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SNAPSHOT 2026-10-12 07:30 JST

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📡 Signal|Samsung Wallet の USDC 送金、チェーンは Solana と Sui

Samsung Wallet が10月最終週から米国で USDC 送金を開始。Samsung の発表文は対応チェーンに Solana と Sui の両方を挙げ、保管は Bastion と Coinbase が担う。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Samsung Wallet の USDC 送金、チェーンは Solana と Sui

Samsung Electronics America は10月7日、Samsung Wallet にステーブルコインの機能を載せ、10月最終週から米国の対象 Galaxy 端末で USDC の送金を始めると発表した。発表文が対応ネットワークとして名前を挙げたのは Solana と Sui の 2 つで、USDC の保管は Bastion と Coinbase が担う。

スマートフォンに最初から入っている財布が、ドル建てステーブルコインの送金口になる。LiveMakers は8日、Coinbase の告知をもとに初期報を出したが、その時点で分かっていたのは「USDC が初の対応ステーブルコインとして入り、米国で近く使えるようになる」ところまでだった。その後に出そろった Samsung・Solana 財団・Sui 財団の 3 つの発表文を突き合わせると、開始時期、保管の仕組み、送金先、そして下で動くチェーンの顔ぶれが見えてくる。

Samsung の発表文が並べた 2 つのチェーン

Solana 財団は10月7日付の発表で、Samsung Wallet と Samsung Pay が Solana 上のステーブルコインに対応すると書いている。Sui 財団も翌8日付で、Samsung Wallet が Sui をブロックチェーン基盤のパートナーに選んだと発表した。両財団の発表は、互いの名前に触れていない。

当事者である Samsung の発表文はこう書く。USDC の機能は Bastion と Coinbase とともに運営し、インフラとブロックチェーン・ネットワークの支援は、必要な技術を持つ別のパートナーが提供する。そこに含まれるのが Solana と Sui だ。単一のチェーンに絞らず、少なくとも 2 つを下に敷く設計になっている。

両財団の発表には、Samsung のデジタルウォレット責任者 Woncheol Chai 氏のコメントが載っている。文面はほぼ同じで、最後の一文だけが「Solana helps us」と「Working with Sui helps us」に入れ替わっている。Samsung 側から見れば、どちらも同じ機能を支える部品の一つという位置づけだ。

主要チェーンと並べると、保管を担う Coinbase には自社が立ち上げた Ethereum のレイヤー 2、Base がある。USDC も Ethereum をはじめ複数のチェーンで流通している。それでも Samsung の発表文に Base や Ethereum の名前は無い。発表文の書き方は「含まれる」で、2 つに限るとは書いていないため、対応チェーンが後から増える余地は残る。

チェーンの選び方が利用者に効いてくるのは送金先だ。Samsung の注記によれば、送れる相手は「Samsung Wallet が対応するブロックチェーン・ネットワーク上の USDC」を扱う外部のウォレットや取引所口座に限られる。受け取る側が Solana か Sui の USDC を受けられなければ、外部ウォレットへの送金は成立しない。

保管は Bastion と Coinbase、Samsung は資金を持たない

送金の枠組みを動かすのは Bastion という会社で、Samsung は「米国の金融規制当局の監督下にある、免許を持つステーブルコインのカストディアン兼インフラ事業者」と紹介している。発表文の会社概要によれば、Bastion はニューヨーク州の信託会社の認可を持ち、米通貨監督庁 (OCC) からは全米信託銀行の認可について予備的な条件付き承認を得ている。出資者には Andreessen Horowitz と Coinbase Ventures が名を連ねる。

Coinbase は Bastion の公式サブカストディアンとして、Samsung Wallet 内の USDC をすべて Coinbase Prime Vault で保管する。8日の告知にあった「powered by Coinbase」の中身は、この保管の役割だ。Samsung と Coinbase の協業としては、Coinbase アプリへの Samsung Pay 追加、Samsung Wallet 経由の Coinbase One 特典に続く段になる。

