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📡 Signal|XRP Ledger、焼却権限で新規発行できた不具合を修正
XRP Ledger で修正 fixCleanup3_4_0 が有効になり、焼却の権限だけを委任されたアカウントが新しいトークンを発行できた不具合が塞がれた。

XRP Ledger のメインネットで11月4日、修正の束「fixCleanup3_4_0」が有効になった。台帳番号 108,112,129 が閉じた世界標準時14時52分 (日本時間23時52分) からで、修正の一つは、トークンを「焼却 (消却) する」権限だけを委ねられたアカウントが、条件次第で新しいトークンを発行できてしまう不具合を塞ぐ。
対象は XRP そのものではなく、XRP Ledger 上で発行されるステーブルコインなどの発行トークンだ。台帳には、発行者が権限の一部を他のアカウントに渡せる「権限の委任」の機能がすでに有効になっており、修正までの間、その不具合は本番の台帳で起こりうる状態にあった。公に確認された悪用の例はない。
「焼却だけ」のはずが「発行」もできた
XRP Ledger の開発者向けサイト xrpl.org の修正一覧は、委任の機能の項に警告を載せていた。fixCleanup3_4_0 が有効になるまでは、細かな権限の一つ「PaymentBurn」を他人に委任しないよう勧めるというものだ。
- 不具合の中身: PaymentBurn の権限を委任されたアカウントが、条件によってはトラストラインのトークンや MPT (多目的トークン) を新しく発行できた
- 影響の範囲: 他の細かな権限には影響がない
- 修正の方法: fixCleanup3_4_0 で、焼却と発行の操作を分けて扱う
焼却の権限の委任は、たとえばステーブルコインの発行者が、償還の事務を担う別のアカウントに払い戻し済みの分を消させる、といった使い方が考えられる。その権限で新しいトークンが作れれば、裏付けのない残高が台帳に現れる。発行トークンの価値は、発行者が供給量を管理していることに支えられている。壊れうるのは、その前提だった。
委任の機能は、2度目の手直し
台帳上の確認では、権限の委任は「PermissionDelegationV1_1」としてメインネットで有効になっている。xrpl.org によると、この V1_1 自体が、最初の実装で見つかった重大な不具合を直すために作り直されたものだ。今回の修正は、その作り直しのあとに残っていた穴を塞いだ形になる。
fixCleanup3_4_0 は委任だけの修正ではない。xrpl.org の一覧によると、単一資産のボールト (Single Asset Vault)、貸し出しのプロトコル、自動マーケットメーカー、許可制の取引所、トラストライン、NFT、MPT、エスクローなど、まだ準備段階のものを含む多くの機能の修正をまとめている。貸し出しのプロトコルとボールトの機能そのものは、11月6日時点でメインネットではまだ有効になっていない。
80%の賛成が2週間続いて有効に
XRP Ledger の修正は、信頼されたバリデーター (取引を検証する参加者) の80%超が2週間続けて支持したときに有効になる。CoinDesk によると、今回の修正は10月にいったん有効化の手前で支持が途切れ、その後の2週間の支持で成立した。
Bitcoin はソフトフォークのたびにマイナーの合図を集め、Ethereum はクライアントの開発チームが日程を決めたハードフォークで仕様を変える。XRP Ledger は、修正ごとにバリデーターの投票で有効化の時期が決まる。不具合の告知から修正までの期間を、発行者は自分では決められず、警告を読んで委任を控えるしかなかった。
次に見るもの
確認先は xrpl.org の修正一覧 (Known Amendments) で、貸し出しのプロトコル「LendingProtocol」と単一資産のボールト「SingleAssetVault」の状態が有効に変わる時期を見る。今回の修正はこの 2 つの機能の土台も直しており、ステーブルコインを預けて貸し出す仕組みがメインネットで動き出すかどうかの前段にあたる。
ことば
- アメンドメント (修正) — XRP Ledger の仕様を変える提案の単位。バリデーターの80%超の支持が2週間続くと、全ノードで一斉に有効になる。
- 権限の委任 — アカウントの持ち主が、送金や焼却など特定の操作だけを別のアカウントに任せる機能。鍵そのものを渡さずに事務を分担できる。
- MPT (多目的トークン) — XRP Ledger で発行できるトークンの新しい形式。トラストラインより単純な形で発行・保有でき、今回の不具合ではこちらも新規発行の対象になりえた。
🔗 一次ソース