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0.03%から2.87%へ——日本の長期金利は、もう「接近」する段階にない
日本の10年国債利回りは、財務省の公表値で7月16日に2.719%。「30年ぶり高水準に接近」と語られるが、一次データはそう言っていない。2026年はすでに2.866%を付け、1997年の水準は後ろにある。接近ではなく、通過だ。どこまで来たかを間違えれば、次に何が起きるかも読み違える。
■ 一次データが示す現在地
財務省の国債金利情報によれば、10年債利回りは7月13日に2.786%、15日に2.697%へ下げ、16日は2.719%。単調な上昇ではない。2026年の最高は2.866%で、現在はそこから0.1ポイント以上、下にいる。
「2週連続の上昇」でも「高水準への接近」でもない。高値を付けたあとに押し戻されている局面だ。なお7月17日分は本稿の時点で未公表である。
■ 1997年は、すでに後ろにある
2026年より前に10年債が2.719%以上を付けた最後の日は、1997年6月5日。当時の値は2.73%だった。日本の長期金利は約29年ぶりの水準帯に「接近している」のではなく、すでにその中にいる。
■ 7年で、別の国になった
構造は年別の最高値に出る。
2019年 0.029% 2020年 0.104% 2021年 0.168% 2022年 0.517% 2023年 0.959% 2024年 1.119% 2025年 2.073% 2026年 2.866%
7年で約100倍。ゼロ金利を前提に組まれた住宅ローン、企業の資本コスト、そして国債費。その全部が、違う前提の上に立たされている。
■ 背景の説明も、点検する
今日の原油は上がっていない。WTIは79.06ドルで下落、Brentは85.05ドルでほぼ横ばいだ。「原油高が長期金利を押し上げている」という説明は、少なくとも本日の値動きとは噛み合わない。
日銀の政策金利は6月会合で1%になった。1995年以来31年ぶりの水準で、植田総裁が入院で欠席するなか7人の賛成で決まっている。基準貸付利率は1.25%。この二つは別の金利であり、取り違えられやすい。次回会合は7月30日から31日。
■ 今後 48-72 時間
・7月17日以降の財務省公表値が2.786%を超えるか、2.7%を割るか ・7月30-31日会合での追加利上げの有無 ・過去最高を更新した家計のインフレ期待が、次の調査で反転するか
金利は「戻ってきた」のではない。1997年を最後に消えた水準が、別の理由で戻っている。同じ数字でも、来た道が違う。
一次ソース:
国債金利情報(財務省・R8.7.16 = 10年 2.719% / 全期間 CSV で 1997-06-05 = 2.73% を確認) https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/index.htm 日銀、31年ぶり政策金利1% インフレ抑制へ内田副総裁「利上げ継続」(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB12BTR0S6A610C2000000/ 日銀6月会合、政策金利を1%に引き上げ(日本経済研究センター) https://www.jcer.or.jp/research-report/20260616-2.html 公表予定(日本銀行・次回金融政策決定会合 7/30-31) https://www.boj.or.jp/about/calendar/index.htm
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