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SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

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📡 Signal|Binance Pay、PayPay 加盟店で訪日客の暗号資産払いに対応

Binance Pay の海外利用者が、訪日中に全国の PayPay 加盟店で暗号資産で払えるようになった。店は円で受け取り、日本居住者は対象外。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Binance Pay、PayPay 加盟店で訪日客の暗号資産払いに対応

Binance は9月30日、海外の Binance Pay 利用者が日本を訪れた際に、全国の PayPay 加盟店で暗号資産を使って支払えるようになったと発表した。店は暗号資産に一度も触れず、売上はいつもどおり日本円で受け取るので、暗号資産の支払いが特別な準備なしで日本の店頭に届く形になった。

PayPay「PayPay、インバウンド施策の連携先に暗号資産が取引できる『Binance』アプリの決済機能『Binance Pay』を追加」(2026年9月30日)PayPay株式会社

PayPay も同日、訪日客向けの連携先に Binance Pay を加えたと発表した。対象は100以上の国と地域にいる約4,800万人(6月1日時点)の Binance Pay 利用者で、飲食、お土産、宿泊などの支払いに使える。日本に住む Binance Japan の利用者は対象外だ。PayPay は発表の中で、8月の訪日客が309万8,900人となり、14の市場で8月として過去最高を記録したことを挙げ、旅行者の間で暗号資産やステーブルコインを使った支払いへの需要が高まっていると説明した。

払うのは暗号資産、店に入るのは円

お金の流れは三段に分かれる。旅行者は Binance Pay の残高から支払う。Binance Pay の側では、USDT(米ドルに連動するステーブルコイン)が裏側の決済に使われる。HIVEX(海外の決済サービスを日本の加盟店網につなぐ接続基盤)が PayPay との間で決済し、PayPay が加盟店に円で支払う。

初報の段階では「USDT で支払える」と伝えられた。Binance はその後 Cointelegraph に対し、利用者は100種類を超える暗号資産で払え、USDT は裏側の決済の層として使われると説明した。旅行者が選ぶ通貨と、事業者の間を流れる通貨は別のものになっている。

店の側で変わることはほとんどない。PayPay によると、MPM(店の QR コードを客が読み取る方式)と CPM(客のスマートフォンに出したコードを店が読み取る方式)の、どちらの加盟店でも使える。Binance は Cointelegraph に、加盟店が個別に申し込む必要はないとも話した。PayPay を置いている店は、その日から暗号資産を持った旅行者を客として迎えられる。暗号資産を預かるウォレットも、値動きを記録する会計の手当ても、店には要らない。

HIVEX の接続先に暗号資産の決済サービス

HIVEX は、米国の TBCASoft が開発した決済の相互接続の仕組みだ。各国の決済サービスが、それぞれの審査や管理のルールを保ったまま、別の国の加盟店網につながれる。PayPay は2018年10月のサービス開始時から、訪日客が自国の決済アプリで PayPay 加盟店に払える環境を整えてきた。2025年9月に中国の WeChat Pay を加えた時点で、つながる海外サービスは14の国と地域の26に達していた。Alipay、Kakao Pay、GCash などの決済アプリや銀行アプリが並ぶその列に、暗号資産の取引所が運営する決済サービスが加わった。Binance は、HIVEX 経由で PayPay 加盟店につながった暗号資産の決済サービスは自社が初めてだとしている。

この接続は2か月前に予告されていた。TBCASoft と Binance Pay は8月5日、HIVEX を通じた協業を発表し、2026年第3四半期に日本から始めると説明していた。開始日の9月30日は、その第3四半期の最終日にあたる。

8月の発表は役割の分け方も示していた。本人確認、マネーロンダリング対策、制裁対象の照合は Binance Pay が利用者の側で担う。加盟店の審査と決済は、HIVEX と、各国で許認可を持つ受け入れ事業者が担う。決済網どうしを一か所でつなぐ設計なので、店ごとの契約を結び直さずに、数百万か所の加盟店へ一度に届いた。

PayPay が持つ二つの入口

PayPay と Binance の関係は、今回が初めてではない。PayPay は2025年10月、国内で暗号資産交換業を営む Binance Japan に40%を出資し、持分法適用会社にしたと発表した。同年11月には、Binance Japan の販売所で PayPay マネーから入金して暗号資産を買い、売った代金を PayPay 残高に戻せる連携が始まり、2026年4月には取引と切り離して入出金できる形に広がった。

これで PayPay の画面の先には、二つの入口が並んだことになる。日本に住む人には、国内の登録業者である Binance Japan で円を入れて暗号資産を売買する入口がある。日本を訪れる人には、Binance Pay で暗号資産のまま払う入口がある。境目は、使う人がどこに住んでいるかで引かれている。暗号資産を支払いに使う経路は、訪日客の決済という形で先に日本の店頭へ来た。

同じ形は米国にも現れている。Citi と Coinbase は9月28日、Citi の法人顧客がステーブルコインで支払いを受け、ドルで入金される仕組みを米国で始めると発表した。どちらの場合も、店は暗号資産を持たず、換金と決済は決済網の側が引き受ける。ステーブルコインが日常の支払いに入り込む速さを決めているのは、発行の規模よりも、既存の決済網のどれだけ多くのレジにつながるかだ。

日本の次に名指しされる市場

確認先は二つある。一つは PayPay のプレスリリース一覧だ。HIVEX 経由の連携先に暗号資産系のサービスがもう一つ並ぶか、日本に住む利用者向けに支払いの機能が語られるかが、ここに先に出る。もう一つは TBCASoft の発表で、8月の協業発表は今後、支払いの場面や市場を広げるとしていた。日本の次にどの市場を名指しするかで、今回の接続が日本だけの取り組みか、地域全体の手始めかが分かる。訪日客の支払いのうち Binance Pay がどれだけを占めるかは、PayPay と親会社ソフトバンクの次の決算発表で数字が示されるかどうかを見たい。

ことば

  • HIVEX — TBCASoft が開発した決済の相互接続の仕組み。各国の決済サービスを、それぞれの審査や管理のルールを保ったまま他国の加盟店網につなぐ。PayPay は訪日客向けの連携にこれを使っており、今回の Binance Pay もこの上に載った。
  • 持分法適用会社 — 出資先の経営に重要な影響を与える立場にある会社のこと。子会社のように全体を連結はしないが、出資比率に応じた損益を自社の決算に取り込む。PayPay にとって Binance Japan の業績は、自社の数字の一部になっている。
  • 裏側の決済の層 — 利用者が選ぶ支払い手段とは別に、事業者の間でお金を受け渡すために使う通貨や仕組みのこと。今回は旅行者が100種類超の暗号資産から選び、事業者の間は USDT で決済し、店には円で入る。

🔗 一次ソース

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