Samsung 自身は注記で、銀行でも送金業者でもデジタル資産のカストディアンでもなく、顧客の資金を持たないと明記している。口座・保管・資金移動は規制下のパートナーが提供し、Galaxy 端末は送金を始めるときの生体認証の入口を受け持つ。Chai 氏は、別のアプリを入れたり秘密鍵を自分で管理したりせずに使い始められる点を強調した。保管は事業者に任せる設計で、利用者が鍵を持つ自己管理型の財布とは性格が違う。

なお、USDC の発行体である Circle は、Samsung の発表文に提携先として名前が出てこない。

送金先は外部ウォレットと 60 か国超の銀行口座

使えるのは、Samsung アカウントを持つ 18 歳以上の米国居住者で、Android 13 以上の対応 Galaxy 端末が要る。本人確認と生体認証の登録も前提になる。発表文がうたう 8,200 万台は、注記によれば「米国で Samsung Wallet に対応する Galaxy 端末の台数」で、利用者数ではない。

送金先は 2 通りある。一つは国外を含む対応ウォレットへの USDC 送金で、Samsung は手数料を取らない。ただし受け取り側のウォレットや取引所が独自に手数料を取ることはあり、着金の速さはネットワークの状況に左右される。もう一つは 60 か国超の銀行口座への送金で、受取人は現地通貨で受け取れる。こちらは送金先の国と金額に応じた手数料がかかり、送る前にアプリに表示される。

Sui 財団は、Sui のガスレス送金によってネットワーク手数料ゼロで USDC を動かせると説明し、SUI トークン自体は Samsung Wallet で扱わないとしている。チェーンごとに手数料の設計が違う以上、利用者が送金先のチェーンをどこで選び、画面でどう示されるかが使い勝手を分ける。

店頭決済の扱いは、発表元によって書き方が違う。Solana 財団は Samsung Pay も Solana 上のステーブルコインに対応すると書くが、Samsung の発表文はオンラインや店頭でのステーブルコイン決済を「将来の機能に含まれうる」と位置づけ、各国の規制に沿って米国外へ広げる可能性にも触れている。10月末の開始時点で入るのは送金で、決済はその先の段階と読むのが発表文に沿った理解になる。

10月最終週に確かめる点

Samsung は、ステーブルコインの規制枠組みが整ったことを受けての投入だと位置づけている。端末メーカーの財布が特定のチェーンに賭けず、規制下の保管業者を前に立て、チェーンは裏側の部品として複数並べる。暗号資産を知らない利用者に届けるための組み方として、この順序は筋が通っている。

確認できる次の一点は、10月最終週の提供開始時に Samsung Wallet アプリの送金画面と Samsung Mobile Press の続報がどこまで明かすかだ。送金先のチェーンを利用者が選ぶのか、Solana と Sui 以外のネットワークが並ぶのか、銀行送金の対象国一覧に何か国が載るのか。発表文は対象国の一覧をアプリ内に表示するとしており、開始日にそこで数を確かめられる。

ことば

  • サブカストディアン — 資産の保管を引き受けた事業者が、実際の保管をさらに別の事業者に委ねる時の受託先。今回は Bastion が保管責任を持ち、USDC そのものは Coinbase の保管庫に置かれる二段構えになっている。
  • ガスレス送金 — ブロックチェーン上の取引で通常かかるネットワーク手数料 (ガス代) を、送り手が払わずに済む仕組み。送り手が手数料用のトークンを別に買って持つ必要がなくなり、一般の利用者がつまずきやすい手間が一つ減る。
  • 対応ウォレット — Samsung Wallet から USDC を送れる外部の財布や取引所口座。Samsung Wallet が対応するチェーン上の USDC を受け取れることが条件で、チェーンが合わない相手には送れない。

🔗 一次ソース

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