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SNAPSHOT 2026-10-23 23:03 JST

Signal

📡 Signal|Microsoft、中国国家系集団が AI エージェントで数百組織を攻撃と公表

Microsoft が、中国国家と連携する Storm-0940 が AI エージェントの侵入テストの枠組み ARTEX で数百組織を攻撃したと公表。ConnectWise 経由で2,250超の利用企業の環境を狙った。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Microsoft、中国国家系集団が AI エージェントで数百組織を攻撃と公表

Microsoft の脅威分析部門は10月21日、中国国家と連携する攻撃集団「Storm-0940」が、AI エージェントで侵入の手順を自動化する公開ソフト「ARTEX」を使い、世界の数百の組織を攻撃していたと公表した。遅くとも9月から使っており、標的を定めてから組織のクラウドの特権を握るまで3時間かからなかった例が複数あった。

人が手作業で回していた偵察、パスワードの総当たり、権限の乗っ取りを、AI のエージェントが休まず並行して進める。Microsoft はこの集団が、業務ソフト大手 ConnectWise のクラウドバックアップを足がかりにした供給網の侵害にも関わったと評価している。攻撃の速さが人の監視の速さを上回り始めたことを、具体的な数字で示した報告だ。初期報は22日の 速報 で伝えた。

ARTEX は何をする道具か

Microsoft の説明では、ARTEX はどの AI モデルでも使えるオープンソースの侵入テストの枠組みだ。大規模言語モデルで動く複数のエージェントが、偵察からデータの持ち出しまでの侵入テストを、人の手をほとんど借りずに自律的に進める。見つけた資産と脆弱性は、テストの途中でグラフの形に積み上げていく。画面と出力は英語が既定で、韓国語、中国語、スペイン語、日本語に切り替えられる。

本来は守る側が自社の弱点を探すための道具だ。それを攻撃者がそのまま使えば、試行の回数と速さが人の限界から外れる。Microsoft によれば、10月には韓国の金融機関を狙った個人情報の侵害にこの枠組みが使われたと報じられており、複数の地域の攻撃者が ARTEX を使っていることも確認している。

ConnectWise を足がかりに、2,250超の利用企業へ

ConnectWise は10月16日、クラウドバックアップの製品への不正アクセスの試みについて最初の告知を出した。Microsoft によると、Storm-0940 はこの不正アクセスの後、ARTEX を使って2,250を超える利用企業のクラウド環境 (テナント) へのサインインを試みた。ConnectWise のアプリがもともと利用企業の環境で持っていた信頼を使い、ユーザーの対話的なログインを経ずに入り込もうとした。

機械の速さは、パスワードの総当たりの記録にも出ている。

  • 期間: 10月10日〜14日
  • 標的: 8組織の327アカウント
  • 失敗したログイン: 15万1,000件超
  • ピーク: 10月11日に1分あたり2,900件、1日で11万1,000件超

この総当たりの攻撃で成功したログインは確認されていない。一方で、ARTEX を使った攻撃全体では、多くの組織でクラウドへの特権的な足場を短時間で築いたとしている。標的の業種は航空宇宙・防衛、自動車、化学、エネルギー、金融、政府、法律、製造、メディア、半導体、ソフトウェアなどに広がる。Microsoft は、今回の活動は自社のシステムや製品の侵害・脆弱性によるものではないと明記した。

監視と承認の「間」が攻撃面になる

国内では、JPCERT/CC が連続する不正アクセスで攻撃者の AI 利用を確認したと公表している (10月16日の記事)。今回の報告が示したのは、AI が文面を作る段階を越え、侵入の作業そのものを回す段階に入ったことだ。

狙われたのは、人のパスワードよりも、業務ソフトのアプリが持つ権限と信頼だった。利用企業が一度承認した外部アプリの権限は、日々の監視の外に置かれやすい。Microsoft の推奨は、該当する ConnectWise のアプリの接続を止めたまま、証拠を消さずに残し、少なくとも10月15日以降、できれば10月1日以降のアプリのサインイン記録と、認証情報の追加・権限の割り当ての記録を調べることだった。

次に見るもの

確認先は2つある。1つは ConnectWise の告知の更新で、利用企業向けの復旧手順と、影響を受けた企業の数がいつ示されるかを見る。もう1つは Microsoft の脅威分析部門の続報で、ARTEX を使う他の集団の名前と、日本の企業や組織が標的に含まれていたかどうかが示されるかを見る。

ことば

  • Storm-0940 — Microsoft が付けた攻撃集団の呼び名。「Storm」は正体の評価が固まる途中の集団に付ける名前で、Microsoft はこの集団を中国国家と連携し、2021年から活動していると見ている。
  • テナント — クラウドのサービスの中で、1つの企業や組織に割り当てられた独立した環境。今回は ConnectWise のアプリがつながっていた利用企業のテナントが狙われた。
  • パスワード・スプレー — 多くのアカウントに、よく使われるパスワードを少しずつ試す攻撃。1つのアカウントに集中しないので、ロックや検知をすり抜けやすい。

🔗 一次ソース

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