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SNAPSHOT 2026-10-16 07:30 JST

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📡 Signal|Monero、全チェーン証明 FCMP++ の第 3 版試験網を運用中

Monero の開発者が10月14日、匿名性の仕組みを入れ替える FCMP++ と Carrot の公開試験網 第 3 版が順調と報告。本番の日程は未定で、次は第 2・第 3 段階の監査の見積もり依頼。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|Monero、全チェーン証明 FCMP++ の第 3 版試験網を運用中

Monero の開発者は10月14日の研究会合 (Monero Research Lab) で、送金の匿名性の仕組みを入れ替える大型アップグレード「FCMP++」と新しいアドレス方式「Carrot」の公開試験網 (ベータ版 stressnet の第 3 版) が順調に動いていると報告した。Monero の公式アカウントは翌15日にこの報告を紹介し、利用者に試験への参加と不具合の報告を呼びかけた。

FCMP++ は、送金ごとに「16 件の中のどれか」を隠れ蓑にしてきた従来の方式を、チェーン全体の 1 億 5,000 万件超の中のどれか、という証明に置き換える。Monero が長年使ってきた匿名化の土台を取り替える作業で、本番 (メインネット) の日程はまだ決まっていない。今回の報告は、その日程を決める前の工程がどこまで進んだかを示している。

16 件から 1 億 5,000 万件へ

Monero の送金では、自分が使うコインを、過去の他人のコインに紛れ込ませて送る。いまの方式 (リング署名) では、実際に使う 1 件をおとりの 15 件と混ぜ、「この 16 件のどれかを持っている」と証明する。おとりの数が限られるため、統計的な推定で実際の 1 件を絞り込む研究が積み重なってきた。

FCMP++ (Full-Chain Membership Proofs) では、混ぜる相手をチェーン上の全ての出力に広げる。開発チームのリリースノートは「16 件のうち 1 件」から「Monero のブロックチェーン全体にある 1 億 5,000 万件超のうち 1 件」への変更と説明している。もう一つの Carrot は、アドレスの仕組みを新しくして安全性と使い勝手を上げつつ、いまのアドレスもそのまま使えるようにする改修だ。

ビットコインやイーサリアムは、送金の履歴を誰でも追える公開の台帳で、匿名性は任意の追加手段に頼る。Zcash は匿名の送金を選択式にしている。Monero は全ての送金を最初から匿名にする設計で、その匿名の集団を「16」から「チェーン全体」に広げるのが今回の移行になる。

試験網の第 3 版で何を試しているか

開発チームは9月25日に試験用ソフトの第 3 版 (v0.19.0.0-beta.3.0) を公開し、試験網は10月5日、ブロック高 3102800 で前の網から分かれた。第 3 版の主な変更は次のとおりだ。

  • ホットウォレットとコールドウォレット (オフラインで鍵を持つ方式) の組み合わせに対応
  • 取引の中継方式 (tx relay v2) の大幅な改善。ノード間の通信量を減らす新しい中継の手順
  • 採掘アルゴリズム RandomX の第 2 版への対応
  • 第 2 版の試験網で見つかった不具合の修正

第 3 版は前の版と互換がなく、参加者はデータを最初から同期し直す必要がある。公開の試験網は2025年10月のアルファ版から数えて、2026年5月6日のベータ第 1 版、5月27日の第 2 版に続く段階になる。

14日の会合で開発者の jberman 氏は、ベータ試験網について「大きな報告はなく、順調に動いているようだ」と述べた。最新の中継方式の変更がどう持ちこたえているかをログで確認し、問題がなければ「本番に入れる準備ができるはずだ」とした。条件つきの見通しで、確定ではない。

本番の前に残る工程

日程を決める前に残っているのは、監査だ。jberman 氏によると、FCMP++ の組み込みについて第 2 段階と第 3 段階の監査の見積もり依頼 (RFQ) を出す準備を進めており、その前に、ロック期限を時刻で指定した出力の扱いを詰めている。研究面では、証明の回路を対象にした第 2 回の監査を、監査会社の Least Authority が進めている。

同じ会合では、Monero の P2P ネットワークで特定のノードを外部から孤立させる攻撃 (エクリプス攻撃) を扱った新しい論文も議題になった。研究者の Rucknium 氏は、この攻撃を防ぐためにノードの接続先の選び方を変える修正を提案済みだ。FCMP++ とは別の改修だが、匿名性の仕組みを強くする作業と、ネットワーク層の守りを固める作業が同時に進んでいることになる。

次に見るもの

確認先は、毎週水曜の 17 時 (日本時間は木曜 2 時) に開かれる研究会合の議題と記録だ。GitHub の monero-project/meta に会合ごとの議題が立ち、終了後に記録が載る。10月21日の回で、第 2・第 3 段階の監査の見積もり依頼が出たか、中継方式の変更を本番に入れると判断したかを見る。本番の日程は、監査の結果が出るまで決まらない。

ことば

  • リング署名 — 実際に使うコイン 1 件を、おとりの過去のコインと混ぜて署名する仕組み。Monero ではおとりを含めた 16 件の中のどれかを持つと証明する。FCMP++ はこれをチェーン全体に広げる。
  • stressnet — 本番と同じ規則のソフトを公開の試験網で動かし、多数の取引を流して負荷と不具合を確かめる試験の網。Monero の FCMP++ は 2025 年 10 月から段階的に試験されている。
  • エクリプス攻撃 — 特定のノードの通信相手を攻撃者のノードで埋め、ネットワークから孤立させる攻撃。孤立したノードは偽の情報を受け取りやすくなる。

🔗 一次ソース

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