Signal
📡 Signal|Franklin Templeton、株の配当でビットコインを買う ETF 2 本を上場
Franklin Templeton が、米国株の配当をビットコインに回す ETF の FBEQ と FIBT を Nasdaq に上場。株 95%・ビットコイン 5% で始まり、四半期ごとに 5% 超を 4.5% に戻す。

米資産運用大手の Franklin Templeton は、米国株に投資しながら、株から受け取る配当をビットコインに回す ETF (上場投資信託) を 2 本、Nasdaq に上場した。米大型株 500 社に投資する「FBEQ」と、Nasdaq 上場の大手 100 社に投資する「FIBT」で、どちらも始まりの配分は株 95%・ビットコイン 5% だ。報道によると、取引は10月29日に始まった。
資産のすべてをビットコインで持つ現物 ETF と異なり、株の投資信託の中に、ビットコインを小さく育てる仕組みを組み込んだ。毎期入る株の配当を、そのまま別の資産の積み立てに変える設計で、株の投資家にビットコインを少しずつ持たせる入口になる。初期報は30日の 速報 で伝えた。
2 本の中身
SEC に出した目論見書の要約版 (10月27日付) によると、2 本の違いは株の側にある。
- FBEQ (Franklin US Equity Bitcoin DRIP Index ETF) — 連動する指数は「VettaFi US Large-Cap 500 Bitcoin DRIP Index」。米国の大型株 500 社が対象。経費率は年 0.09%
- FIBT (Franklin US Innovation Bitcoin DRIP Index ETF) — 連動する指数は「VettaFi US Innovation 100 Bitcoin DRIP Index」。Nasdaq に上場する米国の大手 100 社から金融の会社を除いたもの。1 銘柄の比率は 20% までに抑える。経費率は年 0.19%
ビットコインの部分は、ビットコインを持つ ETP (上場取引型の金融商品)、ビットコインやその ETP の先物とオプションなどで持つ。運用会社の系列が出すビットコインの ETP も含む。
配当で買い、5% を超えたら削る
仕組みの要は、配当とビットコインの比率の決まりだ。目論見書は次のように定めている。
- 配当の使い道 — 通常の配当も特別配当も、配当の権利が落ちた日の翌日の取引開始の時点で、すべてビットコインに回す
- 四半期ごとの見直し — ビットコインの比率が 5% を超えていれば 4.5% まで減らす。5% 以下なら、そのまま残す
- 上限 — 見直しの合間にビットコインの比率が 20% を超えたら、超えてから 2 営業日後の終値の時点で 4.5% に戻す
この決まりからは、ビットコインの値動きに応じた 2 つの顔が見える。ビットコインが値上がりして比率が 5% を超えれば、四半期ごとに 4.5% まで売って株に戻す。値下がりして比率が 5% を下回っているあいだは、配当が入るたびにビットコインを買い増す。上がれば利益を株に移し、下がれば安いところで積み増す形で、ビットコインの比率はおおむね 5% の近くに保たれる。
株の側から見れば、配当を現金で受け取って株を買い直す代わりに、ビットコインを少しずつ買う。配当という現金の受け取りを、別の資産への自動の積み立てに置き換えた商品だ。
株の財布にビットコインを入れる道
米国では、ビットコインを持つ現物 ETF がすでに複数上場し、Franklin 自身も現物のビットコイン ETF を出している。それでも、資産の 100% をビットコインで持つ商品は、値動きの大きさから、株の投資家にとって敷居が高い。
FBEQ と FIBT は、その敷居を下げる別の入口だ。手元にあるのは 95% が見慣れた米国株で、ビットコインは 5% 前後にとどまる。目論見書は、ビットコインを「投機的な資産と見なされてきた」と書き、盗難や消失、少数の大口の保有者による相場の操作の危険も挙げている。それを承知のうえで、株の配当という毎期の小さな現金を、ビットコインに向ける流れを商品として作った。米国株の配当がこの 2 本に集まるほど、四半期ごとに小口のビットコインの買いが積み上がる。
次に見るもの
確認先は、Franklin Templeton の 2 本の ETF の商品ページに出る純資産の総額だ。上場から最初の四半期末 (12 月末) までに、どれだけの資金が集まるかで、配当をビットコインに回す仕組みに株の投資家がどこまで乗るかが分かる。そのあとは、最初の四半期の見直しで、ビットコインの比率が 5% を超えて 4.5% に戻されたかを、保有銘柄の開示で確かめたい。
ことば
- DRIP (配当再投資) — Dividend Reinvestment Plan の略。受け取った配当を現金で渡さず、そのまま投資に回す仕組み。今回の 2 本は、配当を元の株ではなくビットコインに回す。
- 配当の権利落ち日 — この日以降に株を買っても、次の配当を受け取れなくなる日。FBEQ と FIBT は、その翌日の取引開始の時点で配当をビットコインに回す。
- ETP (上場取引型金融商品) — 取引所で株と同じように売買できる金融商品の総称。ETF もその一つで、ビットコインを裏付けにした商品も含まれる。
🔗 一次ソース
- Franklin US Equity Bitcoin DRIP Index ETF (FBEQ) の目論見書の要約版 (SEC・Form 497K・2026年10月27日) — 連動指数、配当をビットコインに回す時点、5%・4.5%・20% の比率の決まり、経費率 0.09%、ビットコインの持ち方と危険の記載を確認sec.gov
- Franklin US Innovation Bitcoin DRIP Index ETF (FIBT) の目論見書の要約版 (SEC・Form 497K・2026年10月27日) — 連動指数、Nasdaq 上場の大手 100 社から金融を除く対象、1 銘柄 20% の上限、経費率 0.19% を確認sec.gov
- Nasdaq による上場の証明 (SEC・Form CERT・2026年10月28日)sec.gov
- Decrypt の報道 (公式 X・10月30日)
- CoinPost の報道 (公式 X・10月30日)
