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SNAPSHOT 2026-10-14 12:03 JST

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📡 Signal|英高等法院、押収 6 万 1,000 BTC の被害者請求に中国法を適用

英高等法院が押収した 6 万 1,000 BTC 超をめぐる中国の詐欺被害者の請求に中国法を適用。英政府が大半を保持する可能性が高まったと報じられた。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|英高等法院、押収 6 万 1,000 BTC の被害者請求に中国法を適用

英イングランド・ウェールズ高等法院は10月12日付の判決で、英当局が押収した 6 万 1,000 BTC 超をめぐり、中国の投資詐欺の被害者が起こした請求には「中国法が適用される」と判断した。ターナー判事は、契約・損害・投資の行為がいずれも中国で起きたことを理由に挙げた。中国法の中身と効果の判断は、次の段階に持ち越された。

押収されたビットコインは約 38 億ポンド (約 50 億ドル) 相当と報じられ、英国は政府としては米国と中国に次ぐ規模の保有国になっている。被害者が中国法のもとで「このビットコインは自分のものだ」と示すのは難しいとの見方から、英政府がその大半を手元に残す可能性が高まったと英フィナンシャル・タイムズは伝えた。国家が押収したビットコインを誰が最終的に持つのかを、準拠法の選び方が左右し始めている。

判決が決めたこと、決めていないこと

事件は、中国・天津の投資会社「天津藍天格鋭」による詐欺に由来する。判決によると、少なくとも 12 万 8,409 件の投資契約が結ばれ、被害者から集めた資金は約 402 億人民元 (約 41 億ポンド) にのぼった。資金の一部はビットコインに替えられて英国に持ち込まれ、首謀者のジミン・チェン (別名ヤディ・ジャン) 被告は 2025 年 11 月、英国の裁判所で禁錮 11 年 8 月の判決を受けた。

今回の手続は、英国の犯罪収益法 (POCA) にもとづく民事の没収 (民事回収) で、検察局長 (DPP) が申し立てている。被害者側は、押収された資産に対する自分たちの権利を主張しており、判決はその主張をどの国の法律で判断するかという前提の問題だけを決めた。

ターナー判事は、EU 由来の国際私法の規則 (ローマ I・ローマ II) で分析しても、英国の判例法の規則で分析しても、結論は同じく中国法になるとした。英国法が関わるのは、POCA の手続の部分に限られる。一方で、中国法の内容についての証拠はまだ出されておらず、その中身・効果・証明は「後の段階の問題」と述べた。誰がビットコインの所有者かは、まだ決まっていない。

「返金の請求」では足りない

The Block によると、判決は、被害者が求められるのはビットコインそのものに対する所有の権利を示すことで、詐欺師に返金を求める個人的な請求では足りないとした。一部の被害者を代理するドゥアン&ドゥアン法律事務所は、この判断について、被害者が凍結されたビットコインに権利を持ち続けるかは中国法で決まると説明している。

中国の財新は、英国の手続に加わった被害者は約 1 万 6,000 人で、受け取れるのは元本と利息に限られ、ビットコインの値上がり分には届かない可能性があると伝えた。個人の申立人を代理する主幹の法律事務所フィールドフィッシャーは、控訴を検討しているとフィナンシャル・タイムズに話した。

押収から判決までの間に、ビットコインの価値は大きく変わった。被害者が出資したのは 2014〜2017 年で、当時の人民元建ての被害額は約 41 億ポンド相当だった。元本と利息だけが返る形になれば、返還の後に残るビットコインは没収する側に残る。

国家のビットコイン保有に与える意味

ブロックチェーン分析の Arkham は、英政府が保有するとみられるアドレスの合計を 6 万 1,245 BTC (約 51 億ドル) と推計している。この大半が今回押収された資産だ。各国政府の保有では米国、中国に次ぐ 3 番目にあたる。

今回の判決で被害者への返還額が小さくなれば、英国は数十億ドル規模のビットコインを持ち続けるか、売って財政に回すかを選ぶ立場になる。米国は 2025 年に、押収したビットコインを売らずに戦略的な準備として持つ方針を打ち出している。押収資産の扱いが、国家のビットコイン保有の規模を決める入口になっている。

次に見るもの

確認できる次の一点は、英国の判例データベース (Find Case Law) に出る、この判決を受けた命令の内容と、次の審理の日程だ。ターナー判事は命令の具体的な形を当事者の代理人から聴いて決めるとしており、中国法の内容についての証拠の提出もそこから始まる。フィールドフィッシャーが控訴の許可を求めるかも、同じ時期に見えてくる。

英政府の側では、財務省と内務省が押収ビットコインの保有か売却かについて方針を示すかを見る。

ことば

  • 民事回収 (civil recovery) — 刑事の有罪判決とは別に、犯罪で得た財産を国が取り上げる英国の手続。犯罪収益法 (POCA) の第 5 部が定め、今回は検察局長が高等法院に申し立てている。
  • 準拠法 — 国境をまたぐ争いで、どの国の法律で権利を判断するかという問題。今回は、被害者がビットコインに権利を持つかどうかを中国法で判断すると決まった。
  • 所有の権利 (proprietary interest) — 特定の財産そのものを自分のものと主張できる権利。返金を求める権利 (債権) とは違い、認められれば押収された資産から直接取り戻せる。

🔗 一次ソース

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