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📡 Signal|フランス下院財政委、2027年予算の歳入部分を31対3で否決
フランス下院の財政委員会が2027年度予算の歳入部分を反対31・賛成3で否決した。与党議員は金利危機の始まりに言及し、本会議は10月13日から政府案で審議をやり直す。
フランス国民議会 (下院) の財政委員会は10月9日夜、2027年度予算法案のうち税収を定める第1部 (歳入) を反対31・賛成3・棄権2で否決した。賛成に回ったのはマクロン大統領の与党会派だけで、その一人の Paul Midy 議員は審議のなかで、フランスは「おそらく金利危機の始まりにいる」と述べた。票数と発言は、議会チャンネル LCP の報道による。
国民議会:2027年度予算法案 (第3210号) の法案ページAssemblée nationale
委員会の否決で予算が止まるわけではない。それでも、与党の議員が金利の危機を口にしながら賛成票を投じたことは、予算の中身よりも国債市場の目線が政治を縛り始めていることを示している。速報は 10月11日の記事 で伝えた。
否決の中身
国民議会の法案ページによると、2027年度予算法案 (第3210号) は10月1日に提出され、財政委員会には第1部だけで1,830件の修正案が出た。LCP によれば、反対には極右の国民連合、左派の各会派、中道右派の Horizons、保守の共和派 (Droite républicaine) が並び、中道の Les Démocrates は棄権した。
否決の理由は会派ごとに逆を向いている。国民連合は「節約をしない予算」には賛成できないとし、増税に反対した。共和派は「課税の競り上げ」を批判した。一方で与党側は、野党が委員会で付け加えた修正を嘆いた。一般報告者の Philippe Juvin 議員 (共和派) の途中段階の試算では、委員会での修正が通れば財政赤字は約100億ユーロ悪化する。
赤字5%と、金利という重し
フランスの財政の独立機関である財政高等評議会 (HCFP) は、10月の意見で2026年の財政赤字見通しを国内総生産 (GDP) 比5.4%とし、当初予算の5.0%から引き上げた政府の見直しを「もっともらしい」と評価した。2027年の調整を見込んでも赤字は GDP の5%にとどまり、2025年の水準とほぼ変わらないと書き、財政の状況を「憂慮すべき」と表現している。
HCFP は同じ意見で、中東での衝突の継続と金利の全般的な上昇、フランスの債務に固有のリスクの上乗せ、そして予算の成立そのものをめぐる不確実性を、見通しの下振れ要因に挙げた。与党議員の「金利危機」という言葉は、この独立機関の警告と同じ方向を指している。
予算が通らない、あるいは赤字を広げる形で通る見通しが強まれば、国債の利回りに上乗せされる分が増える。財政と金利が互いを押し上げる循環は、日本の超長期金利や英国のギルトでも意識されてきた主要国共通の論点で、フランスはその最前線の1つになっている。
次に見るもの
本会議では、委員会で修正された版ではなく政府の当初案から審議がやり直される。国民議会の日程では、第1部の本会議審議が10月13日から19日まで、第1部全体の採決が10月20日に予定されている。第1部が本会議で否決されれば、法案は第1読会で否決された扱いになる。確認先は国民議会の2027年度予算法案のページで、10月20日の採決結果と、政府が採決なしで法案を通す憲法49条3項に踏み込むかどうかを見る。
ことば
- 第1部 (歳入) — フランスの予算法案は、税収と財政収支の大枠を定める第1部と、省庁ごとの歳出を定める第2部に分かれる。第1部が通らないと第2部の審議に進めない。
- 憲法49条3項 — フランス政府が下院の採決を経ずに法案を成立させられる条項。使えば野党は内閣不信任案で対抗でき、可決されれば内閣は総辞職する。
- 財政高等評議会 (HCFP) — 政府の予算の前提となる成長率や財政見通しが妥当かを点検する独立機関。会計検査院長が議長を務め、予算案ごとに意見を公表する。
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