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SNAPSHOT 2026-10-23 12:03 JST

Signal

📡 Signal|Warp Sciences、米国内の創薬化学受託に2億1,500万ドル

元 OpenAI の Kevin Weil 氏が率いる Warp Sciences が Lightspeed 主導で2億1,500万ドルを調達。化学者・AI・ロボットで創薬用の化合物を米国内で合成する受託サービスをつくる。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Warp Sciences、米国内の創薬化学受託に2億1,500万ドル

米サンフランシスコの新興企業 Warp Sciences は10月22日、2億1,500万ドルの資金を得て、事業を伏せていた段階から表に出たと発表した。調達を主導したのは米ベンチャーキャピタルの Lightspeed だ。化学者と AI とロボットを組み合わせ、製薬会社の創薬研究に使う化合物を米国内で合成する受託サービスをつくる。

最高経営責任者 (CEO) は、OpenAI で最高製品責任者と科学担当の副社長を務めた Kevin Weil 氏だ。AI の最前線にいた人材が、モデルの開発ではなく、試験管と実験装置の側に資金を集めた。創薬の前段の作業を中国の受託企業に頼ってきた米国の製薬業界に、国内の選択肢を足す動きでもある。

作って、測って、学ぶ

Warp Sciences は自社で薬を開発しない。発表によると、最初に提供するのは、候補となる化合物の構造を少しずつ変えた類似体を次々に合成する作業で、創薬の「リード最適化」と呼ばれる段階にあたる。製薬会社や創薬ベンチャーから注文を受け、化合物を作って渡す受託研究機関 (CRO) の形を取る。

最高執行責任者の DJ Patil 氏は発表で、自社の薬は開発していないと明言した。最高科学責任者の Sol Reisberg 氏は、知的財産の保護を顧客との関係の中心に置くと述べている。自社で薬を持たないことで、顧客と開発の候補を奪い合わない立場になる。

Weil 氏は、化学と生物学は何かを作り、試し、その結果から学ぶことで前に進むと述べた。AI が化合物の案をいくら出しても、実際に合成して測らなければ次の案は良くならない。最高技術責任者の Mano Paluri 氏は、AI には化学の物理的な作業とのより近いつながりが要ると語った。Warp Sciences は、この「作って測る」部分を、ロボットで速く回す事業に賭けている。

創業者と出資者の顔ぶれ

創業者の4人は次のとおりだ。

  • Kevin Weil 氏 (CEO): OpenAI の元最高製品責任者・科学担当副社長
  • Sol Reisberg 氏 (最高科学責任者): Terremoto Biosciences で医薬化学を率いた
  • Mano Paluri 氏 (最高技術責任者): Meta Superintelligence Labs の副社長、Meta の AI 研究組織 FAIR の創設メンバー
  • DJ Patil 氏 (最高執行責任者): 米国の初代チーフ・データサイエンティスト、Devoted Health の創業時の経営陣

初期の採用には、ロボット開発の Genesis、Skild AI、1X の出身者と、Genentech やローレンス・リバモア国立研究所の研究者が入った。出資者には Lightspeed のほか、Premji Invest、Mayfield、IVP、Lux、Conviction、Menlo Ventures などが並ぶ。個人では、Coinbase の共同創業者の Brian Armstrong 氏、Figma の共同創業者の Dylan Field 氏、Sarah Friar 氏らが名を連ねた。発表は、評価額や研究所の規模、サービス開始の時期を示していない。

中国に頼ってきた創薬の前段

発表は、事業の背景として2つの事実を挙げた。一つは、米バイオ業界団体 BIO が2024年に行った調査で、回答者の74%が前臨床・臨床の受託サービスで中国企業と契約していたこと (ロイター通信の報道による)。もう一つは、2025年12月に BIOSECURE 法が成立したことだ。

米国の創薬の前段の作業は、海外、とりわけ中国の受託企業に多くを頼ってきた。その依存が安全保障の論点になり、法律が動いた。同じ10月22日には、米財務省が、米国人による懸念国への対外投資の規制案で、バイオ技術を対象分野に加えている。バイオは、資金の出口と仕入れ先の両方から、国の線引きの対象になった。

Warp Sciences の勝ち筋は、国内で作るという理由だけでは成り立たない。中国の受託企業の値段と納期に、ロボットと AI で近づけるかどうかが問われる。

次に見るもの

確認先は2つある。一つは Warp Sciences が今後出す発表で、最初の顧客となる製薬会社の名前と、研究所の場所・稼働の時期が示されるか。もう一つは、米財務省の対外投資規制案の意見募集の締め切りである12月7日で、バイオ技術の範囲が業界の意見を受けてどう定義されるかを見る。

ことば

  • CRO (受託研究機関) — 製薬会社から、化合物の合成や試験などの研究開発の作業を請け負う企業。創薬の前段の作業は、海外の CRO に外注されることも多い。
  • リード最適化 — 薬の候補として見つけた化合物 (リード) の構造を少しずつ変え、効き目・安全性・体内での動きを良くしていく創薬の段階。多くの類似体を合成して試す必要がある。
  • BIOSECURE 法 — 米国の連邦政府の調達で、懸念のある外国のバイオ企業との取引を制限する法律。2025年12月に成立し、中国の受託企業に頼ってきた製薬会社にも取引先の見直しを迫る。

🔗 一次ソース

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