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📡 Signal|モルガン・スタンレー、DTCC の新サービスで米国株と米国債をトークン化

モルガン・スタンレーが、10月28日に稼働した DTCC のトークン化サービスで米国株と米国債をトークンに変換したと公表。署名20社の仕組みが実際に使われ始めた。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|モルガン・スタンレー、DTCC の新サービスで米国株と米国債をトークン化

モルガン・スタンレーは米東部時間11月3日 (日本時間4日朝)、米国株と米国債を DTCC のトークン化サービスでトークンの形に変えたと X で公表した。10月28日に稼働したこのサービスを使ってトークン化を行った「最初の銀行の一つ」だとしている。

DTCC (米証券保管振替機関の持株会社) の仕組みは、署名した利用者が20社という段階から、実際に使われる段階に入った。同じ日には、ソシエテ・ジェネラルがこのサービスのトークン化米国債を担保に受け入れたことも伝えられている (その記事)。株の受け渡しの土台を握る機関の上で、大手行が発行と担保の両側から手を付けた。

モルガン・スタンレーが公表したこと

モルガン・スタンレーの投稿によると、同社は DTCC Tokenization Service (DTS) の稼働を受けて、米国株 (U.S. Equity) と米国債 (U.S. Treasuries) をトークン化された形に変換した。投稿と報道で確認できる範囲では、銘柄、金額、使ったブロックチェーンのネットワークは示されていない。

The Block によると、同社でデジタル資産戦略を率いるエイミー・オルデンバーグ氏は、トークン化された証券を既存の市場の仕組みとつなぐ実地の経験を得たと述べた。同社は自社の代替取引システム (ATS) でトークン化株を扱う時期を2027年1〜3月期と見込んでおり、当初目標の2026年後半から後ろへずれている。今回の変換は、その取引の場を開く前の準備にあたる。

DTCC のサービスは何をするのか

DTCC の10月28日の発表によると、DTS は、子会社の DTC (米国の証券の集中保管機関) が預かる実在の資産について、トークン化した写しを発行する。利用者は、従来の形とトークンの形を相互に変換でき、トークンを自分が選んだデジタルウォレットで受け取れる。トークン化された証券は、元の証券の所有権、投資家保護、経済的な権利をそのまま引き継ぐ。DTC が預かる資産は114兆ドルを超える。

稼働の時点で利用契約に署名した DTC の参加者は20社で、モルガン・スタンレーのほか、J.P. モルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティ、ステート・ストリート、UBS、フィデリティ、Citadel Securities などが名を連ねる。つながっているネットワークは、Canton Network と DTCC 自前の Besu ネットワークの2つで、他のネットワークは2027年に加える。稼働時に対象となった銘柄は34 (稼働を伝えた記事)。

DTCC の発表が数えたのは署名した会社で、実際に取引した会社の数や取引額は示していない。モルガン・スタンレーが「最初の一つ」と名乗ったのは、この空白を自ら埋めた形だ。

トークン化株の「本流」が動き出す

これまでのトークン化株の拡大は、取引所や暗号資産の事業者が自前で発行する形が中心だった。OKX と ICE (ニューヨーク証券取引所の親会社) の取引の場には、上場企業から異議が相次いでいる。

DTCC の仕組みは発想が逆で、DTC が既に預かっている株や国債そのものに、トークンの形を与える。トークンは預かり中の証券の権利をそのまま表すので、別の事業者が出す株の写しとは成り立ちが違う。大手行がこの経路で実際に変換を始めたことは、トークン化株の主流が、銀行と保管機関の側から組み上がり始めたことを示す。

ただし、変換しただけでは市場はできない。トークンを売り買いする場 (モルガン・スタンレーの ATS など) と、担保として受け渡す相手 (ソシエテ・ジェネラルのような受け手) が揃って、はじめて流動性が生まれる。2026年の残りは、発行と担保の実例が何件積み上がるかの期間になる。

次に見るもの

確認先は2つある。1つは DTCC のトークン化サービスのページと発表で、署名した参加者が20社からどこまで増えるか、対象銘柄が34から広がるか。もう1つは、モルガン・スタンレーの ATS でのトークン化株の取り扱い開始で、2027年1〜3月期の予定どおりに動くかが、銀行がトークンを売買の場まで運べるかの試金石になる。

ことば

  • DTCC — 米国の株や債券の清算・決済・保管を担う市場インフラの持株会社。子会社の DTC が証券を集中して預かり、受け渡しの記録を持つ。
  • トークン化 — 株や債券などの権利を、ブロックチェーン上のトークンとして表すこと。持ち主の移転や担保の差し入れを、時間帯を問わず短時間で済ませられる。
  • ATS (代替取引システム) — 取引所の免許を持たずに、株などの売買を仲介する米国の電子取引の場。大手の証券会社が自社の顧客の注文を突き合わせるのに使う。

🔗 一次ソース

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