SNAPSHOT
BTC/USD$82,046+0.7%
ETH/USD$2,439.40+2.5%
Coinbase(perp)$181.76+6.3%
S&P 500(perp)7,746.40+0.8%
米テック100(perp)29,917.00+0.8%
日経225(perp)65,530+1.8%
EUR/USD(perp)1.1221-0.2%
USD/JPY(perp)157.880+0.2%
Gold(perp)$4,174.90+0.3%
WTI(perp)$95.86+3.4%
米10年金利5.10%-1.7%
BTCボラティリティ(BVIV)39.97-0.5%
審査状態: auto_collectedソース: collected_liveas-of 12:03 JSTパケットID: alt20_2026101612トップの市場価格は Hyperliquid 上の先物(perp)価格です(米10年金利は米財務省)
SNAPSHOT 2026-10-16 12:03 JST

Signal

📡 Signal|NEAR、署名網 MPC の運営 17 社に常設の報酬制度

NEAR が MPC 署名網の運営 17 社に、新規発行分から報酬を払う常設の制度を開始。1 ノード月最大 4,600 NEAR、稼働率 99% を割ると減額される。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|NEAR、署名網 MPC の運営 17 社に常設の報酬制度

NEAR は10月15日、他のチェーンの取引に署名する MPC ネットワークの運営者に、プロトコルの新規発行分から報酬を払う常設の制度を始めたと発表した。運営者は 17 社が本番網で稼働している。期限付きの助成金で賄ってきた運営費を、NEAR の保有者が投票で管理する恒久の予算に置き換える。

この署名網は、NEAR の複数チェーンをまたぐ取引の仕組み NEAR Intents を支えている。NEAR Intents の処理額は累計 300 億ドルを超えた。橋渡し役のインフラに、誰がいくら払い続けるかを公開の数式で決めた点が、今回の要になる。

1 ノード月 4,600 NEAR、下限と上限つき

制度の根拠は、NEAR の統治機関 House of Stake で承認された提案 HSP-007 だ。提案書によると、報酬の骨格は次のとおりだ。

  • 1 ノードあたり月に最大 4,600 NEAR。直近 180 日の NEAR の平均価格で換算する
  • NEAR が 1.50 ドルの時に、1 ノード月約 6,900 ドル。内訳は、機器・監視・保守の費用 5,750 ドルに 20% の利益分を乗せたもの
  • NEAR が値上がりしても、ドル換算の支払いは 1 NEAR = 3 ドルの水準で頭打ちにする。払い過ぎを防ぐ上限だ
  • 支払いは月末締めの後払い。新規発行分を保管する treasury.near を財源に、月末から 14 日以内に House of Stake からオンチェーンで送る。毎月の送金は自動ではなく、都度承認して実行する
  • 支払い対象は最大 21 ノード。運営者を入れ替えるにはオンチェーンの投票が要る

17 ノードが満額を受け取ると月 7 万 8,200 NEAR、21 ノードなら 9 万 6,600 NEAR になる (提案書の上限から算出)。

支払いには稼働率の条件が付く。月間の稼働率が 99.0% を下回ると報酬の半分、95.0% を下回ると全額を失う。他の運営者は、相手の稼働率に疑問があれば統治フォーラムで異議を申し立てられる。稼働の結果と支払いは毎月公開される。

17 社の顔ぶれと「11 社」の線

本番網の運営者は Astrostakers、Aurora、Bitwise、Blacksand、Everstake、Greenfield、HashKey Cloud、Klever、Luganodes、MPCH、Nansen、Natsai、Near One、Node Monster、Stakin (The TIE)、Staking4all、SVRN の 17 社だ。9月30日に NEAR の現物 ETF を上場した Bitwise (9月30日の記事) も、署名網の運営者として名を連ねる。

仕組みの中身はこうだ。署名に使う秘密鍵は、信頼できる配り手を置かない分散鍵生成で、運営者の間に分割して持たれる。1 つの署名には一定数の運営者の参加が必要で、NEAR によれば 17 社のうち 11 社が動いていれば署名は続く。止まったノードは検出して迂回する。これで Bitcoin、Ethereum と EVM 系のチェーン、Solana などの取引に、NEAR のアカウントから署名できる。

裏返せば、11 社が足並みをそろえれば署名を出せる設計でもある。運営者の独立性が安全の前提になるため、報酬の安定は単なる運営費の話にとどまらない。提案書は、助成金に頼る状態を「恒久のインフラとして構造的に合っていない」と書いている。

1 月の提案から 9 か月で処理額は 3 倍に

提案書が書かれた2026年1月29日の時点で、稼働中のノードは 9、NEAR Intents の累計処理額は 100 億ドル超だった。15日の発表では、運営者は 17 社、処理額は 300 億ドル超になっている。

処理額が増えるほど、署名網が止まった時や不正に署名された時の損失は大きくなる。9月末には、NEAR Intents が Bitget からの流出資金の交換を拒否した (9月29日の記事)。経路の中に誰が立ち、どんな条件で動いているかは、利用者の資金の安全に直接つながる。今回、その条件の一部である報酬と罰則が、公開の数式になった。

チェーンをまたぐブリッジの多くも、少数の署名者や検証者に依存しており、その運営費の出どころは外から見えにくい場合がある。NEAR はそれを新規発行の予算に正面から載せた。財源が新規発行である以上、費用は NEAR の保有者全体が薄く負担する形になる。

次に見るもの

確認先は House of Stake の HSP-007 の提案ページだ。毎月、対象ノード、稼働率の結果、支払い額、異議申し立てがここで報告される。最初の月次報告で、17 社のうち何社が 99.0% の線を越えたかが分かる。運営者が 21 社の上限に向けて増えるかと、Near One が主導する年 1 回の見直しで報酬の水準がどう変わるかも、同じページで追える。

ことば

  • MPC (マルチパーティ計算) — 1 つの秘密鍵を複数の参加者に分割して持たせ、誰も鍵の全体を知らないまま共同で署名する仕組み。単独の管理者に鍵を預けずに、他のチェーンの資産を動かせる。
  • House of Stake — NEAR の保有者が投票で予算や制度を決める統治の場。新規発行された NEAR の使い道も、ここでの提案と投票で決まる。

🔗 一次ソース

関連記事