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📡 Signal|企業物価の上昇率、コメ急落で6.8%に鈍化
9月の国内企業物価は前年比6.8%と4か月ぶりに7%を割った。押し下げはコメで、輸入物価は契約通貨ベースで上昇が続く。
日本銀行が10月13日に公表した9月の国内企業物価指数 (速報) は、前年同月比6.8%の上昇だった。8月の7.6%から鈍り、6月から続いた7%台を4か月ぶりに下回った。前月比は0.3%の下落で、2か月続けて下がった。
鈍化の大半はコメの値下がりで説明できる。輸入する原材料の値上がりは、外貨建てでは9月も続いており、企業間の物価の高さそのものが崩れたわけではない。初期報は 速報 で伝えた。
押し下げたのは農林水産物
前月比0.3%の下落のうち、農林水産物が0.42ポイント分を押し下げた。日銀が挙げた主な品目は玄米、精米、豚肉だ。農林水産物は前月比8.8%下がり、前年比も8月の1.5%の上昇から13.3%の下落へ転じた。石油・石炭製品も0.15ポイント押し下げた。
ロイターがまとめた市場予想の中央値は前年比7.6%で、結果はこれを大きく下回った。ただ、予想とのずれのほとんどは、1つの類別の急な値下がりから来ている。
前年比で高いままの類別
前年比で見ると、上昇の幅が大きい類別は残っている。
- 非鉄金属 — 40.2%上昇 (8月は43.3%)
- 情報通信機器 — 15.3%上昇
- 石油・石炭製品 — 11.5%上昇 (8月は14.7%)
- 電力・都市ガス・水道 — 10.5%上昇 (8月は8.2%)
1年前の2025年9月、国内企業物価の上昇率は2.8%だった。2026年3月の3.0%から4月に5.5%へ跳ね、5月には6.8%に達した。9月の6.8%は、その5月と同じ水準に戻ったにすぎない。指数の水準は2020年平均を100として135.7で、2020年から3割5分ほど高い。
輸入の側は外貨建てで上昇が続く
国内の物価の先にある輸入物価は、別の姿を見せる。円ベースの輸入物価は前年比24.5%の上昇で、8月の25.1%からわずかに縮んだ。一方、ドルなど契約通貨ベースでは前年比17.9%で、8月の16.8%から広がった。前月比も契約通貨ベースで1.0%上がり、石油・石炭・天然ガスが0.69ポイント分を押し上げた。主な品目は液化天然ガス、ナフサ、ジェット燃料油だ。
円ベースで前月比0.2%の下落にとどまったのは、為替の動きが効いたためだ。日銀の参考値で、ドルに対する円は前月比1.5%の円高だった。燃料の外貨建ての値上がりを、円高が打ち消した形になる。円高が止まれば、この打ち消しは消える。
輸出物価も円ベースで前年比17.9%上がった。前月比で最も押し上げたのは電気・電子機器で、メモリの集積回路が主な品目に挙がった。
次に見るもの
確認先は2つある。1つは10月29日〜30日の日銀の金融政策決定会合で、公表される経済・物価の見通しが、コメの値下がりと燃料の値上がりのどちらに重みを置くかを見る。もう1つは11月12日の10月分の企業物価指数で、農林水産物の下落が続くのか、契約通貨建ての輸入物価の上昇が国内の価格へ移り始めるのかが分かる。
ことば
- 国内企業物価指数 — 企業どうしが取引するモノの価格を日銀が毎月まとめた指数。消費者物価より先に原材料やエネルギーの値動きを映すため、物価の先行きを見る材料になる。
- 契約通貨ベース — 輸入や輸出の価格を、円に換算せず、ドルなど実際の取引に使った通貨のまま測ったもの。為替の影響を除いた、海外での値動きそのものを表す。
- 寄与度 — 全体の変化率のうち、それぞれの類別がどれだけ動かしたかを表す数字。農林水産物の -0.42 は、全体の -0.3% をその分だけ押し下げたことを意味する。
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