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📡 Signal|中国商務省、AI・太陽光など40技術を輸出禁止・制限の目録に追加へ
中国が AI・太陽光・生物医薬の40技術を輸出禁止・制限の目録に加える改定案を公表。事前登録は即日開始。公開済みのオープンソースの AI 技術は対象外とする案。
中国の商務省と科学技術省は10月16日、輸出を禁止・制限する技術の目録を改定する案を公表し、人工知能 (AI)、生物医薬、太陽光発電の 3 分野で計 40 の技術を新たに加える方針を示した。内訳は AI が 23、太陽光が 12、生物医薬が 5 で、うち 14 を輸出禁止、26 を輸出制限とする。
目録の改定は意見募集の段階だが、対象の技術を輸出する前に商務省へ登録する臨時の手続きは、公告の日から始まった。中国が強みを持つ太陽光の製造技術と、急速に伸びる AI の技術を、国の管理の下に置く動きだ。
初期報は速報で伝えた。商務省の報道官の説明から、中身を整理する。
40 技術の中身
公告は 2026年第48号。商務省の報道官は、例として次の 2 つを挙げた。
- 輸出禁止の案: AI を使った悪意あるプログラムの生成と変異の技術
- 輸出制限の案: AI を使ったソフトの脆弱性 (セキュリティ上の穴) の発見の技術
中国の経済紙「21世紀経済報道」によると、AI の 23 技術は、大規模なモデル、AI エージェント、計算資源の集積 (算力クラスター)、情報処理に関わる分野にわたる。意見募集の期間は11月15日までだ。
太陽光の 12 技術は、ポリシリコン (多結晶シリコン) の製造、シリコンウエハーの製造、電池 (セル) の製造に関わるもので、技術を載せた中核の製造装置も管理の範囲に入る。報道官は理由として、太陽光の技術が宇宙、国防、無人機器、高い安全性が求められるインフラなどの分野に広がり、輸出による国家安全上のリスクが高まっていることを挙げた。生物医薬の 5 技術は、細胞・遺伝子治療、小さな核酸の薬、病原微生物に関わる。
即日始まった事前登録
目録の改定が正式に施行されるまでの間、公告に載った技術を輸出する事業者は、商務省のシステムで技術貿易の情報を登録しなければならない。対象は、技術の所有権を海外に移す場合、国内の技術を海外での使用のために使用許諾する場合、技術を持つ国内の主体が外国の主体に変わる場合などだ。すでに始まって完了していない輸出も対象になる。
報道官は、改定は対外貿易法に基づく通常の作業で、「特定の国、地域、実体を対象にしたものではない」と説明した。
オープンソースは開いたまま
AI については、管理と同時に開放の姿勢も打ち出した。報道官によると、中国はオープンソース、オープンな利用、協力と共有を奨励する。すでにオープンソースや学術発表で公開された技術は、輸出管理の対象から外す案だ。オープンソースでの公開、海外で自ら運営する計算センター、海外でのチップ製造、共同研究、国際標準づくりに伴う AI 技術の輸出には、自動的に許可を出す便宜措置を使えるとし、ほぼ「報告すれば出せる」扱いになるという。
この組み合わせは、中国の AI の戦略をよく表している。モデルの重みを公開するオープンソースは、中国の AI 企業が世界で使われるための主要な経路だ。今回の案は、公開したモデルは自由に広げつつ、攻撃に使える技術や、計算資源の集積など非公開の中核の技術は国の手元に残す線を引こうとしている。
太陽光は、ポリシリコンから電池までの製造で中国が世界の生産の大半を握る分野だ。米国や欧州、インドなどが自国に工場を作ろうとする中で、その工場を動かす技術と装置の持ち出しを登録制にすれば、各国の国内生産の計画は中国側の許可の運用に左右されやすくなる。報道官は、管理の範囲は限られており、基準に届かない技術や目録にない装置は従来どおり自由に輸出できるとしている。
次に見るもの
確認できる次の一点は、11月15日の意見募集の締め切りの後に商務省が公表する正式な目録だ。40 技術の範囲と、太陽光の装置の基準がどこまで残るかを見る。それまでの間は、海外で太陽光の工場を建てる中国企業の案件で、登録による遅れが出るかどうかが目安になる。
ことば
- 中国禁止出口限制出口技術目録 — 中国が輸出を禁止または許可制にする技術を並べた一覧。対外貿易法に基づき商務省と科学技術省が定め、技術の売却や使用許諾など、物ではなく技術の移転を管理する。
- ポリシリコン (多結晶シリコン) — 太陽光パネルの材料になる高純度のシリコン。これを薄く切ったウエハーから電池 (セル) を作る。製造の大半が中国に集中している。
🔗 一次ソース