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SNAPSHOT 2026-10-24 12:03 JST

Signal

📡 Signal|Initia が L1 を停止、MoveVM の未知の不具合でトークン不正発行

Initia が10月23日、L1 とロールアップを停止。共同創業者は MoveVM の実装の未知の不具合でトークンが不正発行されたとの見立てを示した。攻撃者は約 270 万ドル分をブリッジで持ち出したと報じられ、損失は未確定。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Initia が L1 を停止、MoveVM の未知の不具合でトークン不正発行

複数のロールアップを束ねるブロックチェーン Initia は10月23日、セキュリティ上の事故を受けて、自身のレイヤー1 (L1) とつながるロールアップを止めた。停止は協定世界時 15 時 41 分 (日本時間 24 日 0 時 41 分)。共同創業者の Ezaan Mangalji 氏は、仮想マシン MoveVM の実装に、これまで知られていなかった不具合があり、それを使ってトークンが不正に発行された可能性が高いと説明した。

L1 が止まると、その上で動くロールアップも取引を処理できなくなる。1 つの基盤に多くのチェーンを載せる設計は、立ち上げを速くする代わりに、基盤の不具合を全体に波及させる。被害額は、セキュリティ研究者の推計で約 260 万ドル、共同創業者の説明として報じられた額で約 270 万ドル。Initia 自身は、損失の総額をまだ確定させていない。

この停止は速報で報道をもとに伝えた。ここでは、その後に明らかになった原因の見立てと、被害の構図をまとめる。

停止と、原因の見立て

各社の報道によると、Initia は10月23日の声明で、L1 とロールアップの停止が協定世界時 15 時 41 分 30 秒に効力を持ったと確認した。バリデーター、取引所、セキュリティの専門家と影響の範囲を調べているとし、非公式のリンクや情報に注意するよう利用者に呼びかけた。声明は、損失の額や脆弱性の中身には触れていない。

原因について踏み込んだのは、共同創業者の Mangalji 氏だ。FinanceFeeds などによると、同氏は Cosmos SDK 上に組んだ MoveVM の実装に、未知の (ゼロデイの) 不具合があったとの初期の見立てを示した。この不具合で、本来は発行できないトークンが発行されたという。Initia の基軸トークン INIT には、この不具合は当てはまらないとしている。

発行された資産が、ブリッジの裏付けを持ち出した

最初に異変を指摘したのは、セキュリティ研究者の Spreek 氏だ。攻撃者がトークンを不正に発行し、約 260 万ドル分を別の資産に換えたと報告した。報道によると、攻撃者は停止の前に、ステーブルコインの AUSD と ETH、USDC をあわせて約 270 万ドル分、Ethereum へブリッジで持ち出した。

構図はこうだ。Initia の上の AUSD や ETH、USDC は、別のチェーンにある本物の資産をブリッジが預かり、その裏付けで発行されている。不具合で裏付けのないトークンを刷れば、それをブリッジに戻して、預けられている本物の資産と交換できてしまう。損をするのは、同じブリッジに資産を預けていた利用者の側になる。停止は、この流出を止めるための措置でもあった。

Cosmos 系のチェーンは、Ethereum のように 1 つの基盤を多くのロールアップが共有する形とは別に、独立したチェーンどうしをつなぐ設計で広がってきた。Initia はその上で、ロールアップを束ねる L1 を目指した。基盤の仮想マシンに穴があれば、上に載るロールアップの数だけ止まる範囲が広がる。今回の停止は、その設計の重さを示した。

次に見るもの

確認先は Initia の公式 X と公式ブログで、事故の報告書が出るかを見る。そこで示されるべき点は 4 つある。脆弱性がどのコードの経路にあったか、不正に発行された資産の総量と、外へ持ち出された資産との突き合わせ、修正が済んだか、そしてバリデーターに更新を求めるかだ。再開の日時と、ブリッジに資産を預けていた利用者の扱いが示されるまで、損失の負担の行方は決まらない。

ことば

  • ロールアップ — 取引の処理を基盤のチェーンの外でまとめて行い、結果だけを基盤に記録する仕組み。Initia では、多くのロールアップが同社の L1 につながって動く。
  • MoveVM — プログラミング言語 Move で書かれたスマートコントラクトを動かす仮想マシン。資産の扱いを厳密にする設計で知られ、Initia は Cosmos SDK 上にこれを組み込んでいる。
  • ブリッジ — 別のチェーンの資産を預かり、その裏付けで同じ価値のトークンを発行する仕組み。裏付けのないトークンを持ち込まれると、預けられた本物の資産が流出する。

🔗 一次ソース

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