでの距離

今回の可決は、予算案の第 1 読会の途中の一段階にすぎない。予算案はこのあと上院 (元老院) の審議を経る。政府が憲法 49 条 3 項を使い、採決なしに予算案を通す場合は、どの修正を本文に残すかは政府の判断になる。修正案が 2027 年 1 月に効力を持つかどうかは、まだ決まっていない。

それでも、下院の本会議が、ステーブルコインを税の上で通貨と同じに扱う修正を可決した事実は残る。EU では MiCA でステーブルコインの発行と流通のルールが先に整い、税の扱いがあとから追いかけている。ステーブルコインを決済の手段として認めることと、課税の上で通貨と同じに扱うことは、同じ流れの表と裏になる。

次に見るもの

確認先は、国民議会の 2027年度予算案 (第 3210 号) の審議ページだ。予算案の第 1 部 (歳入) 全体の採決の結果と、上院に送られる本文に第 150 VH bis 条の改正がそのまま残っているかを見る。上院では財政委員会の審議で、この条項を削るか残すかが最初の分かれ目になる。

ことば

  • 電子マネートークン (EMT) — EU の暗号資産規制 MiCA の区分で、1 つの法定通貨の価値に連動させる暗号資産。USDC や EURC が代表例で、発行者には電子マネー機関などの免許が要る。今回の修正案は、この区分に当たるかどうかで課税の先送りの可否を分ける。
  • 課税の先送り (sursis d'imposition) — フランスで暗号資産どうしを交換した時に、その場では益に課税せず、法定通貨に換えた時にまとめて計算する仕組み。今回の修正で、ステーブルコインへの交換はこの仕組みから外れる。
  • PFU (一律課税) — フランスで金融所得や譲渡益にかかる一律の税で、所得税と社会保障負担を合わせて課す。暗号資産の譲渡益にも適用され、今回の修正後はステーブルコインへの交換で生じた益にもかかる。

🔗 一次ソース

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