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📡 Signal|OpenAI、イラン発の偽記者7人による約100本の寄稿工作を公表
OpenAI は、イラン発のネットワークが ChatGPT で記事を手直しし、架空の記者7人の署名で約100本を十数のネットメディアに載せていたと報告した。
OpenAI は今週公表した報告で、イラン発のネットワークが ChatGPT を使い、架空の記者7人の署名で約100本の記事を世界の十数のネットメディアに載せていたと明らかにした。記事の多くは米国とイランの衝突を扱い、OpenAI は関係するアカウント群を停止した。
工作の重心は SNS の書き込みではなく、記者を名乗って既存メディアに寄稿を通すことにあった。OpenAI はこの件を、生成 AI が編集者の審査を通る文章に磨き上げる道具として使われた事例として描いている。
7人の記者と、約100本の記事
OpenAI は工作を、使われた7つの署名にちなんで「Bogus Bylines (偽の署名)」と名付けた。記者は欧米の人物を装い、多くは米国人、1人はニュージーランド在住という設定だった。記事は国際情勢や地政学、中東を扱う小〜中規模のネットメディアに載り、反戦やリベラルの立場の媒体が含まれていた。OpenAI は掲載した媒体の名前を公表していない。
確認できた最初の記事は2025年7月、最新は2026年10月だった。米イランの衝突が始まってから本数が大きく増え、2026年3月以降は米イラン関係の記事に集中している。
使い方は具体的だ。運用者はペルシャ語で指示を出し、英語の長文記事を ChatGPT に点検させて手直しし、媒体ごとの投稿規定に合わせたうえで、編集者に宛てた売り込みのメールまで作らせていた。所在は VPN で隠していた。OpenAI は、掲載された記事のすべてが自社のモデルで作られたわけではないとも書いている。
誰がやったのかは特定せず
OpenAI は、活動は「請負で影響工作を行う商業的な業者」と整合的だとしつつ、特定の実行者は突き止められていないとした。イラン政府の関与を名指しはしていない。情報は関係当局と共有したという。
SNS の書き込みは別の結果になった。運用者は米国を侵略者、イランを抵抗する被害者として描くコメントを英語とペルシャ語で量産したが、目立った反応はほとんど得られなかった。社内向けの報告では、反応を水増しして見せる計算を使っていた形跡があるという。
影響工作の広がりを1〜6で測る尺度で、OpenAI はこの件の記事掲載を4と評価した。同じ報告では、中南米で偽のシンクタンクを動かしたロシア発の工作「Dark Clark」も取り上げ、同社が摘発した工作として初めて5に置いている。OpenAI はこの2年半で30件の影響工作を公表してきたとし、本物のメディアに記事を通した工作ほど影響が大きいという傾向を示した。
次に見るもの
確認先は OpenAI の脅威報告のページだ。同社は数か月おきに摘発事例をまとめており、次の報告で Bogus Bylines の実行者が特定されるか、掲載した媒体側が記事の取り下げや経緯の説明に動くかを見る。生成 AI の悪用対策が、偽の投稿を消す段階から、寄稿の入口で署名の実在を確かめる段階に移るかどうかが分かれ目になる。
ことば
- 影響工作 (IO) — 身元を偽ったまま世論や政治に働きかける組織的な活動。偽アカウントの投稿だけでなく、偽の記者や偽のシンクタンクを使ってメディアに情報を通す手口も含まれる。
- 署名 (バイライン) — 記事に記される筆者名。今回の工作は実在しない記者の署名を7つ用意し、それぞれの名前で媒体に寄稿を売り込んでいた。
🔗 一次ソース