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📡 Signal|ソシエテ・ジェネラル、DTCC のトークン化米国債を担保に受け入れ
ソシエテ・ジェネラルのプライム・サービス部門が、DTCC のトークン化サービスでトークンにした米国債1,000万ドルを Canton 上で担保として受け入れ、既存のシステムに反映した。

フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルのプライム・サービス部門は、米証券集中保管機関 DTCC のトークン化サービスでトークンにした米国債1,000万ドル分を、Canton 上で適格な担保として受け入れた。Canton Network が11月3日に公表した。担保は同行の既存のバックオフィスとリスク管理のシステムにそのまま反映されたという。
担保の受け渡しは、トークン化が実験から日々の業務に移れるかを測る試金石になる。DTCC のサービスは10月28日に稼働したばかりで、大手行の担保の台帳にトークン化した国債が入ったことで、発行から決済、担保の管理までが一続きにつながり始めた。
10月28日に始まったサービスの、最初の担保
DTCC 傘下の DTC は10月28日、DTC が保管する証券をトークンにする「DTCC Tokenization Service」を稼働させた (稼働の経過)。保有者は従来の形とトークンの形を行き来でき、トークンを好きなデジタルウォレットに送れる。トークンになった証券も、元の証券と同じ所有権、投資家保護、経済的な権利を持つと DTCC は説明している。
対象は、2025年12月に SEC が出したノーアクションレター (法執行を求めないとする当局の回答) の範囲に限られる。ラッセル1000の構成銘柄、主要な指数に連動する ETF、そして米国債だ。接続先のネットワークは現在 Canton と DTCC 自身の Besu ネットワークで、ほかのブロックチェーンへの接続は2027年に予定されている。
Canton Network の DTCC サービス紹介ページで、ソシエテ・ジェネラルの Salim Nemouchi 氏は、トークン化した米国債1,000万ドルを動かしたことを「トークン化した担保が市場参加者の間を移動できることの明確な証拠」と述べた。
担保が、既存のシステムに入ったこと
今回の要点は金額よりも、トークンが銀行の既存の仕組みの中で担保として扱われた点にある。担保は、取引相手が約束を守れない場合に備えて差し入れる資産で、毎日の値洗いと追加の差し入れ (マージンコール) が伴う。トークン化の利点としてよく挙げられる即時の移転や24時間の受け渡しは、担保の台帳とリスクの計算がそれを受け止められて初めて意味を持つ。
ソシエテ・ジェネラルは5月13日の発表で、Canton 上でトークン化した資産を適格な担保として受け入れること、レポ取引 (国債などを担保にした短期の資金貸借) の相手方になること、傘下の SG-FORGE が発行するステーブルコイン CoinVertible を Canton に展開することを計画として挙げていた。今回の受け入れは、その1つ目が実際の担保として動いた形だ。同行は2025年11月、Canton で自社として米国初となるトークン化債券の発行も済ませている。
Canton では10月30日にも、Uber が週末に MMF を換金する試験を終えたと公表された (Uber の試験)。トークン化した国債や MMF を、現金の代わりに担保や資金繰りに使う実例が、同じネットワーク上で積み重なっている。
次に見るもの
1,000万ドルは、米国債の担保市場の規模からみれば試験的な額だ。広がりを測るには、受け入れる側の銀行と、差し入れる側の顧客がどれだけ増えるかを見る必要がある。DTCC はサービスの利用者を順次追加するとしており、署名済みの DTC 参加者は稼働時点で20社だった。
確認先は2つある。1つは、ソシエテ・ジェネラルが5月に計画として示した Canton 上のレポ取引で、同行の発表と Canton Network のニュースルームに初回の約定が出るかどうか。もう1つは DTCC の発表で、2027年に予定する他のブロックチェーンへの接続先と、担保として受け入れる銀行の名前がどこまで増えるかだ。
ことば
- DTCC — 米国の証券取引の清算と決済、保管を担う中核機関。傘下の DTC は114兆ドルを超える資産を保管しており、そこが自らトークン化を担うことは、トークンと既存の所有記録をつなぐ意味を持つ。
- プライム・サービス — ヘッジファンドなどの機関投資家に、証券の貸借、資金の融通、決済、担保の管理をまとめて提供する銀行の業務。担保の受け入れ基準を決めるのはこの部門になる。
- Canton — 金融機関の利用を想定し、取引の当事者以外には内容を見せない設定ができるブロックチェーンのネットワーク。DTCC のトークン化サービスの接続先の1つで、HSBC などが関わる資金決済の試験にも使われている。
🔗 一次ソース
- Canton Network「DTCC Tokenization Service on Canton」 — ソシエテ・ジェネラルの Salim Nemouchi 氏がトークン化米国債1,000万ドルの移動を説明canton.network
DTCC プレスリリース「DTCC Tokenization Service Goes Live」(2026年10月28日) — 対象資産、接続ネットワーク、署名済みの参加者20社、2027年の接続拡大dtcc.com- ソシエテ・ジェネラル / SG-FORGE プレスリリース (2026年5月13日) — Canton 上の担保受け入れ・レポ取引・CoinVertible 展開の計画sgforge.com
- Canton Network 公式 X の告知 (2026年11月3日) — 担保としての受け入れと既存システムへの反映