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📡 Signal|日銀の据え置きは全員一致ではなかった——反対票が出した1.25%という数字
日銀は7月31日、政策金利を「1.0%程度」に据え置いた。ただし全員一致ではなく、高田創委員が1.25%への引き上げを提案して否決されている。織り込まれていなかったのは据え置きではなく、引き上げを名指しで提案する一票が出たという事実のほうだ。
日銀は7月31日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物レートを「1.0%程度」に据え置いた。決定は全員一致ではない。賛成8票に対し、高田創委員が反対票を投じ、1.25%への引き上げを提案して否決されている。同じ12時11分に公表された展望レポートは、実質成長率の見通しをほぼ動かさず、物価の見通しだけを下げた。据え置きという見出しの内側は、一枚岩ではない。
その一票の中身
賛成は植田総裁、氷見野・内田の両副総裁、田村、小枝、増、朝田、佐藤の各委員。反対は高田委員ひとりだった。
高田委員の主張は、状況が「新しい局面」に移ったというものだ。海外の動向に由来する需要ショックが物価を押し上げるリスクと、海外の金融環境の変化に対して、機動的な対応が必要になった——だから1.25%へ、という提案である。これが多数決で退けられた。
据え置きそのものは市場の織り込みどおりだった。織り込まれていなかったのは、引き上げを名指しで提案する一票がこの会合で出たという事実のほうだ。
展望レポートが下げたもの、動かさなかったもの
同時公表の展望レポートは、実質GDP成長率の見通しを前回からほぼ変えていない。変えたのは物価で、2026年度の消費者物価(生鮮食品を除く)は前回より低い。理由として挙げられているのは、夏場に実施される政府の電気・ガス料金の負担軽減策だ。
つまりこの下方修正は、物価の実勢が弱まったから出たものではない。政策で押し下げられる分が見通しに反映されただけである。日銀自身、消費者物価のリスクは「上振れ方向に傾いている」と書いている。基調的な物価上昇率が2026年度後半から2027年度にかけて2%目標と整合的な水準まで上がり、その後もその近辺にとどまるという絵は、維持されたままだ。
前提に置かれた原油と、名指しされた中東
見通しの前提として、ドバイ原油は1バレル80ドル前後から、予測期間の終わりに向けて70ドル前後へ下がると置かれている。裏を返せば、この前提が外れたときに真っ先に崩れるのが今回の物価見通しだということだ。日銀は、中東以外の地域から代替の調達先を確保することに伴う輸送コストの増加を踏まえ、日本企業の調達価格は国際市況ほどには下がらないとも書いている。
リスク要因の筆頭に挙げられたのは中東情勢で、金融・為替市場と日本の経済・物価への影響に「特に注意が必要」とされた。次に挙げられたのが世界のAI関連需要の動向と為替である。半導体などの価格上昇をAI関連需要と結びつけ、足元の円安とあわせて耐久財を中心とした値上がり要因に数えている点は、政策文書としては踏み込んだ書きぶりだ。
次に見るもの
展望レポートの全文は8月3日14時、主な意見は8月10日8時50分、議事要旨は9月28日8時50分に公表される。高田委員の提案が単独のまま終わったのか、それとも議論の中で支持に近い発言があったのかは、8月10日の主な意見で最初に見えてくる。
据え置きの回数ではなく、反対票の数を数えるフェーズに入っている。
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