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📡 Signal|フランス上院、暗号資産の税務情報交換 CARF を承認

フランス上院が CARF 参加の法案を可決。暗号資産の取引情報が 2027 年から各国の税務当局間で自動交換される。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|フランス上院、暗号資産の税務情報交換 CARF を承認

フランス上院は 10 月 27 日、暗号資産の取引情報を各国の税務当局が自動で交換する国際的な枠組み「CARF」への参加を承認する法案を、第一読会で可決した。法案は今後、国民議会で審議される。

CARF は OECD がまとめた暗号資産版の情報交換の仕組みで、新しい税を作るものではない。変わるのは、国内の取引所が税務当局に出したデータが、利用者の住む国の税務当局へ毎年自動で届くようになることだ。CoinPost によると、日本ではすでに 2026 年 1 月から CARF に沿った制度が施行されている。

昼の速報は報道をもとにした第一報だった。ここではフランスの法律専門メディアと暗号資産メディアの報道から、中身を確かめる。

上院が承認した 2 つの協定

Le Monde du Droit によると、可決されたのは第 921 号法案で、政府が 7 月 27 日に閣議を経て上院に提出し、同じ日に審議を早める手続き(procédure accélérée)をとっていた。承認の対象は 2 つの協定だ。

  • CARF に基づいて税務当局どうしが情報を自動で交換するための多国間の協定
  • 銀行口座などの金融口座情報を交換する既存の協定(CRS)に、デジタル通貨や暗号資産を取り込む追加の取り決め

いずれも 2024 年 11 月 26 日に署名された。暗号資産メディアの Cryptoast は、署名の場所をパラグアイのアスンシオンと伝えている。

何が、いつ、どこへ渡るのか

Cryptoast によると、報告の対象は暗号資産と法定通貨の交換、暗号資産どうしの交換、顧客による送金だ。交換される情報には、利用者の身元、税務上の居住地、納税者番号、取引の件数・数量・総額が含まれ、資産と取引の種類ごとにまとめられる。税務当局は年度末から 9 か月以内に、毎年データを交換する。

最初の交換は 2027 年に予定されている。上院の担当議員 Emmanuel Capus 氏の報告では、77 の国・地域がこの枠組みの適用を約束しているという。ただし交換を始めるには、相手国が個人データ保護の水準を満たすことなどが条件になる。

フランス国内のデータ集めはすでに始まっている。EU の指令 DAC8 に基づき、暗号資産の事業者は 2026 年 1 月 1 日から顧客の取引を記録しており、税務当局への最初の報告は 2027 年になる。DAC8 が EU の中で集めるデータを、CARF は EU の外の国とも交換できるようにする。

暗号資産の「見えにくさ」が国境で薄れる

CARF が整えるのは、取引所を通じた取引の情報の流れだ。銀行口座では CRS が 2017 年から同じ役割を果たしてきた。暗号資産は国外の取引所を使えば自国の税務当局から見えにくい、という前提が、取引所を通す限りは成り立たなくなっていく。

利用者の側では、国外の取引所に置いた資産も、住んでいる国の当局が把握できるものとして扱うのが前提になる。一方で、取引所を通さず自分で鍵を管理するウォレットの中身は、この報告の流れには乗らない。報告する仲介者がいないためだ。

次に見るもの

確認先はフランス国民議会の第 921 号法案の審議日程だ。国民議会が上院と同じ文言で可決すれば、法案は成立する。フランスが 2027 年に予定どおり最初の交換に加われるかは、その日程で決まる。

ことば

  • CARF(暗号資産等報告枠組み) — OECD が 2022 年にまとめた国際基準。暗号資産の取引所などが非居住者の取引情報を自国の税務当局に報告し、当局がそれを利用者の居住国へ自動で送る。
  • CRS(共通報告基準) — 金融口座の情報を各国の税務当局が自動で交換する OECD の基準。2017 年から交換が始まり、CARF はその暗号資産版にあたる。
  • DAC8 — EU の行政協力指令の 8 回目の改正。EU 域内の暗号資産事業者に顧客の取引の報告を義務づけ、加盟国どうしでデータを共有する。

🔗 一次ソース

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