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SNAPSHOT 2026-10-17 23:03 JST

Signal

📡 Signal|Balaji 氏の Network School、Farcaster を買収へ

Network School が Neynar から Farcaster のアプリとプロトコルのリポジトリを取得へ。Balaji 氏は AI 審査とチェーン上の投票を含む新方針を掲げた。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Balaji 氏の Network School、Farcaster を買収へ

分散型 SNS の Farcaster を運営する Neynar の共同創業者リッシュ氏は10月16日未明 (日本時間)、Balaji Srinivasan 氏の Network School が Farcaster を買収すると Farcaster 上で発表した。Farcaster のアプリ、プロトコルのリポジトリ、関連する製品を Network School に移す。

Neynar が前の運営会社から Farcaster を引き継いでから 9 か月で、運営者が再び替わる。プロトコルは開かれたまま残り、変わるのは参照クライアント (公式アプリ) の運営と、その上の利用規範だ。

買収の発表は速報で伝えた。当事者 2 人の投稿 (キャスト) から、移るものと、新しい運営者が掲げた方針を整理する。

移るのはアプリとリポジトリ

リッシュ氏の投稿は短い。

  • Farcaster のアプリ、プロトコルのリポジトリ、関連する製品を Network School に移す
  • 幅広い売却の手続きを行い、有力な提案を複数受けた。Farcaster は次の段階で「別の運営の形」を必要としている
  • Neynar のチームの大半は Network School に移って Farcaster の開発を続け、リッシュ氏と共同創業者のマナン氏らは別の仕事へ移る

買収の金額、条件、完了の時期は示されていない。Neynar が運営してきたトークン発行サービス「Clanker」の扱いにも触れていない。

Neynar は 2026 年 1 月 21 日、Farcaster を開発してきた Merkle から Farcaster を買収し、プロトコルの維持、クライアントの運営、Clanker の運営を引き継ぐと発表していた。開発者向けの基盤を提供してきた会社が運営者になった体制は、1 年もたたずに終わる。

速報では発表者を「Rich」と記したが、正しくはリッシュ (Rish) 氏だ。

Balaji 氏が掲げた 4 つの段階

発表の約 5 時間後、Balaji 氏は Farcaster 上の長い投稿で、新しい運営の方針を示した。目標は Farcaster のクライアントを、技術を学び、暗号資産を稼ぎ、共同体を楽しめる「家族向けの場」にすることで、そのための手順を 4 つ挙げた。

  • 秩序: 多くの利用者からミュートやブロックを受けてきた一部の常習的な利用者を、人と AI で数百万件の投稿を調べて排除した。誤判定に備えて異議申し立ての手続きを設けた
  • 分散型の民主制: 利用者が暗号資産のウォレットで新しい方針に投票する。投稿の時点で賛成は 92.9%。投票は Base のチェーン上の記録で確かめられる
  • 文書化した「社会契約」: 望ましい振る舞いと望ましくない振る舞いの例を「Network Code」として公開し、更新していく
  • 対面の集まり: 新方針に賛成した利用者を中心に、少なくとも一部はトークンで参加資格を絞った集まりを開く

10月17日の追加の投稿では、1 万票を超えて賛成が 94.4% になったと報告し、Farcaster 上の公共の開発に賞金を出す仕組みを始めるとして、最初の 1,024 ドルを Base で支払ったと明らかにした。

開いたプロトコルと、運営者の規範

Balaji 氏は、Farcaster のクライアントのソースコードを公開しており、プロトコルもすでに開かれていると書いた。新方針に賛成しない利用者は、別のクライアントに投票することも、自分でクライアントをつくることもできる。

制限として挙げたのは名前だけだ。Farcaster、Warpcast、Neynar、Network State、Network School に関わる名前を、コインやトークン、商用の事業に使うことを認めない。プロトコルを裏で使うのは自由だが、アプリや資産を Farcaster と名乗ることはできない、という線引きになる。

分散型 SNS の「分散」は、どこまでがプロトコルで、どこからが運営者の判断かで中身が変わる。今回の買収は、プロトコルの開放性を保ったまま、最も使われているアプリの規範を一人の運営者が強く設計しなおす実例になる。投票がチェーン上で行われる点は新しいが、投票の対象は Network School が示した方針への賛否で、別の案を選ぶ利用者は別のクライアントへ移ることになる。

次に見るもの

確認できる次の一点は、Balaji 氏が示した farcaster.xyz の投票ページ (//vote) と、社会契約のページ (//contract) だ。投票の集計が進んだあと、社会契約の改訂版に AI による判定の基準や具体例がどう書き込まれるかで、規範の運用の実際が見えてくる。買収の完了の時期と、Clanker の扱いが示されるかどうかも、リッシュ氏と Neynar の次の告知で確かめる。

ことば

  • Farcaster — 利用者の ID をチェーン上で管理し、誰でもアプリ (クライアント) をつくれるように設計された分散型の SNS。投稿は「キャスト」と呼ばれ、公式アプリのほかに複数のクライアントがある。
  • Network School — 投資家 Balaji Srinivasan 氏が主宰する、オンラインとオフラインを組み合わせた共同体。氏の掲げる「ネットワーク国家」の構想を実地で試す場で、Farcaster を物理の共同体のデジタルの補完に位置づける。

🔗 一次ソース

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