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📡 Signal|WTI 100ドル割れ、米ディーゼルは過去最高値
WTI 10月限が95.78ドルで100ドル割れ、ブレントも100.34ドル。同じ日に米ディーゼル小売は6.511ドルで過去最高。外交期待で下がる原油と、精製品不足で下がらない軽油のずれを読む。
米原油先物 WTI の10月限は米国時間9月21日(月)、前日比4.52ドル安の1バレル95.78ドルで取引を終え、100ドルを割り込んだ。北海ブレントの11月限も3.4%安の100.34ドルで、ともに9月9日以来の安値になった。同じ日、米自動車協会(AAA)が集計する全米のディーゼル(軽油)小売価格は1ガロン6.511ドルと過去最高を更新した。
原油の値段を動かしているのは外交への期待で、ディーゼルの値段を動かしているのは製油所と輸出規制の現実だ。原油安がそのまま物流や物価の負担減につながると読むのは早い。
原油を押し下げた2つの材料
1つ目は外交だ。トランプ大統領は今週の国連総会に合わせ、イランのペゼシュキアン大統領と会うことに「おそらく」前向きだと米テレビの取材に語った。ロイターによると、みずほのエネルギー先物担当ディレクター、ボブ・ヤウガー氏は「ほんの数日前なら、ずいぶん遠い話に思えただろう」と述べている。
2つ目はホルムズ海峡を通る原油の量だ。ロイターが伝えた集計では、同海峡を通過した原油は9月18日までの6日間で日量平均290万バレルと、8月の約70万バレルから4倍に増えた。サウジアラムコは20日(日)、湾岸で超大型タンカー7隻に約1400万バレルを積み込んだ。ドローン攻撃で東西パイプラインが止まったサウジは、輸出を湾岸側へ振り替えている。
ブレントは前週、110ドル近くまで上げていた。そこから4営業日続けて下げたことになる。一方、フーシ派は週末にも首都リヤドと紅海側の港ヤンブーのアラムコ施設を狙った攻撃を主張しており、軍事面の緊張が解けたわけではない。
ディーゼルだけが下がらない理由
AAA の全米平均で、ディーゼルは1週間前の6.230ドルから28セント、1か月前の5.576ドルから93セント上がった。1年前は3.696ドルだった。レギュラーガソリンは4.479ドルで、2022年6月の最高値5.017ドルにはまだ届いていない。原油の上昇がガソリンより先にディーゼルで記録を塗り替えたことになる。
差を生んでいるのは原油ではなく、軽油そのものの供給だ。ブルームバーグによると、ロシアは軽油の輸出を大半禁じており、10月まで延長する可能性がある。ウクライナのドローン攻撃がロシアの製油所を叩き続けていることも、世界の軽油の供給を細らせている。ホルムズ経由の原油が戻り始めても、精製された軽油の不足はすぐには埋まらない。
小売価格が卸値の動きを数日から数週間遅れて追うことも重なる。21日はディーゼル先物も約3%下げたが、店頭の値段はまだ上昇の途中にある。
次に見るもの
最初の確認点は、米エネルギー情報局(EIA)が水曜日(米国時間9月23日)に公表する週間石油在庫統計の留出油(ディーゼルと暖房油)の在庫だ。在庫が減り続けていれば、原油安とディーゼル高のずれは続く。
2つ目は国連総会の会期中に、トランプ大統領とペゼシュキアン大統領の会談が実際に設定されるかどうか。外交期待で下げた原油は、会談が流れれば同じ速さで戻りうる。3つ目は AAA の日次の全米平均で、ディーゼルの上昇が止まるかどうかだ。原油安が店頭に届くかは、ここで確かめられる。
ことば
- WTI の限月 — 原油先物は受け渡しの月ごとに別の契約として取引される。21日に100ドルを割った10月限は22日に取引最終日を迎える契約で、次の11月限は92.47ドルとさらに安い。
- 留出油 — 原油を精製して取り出すディーゼル(軽油)や暖房油の総称。トラック輸送や農機、発電機の燃料で、在庫の増減が物流コストの先行きを示す。
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