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📡 Signal|高市総理、サイバー関係閣僚会議で AI 脆弱性点検の前倒しを指示
高市総理が第 1 回のサイバーセキュリティ関係閣僚会議を開き、来週中に緊急対策パッケージをまとめると表明。高性能 AI による脆弱性点検の前倒しや、無害化措置を含む対処を指示した。

高市総理は10月26日、総理大臣官邸で第 1 回のサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議を開いた。国内の企業への攻撃で大規模な情報漏えいが相次いでいることを受けたもので、総理は来週中をめどに政府の「緊急対策パッケージ」をまとめると表明し、各大臣に財政措置を含めた検討を指示した。
指示の柱の一つは、高性能 AI を使ったシステムの脆弱性の点検を前倒しすることだ。政府自身のシステムも対象に入る。攻撃を受けた企業への支援から、攻撃者の特定と「アクセス・無害化措置」まで、対処の全段を一度に並べた会議になった。
総理の指示: 相談・情報・点検・対処
官邸が公表した発言の要旨から、指示を 4 つに分けて拾う。
- 被害企業への支援 — IPA (情報処理推進機構) と警察の相談対応を充実させ、どこに相談しても支援を受けられる体制を作る。国家サイバー統括室は経済産業省と組み、初動から復旧まで民間の専門能力を使う仕組みを作る。赤沢経済産業大臣には、中小企業向けの「サイバーセキュリティお助け隊」の拡充を検討させる
- 情報の集約と発信 — 各大臣は、基幹インフラ・重要インフラに限らず、所管する業界の被害企業から情報を集め、国家サイバー統括室に集約する。統括室はそれを分析し、経営層・専門家・国民向けに分けて発信する
- 脆弱性の点検 — IPA の人材が高性能 AI も使って模擬的な攻撃テストを行い、システムの弱点を見つける取組を前倒しする。政府のシステムについても、AISI (AI セーフティ・インスティテュート) の知見を使い、高性能 AI による脆弱性チェックを前倒しで行う
- 攻撃への対処 — 実態を解明した攻撃に対しては、アクセス・無害化措置を含むあらゆる対処の選択肢から戦略的に選んで実行する。古川サイバー安全保障担当大臣の調整の下で、同盟国・同志国と攻撃主体の特定を進める
「重要インフラに限らず」の一言
これまで国の情報集約の仕組みは、電力・通信・金融などの重要インフラを軸に組まれてきた。今回、総理は「基幹インフラ・重要インフラに限らず」と明言し、所管するすべての業界の被害企業から速やかに情報を集めるよう各大臣に求めた。
総理の言う「企業などに対する相次ぐサイバー攻撃」は、重要インフラの事業者に限った話ではない。情報の窓口を国家サイバー統括室の 1 か所に寄せ、そこから受け手を分けて発信する形は、業界の枠を越えて「どこで何が起きているか」をまず国が把握するための設計だ。
自民党は10月22日、官邸主導の「サイバー対処本部」の新設を求める提言を了承していた (10月22日の記事)。その 4 日後に、総理を中心にした閣僚の会議が立ち上がった。
AI で点検し、無害化まで視野に
もう一つの特徴は、高性能 AI を点検の道具として正面に置いたことだ。攻撃側が AI で脆弱性を探せる時代に、守る側も同じ速さで自分の弱点を探さなければ間に合わない。政府のシステムの点検に AISI を関わらせるのは、AI の安全性を評価してきた組織の知見を、防御の現場に持ち込む試みでもある。
アクセス・無害化措置は、10月1日に施行された能動的サイバー防御の関連法で可能になった、攻撃に使われているサーバーに入り込んで無害化する措置だ。GMO インターネットは10月24日、自社のサービスへの攻撃についてこの措置を求め、政府の関係機関に緊急の要請を始めたと公表していた (10月24日の記事)。総理が「あらゆる対処オプション」と言い切ったことで、発動の判断は制度の上の話から、会議で検討する現実の選択肢になった。
次に見るもの
確認先は、来週中をめどに首相官邸と国家サイバー統括室が公表する「緊急対策パッケージ」だ。中小企業向けの相談窓口とお助け隊の予算、AI による脆弱性点検の対象と時期、そしてアクセス・無害化措置を実際に発動するかどうかの記述を見る。財政措置の額が付けば、補正予算の議論にも入ってくる。
ことば
- 国家サイバー統括室 — 2025年に内閣官房に置かれた、国全体のサイバー対策の司令塔。各府省庁や事業者から被害の情報を集め、分析して対策と発信につなげる役を担う。
- アクセス・無害化措置 — 能動的サイバー防御の関連法にもとづき、攻撃に使われているサーバーなどに国が入り込み、攻撃を止める措置。被害が広がる前に攻撃の元を断つ手段として導入された。
- AISI (AI セーフティ・インスティテュート) — AI の安全性の評価手法を研究する日本の機関。今回の指示では、政府のシステムを高性能 AI で点検する取組に知見を提供する。
🔗 一次ソース
