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📡 Signal|Bitcoin Core、AI の走査で見つかった脆弱性 3 件を公表
Bitcoin Core が LLM の走査で見つかった脆弱性 3 件を公表。悪意ある接続相手が Windows・macOS・BSD のノードを停止させられる不具合を含み、修正は 29.5〜32.1 の各版に入った。

Bitcoin Core の開発者は10月28日、公式サイトで脆弱性 3 件の勧告を公表した。3 件とも、Spiral の Elias Rohrer 氏が進める Project Loupe の大規模言語モデル (LLM) による自動の走査で見つかり、修正は 29.5・30.4・31.2・32.1 の各版に入っている。
最も影響が広いのは、悪意あるノードが接続先の Windows・macOS・BSD のノードを簡単に停止させられる不具合だ。Linux で動かすノードはこの件の影響を受けない。3 件はいずれも「簡単に見つけられる」と分類され、10月22日に改めた公表方針に沿って、猶予期間を置かずに修正版と同時に出た。
3 件の中身
勧告ページの記載を並べると次のようになる。
| 不具合 | 深刻度 | 影響 |
|---|---|---|
| TCP の緊急データの扱い | Medium | Windows・macOS・BSD のノードを接続先のノードが停止させられる |
| 一時停止した古い型の接続相手 | Medium | 接続相手ごとにメモリが少しずつ増える |
| undo ファイルのあふれ | Low | 採掘者が細工するとチェーンの巻き戻し後にノードが止まる |
1 件目は、ネットワーク接続を監視する select() を使う経路だけで起きる。Linux 版はこの経路を通らない。勧告は、悪意ある接続相手が「つながっている Windows・macOS・BSD のノードをどれでも簡単に落とせる」と書いている。見つかったのは10月23日で、修正は26日に取り込まれた。発見から公表まで 5 日だ。
2 件目は、ping の仕組み (BIP31) より古い型の接続相手を一時停止させたときに起きる。メモリの増え方は、外から受けた接続相手 1 つにつき最大で毎時 2MB、自分からつないだ相手 1 つにつき毎時 5MB。取引の中継を受けない -blocksonly のノードは影響がずっと小さい。9月15日に見つかり、21日に L0rinc 氏も別に見つけていた。
3 件目は、ブロックを巻き戻すときに使う undo データを採掘者が壊すと、巻き戻しの後にノードが止まるというものだ。Windows と 32 ビットのシステムではすぐに止まる。復旧には -reindex での再構築が要る。勧告は悪用は現実的でないとし、修正後も 32 ビットのシステムと、ブロックを FAT32 の記録装置に置くノードは影響が残ると書いている。最初の報告は7月8日だった。
猶予を置かない公表の最初の 3 件
Bitcoin Core は10月22日、セキュリティ勧告のページに「簡単に見つけられる」脆弱性という分類を加えた (10月24日の記事)。ページはこの分類を「LLM への簡単な問いかけなど、少ない手間で見つけられるもの」と定義し、深刻度ごとの猶予期間を当てはめずにマイナー版を出すとしている。
今回の 3 件は、ページの改定から 6 日後に、この分類の名前を冠して公開された。サイトのリポジトリで公開を取り込んだ変更の件名も「簡単に見つけられる脆弱性 3 件の勧告を公表」だ。従来の方針なら、Medium の 2 件は影響する最後の版の保守が終わってから 2 週間後まで伏せられていた。
修正は、保守中のメジャー版ごとに入った。32.1 のリリースノートは 29.x 以前を保守終了 (End of Life) と書いているが、今回は 29.5 も出ている。古い版で動くノードにも、同じ穴を塞ぐ手段を残した形だ。
発見の経緯は、方針を変えた理由を裏づける。3 件とも LLM の走査で見つかり、2 件目と 3 件目は人の手でも別々に見つかっていた。同じ穴に複数の目が同時にたどり着く状態では、伏せておく時間が守るものは少ない。
運用者が見るべきは OS と版
取引所や事業者が Windows や macOS で Bitcoin Core を動かしているなら、1 件目がそのまま当てはまる。接続を受け付けるノードは誰とでもつながるので、攻撃者は接続するだけでよい。Linux のサーバーで動かしている場合も、2 件目と 3 件目は OS を問わない。
更新先は、使っているメジャー版に応じて 29.5・30.4・31.2・32.1 のどれかになる。Bitcoin Core は10月27日に、32.0 を配らず 32.1 を次の主要版にすると決めていた (10月27日の記事)。今回の修正は、その 32.1 にも入っている。
次に見るもの
確認先は bitcoincore.org のセキュリティ勧告のページだ。32.1 のリリースノートは、30.0 で直した Medium・High の脆弱性 3 件を 2 週間後に公表するとしている。こちらは従来どおり猶予を置いた組で、11月上旬から中旬に出る勧告で、新しい分類と古い分類がどう並ぶかが見える。
ことば
- Bitcoin Core — ビットコインのネットワークを支える中心的なノードソフト。取引の検証と中継、ブロックの保存を担い、取引所や事業者の多くがこれを動かしている。
- 猶予期間 (エンバーゴ) — 脆弱性を見つけてから公表するまで、内容を伏せておく期間。利用者が更新する時間を作るためのものだが、AI で誰でも同じ穴を見つけられるなら、伏せる意味は薄れる。
-reindex— 保存済みのブロックを最初から読み直し、ノードのデータベースを作り直す起動の設定。時間がかかるため、復旧の手段としては重い部類に入る。
🔗 一次ソース
Bitcoin Core: TCP の緊急データによるメモリ枯渇の勧告 (2026-10-28・Medium、Linux は影響なし)Bitcoin Core
Bitcoin Core: 一時停止した pre-BIP31 の接続相手によるメモリ増加の勧告 (2026-10-28・Medium)Bitcoin Core
Bitcoin Core: undo ファイルのあふれの勧告 (2026-10-28・Low、32 ビットと FAT32 は影響が残る)Bitcoin Core
Bitcoin Core: セキュリティ勧告のページ (「簡単に見つけられる」脆弱性の分類)Bitcoin Core
Bitcoin Core 32.1 リリースノート (30.0 で直した Medium・High の 3 件を 2 週間後に公表)Bitcoin Corebitcoincore.org PR #1296「Publish security advisories for 3 easily discoverable vulnerabilities」GitHub