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📡 Signal|米 OCC、アメックスの銀行部門に3億5,000万ドルの制裁金

OCC は American Express の銀行子会社に3億5,000万ドルの制裁金を科した。約10年で約130億ドルの不審なカード取引を適時に報告できていなかったとしている。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|米 OCC、アメックスの銀行部門に3億5,000万ドルの制裁金

米通貨監督庁 (OCC) は10月8日、American Express の銀行子会社 American Express National Bank に業務改善を命じる命令を出し、3億5,000万ドルの民事制裁金を科した。OCC によると、同行は約10年にわたり、約130億ドル分の「貿易を装ったマネーロンダリング」の疑いがある取引を、適時に見つけて当局へ報告できていなかった。

OCC:OCC Assesses $350 Million Civil Money Penalty Against American Express (News Release 2026-87・2026年10月8日)OCC.gov

舞台は預金口座ではなく、カードの利用と返済の流れだった。OCC の命令は、同行のリスク評価が規模の小さい預金商品に偏り、主力のクレジットカードとチャージカードを十分に見ていなかったと指摘している。決済の主戦場ほど監視が手薄になる、という構図が当局の文書で確定した。

130億ドルはどこを流れたか

OCC の同意命令によると、同行は2014年6月ごろから2025年5月ごろまで、約130億ドルの取引を処理した。中身は不審なカードの利用と、その利用額の返済の組み合わせで、一部は同行の内部関係者にひも付く口座を通っていた。同行はこの間、疑わしい取引の届け出をときどき出してはいたが、仕組みとして見つけ、調べ、十分に報告する体制を欠いていた。

貿易を装ったマネーロンダリングは、商品やサービスの売買の形をとって資金を動かす手口だ。カードの利用は売買そのものに見えるため、加盟店の実態や利用と返済の流れを追わなければ不自然さに気づきにくい。

OCC が挙げた欠陥は広い。専門知識のある人員の不足、内部統制の穴、独立した検証の弱さ、役員と従業員の研修の不足、顧客の確認手続きの甘さ。そのうえで、疑わしい取引の監視と報告に「体系的な破綻」があったと書いた。Jonathan Gould 通貨監督官は声明で、同行は業務のリスクに見合った体制を保てず、法執行機関に重要な情報を届けられなかったと述べている。

FRB も同日に命令、資産上限は付かず

同じ日、米連邦準備制度理事会 (FRB) も親会社の American Express Company と、カード事業の American Express Travel Related Services に業務改善命令を出した。こちらに制裁金はない。制裁金は OCC の命令分で、米財務省に納められる。

American Express は同日の米証券取引委員会への提出書類で、今回の命令は以前から開示していた当局の調査の決着だと説明した。制裁金の一部は過去の期に引き当て済みで、2026年通期の業績見通しには影響しないという。命令は資産の上限を課すものではなく、対応費用も2027年の見通しに響かない見込みだとした。

規制の重さとしては、業容を縛る資産上限が付かなかった点が大きい。一方で、命令は過去にさかのぼった再点検を外部の専門家に行わせるよう求めており、見落とされていた取引が改めて洗い出される。

カードと決済は、暗号資産の取引所や決済事業者が銀行と組むときの入口でもある。疑わしい取引の監視をどこまで求めるかという当局の水準は、銀行のカード事業にとどまらず、決済の担い手全体に効いてくる。

次に見るもの

確認先は2つある。1つは OCC の同意命令の期限で、同行は命令から90日以内、つまり2027年1月上旬までに、改善の行動計画を OCC の検査責任者に出さなければならない。もう1つは American Express が次に出す四半期報告 (10-Q) で、制裁金の引き当てと過去分の再点検の進み具合がどう開示されるかを見る。

ことば

  • 貿易を装ったマネーロンダリング (TBML) — 商品やサービスの売買を装って、犯罪で得た資金を移したり出所を隠したりする手口。請求額の水増しや架空の取引が典型で、カード決済では利用と返済の組み合わせとして現れる。
  • 疑わしい取引の届け出 (SAR) — 銀行がマネーロンダリングなどの疑いがある取引を見つけたときに、米財務省の金融犯罪取締ネットワークへ出す報告。届け出が遅れたり漏れたりすると、捜査当局に情報が届かない。
  • 同意命令 — 金融機関が事実を認めも否定もしないまま、当局の命令に同意して改善を約束する手続き。期限つきの行動計画や外部の点検が盛り込まれる。

🔗 一次ソース

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