Signal
📡 Signal|OKXICE の異議67社に、初回名簿の残りは暗号資産系6社
OKXICE の11月5日付の公告で、トークン化に異議を出した発行体は67社になった。初回名簿の62社で残るのは暗号資産に近い6社だけだ。

OKX と米インターコンチネンタル取引所 (ICE) の合弁会社 OKXICE は11月5日付で公告を改訂し、自社株のトークン化に異議を出した発行体を67社とした。この版で Meta、Palantir、S&P Global など5社が加わり、10月4日の初回名簿に並んだ62社のうち異議を出していないのは、Coinbase、Robinhood、Circle、Strategy、Securitize、BitGo の6社だけになった。
残った6社は、どれも暗号資産に近い企業だ。その1社を率いる Coinbase のブライアン・アームストロング最高経営責任者 (CEO) は11月6日 (米国時間) に X で、自社株のトークン化に賛成だと書いた。「米国の大型株を24時間」という看板の市場は、始まる前に名簿のほとんどを失った。
50社の時点の整理は11月2日の Signal で書いた。本稿はその後の4つの版の差分と、残る6社の位置を見る。議決権と配当についての OKX の説明は、11月5日の 速報 を公告の原文で確かめた。
59か67か、数字の差は版の差
異議の件数は媒体によって59社とも67社とも伝えられている。公告の版を順に開くと、どちらも正しく、いつの版を見たかの違いだと分かる。
| 公告の日付 | 異議の社数 | 新たに載った主な企業 |
|---|---|---|
| 10月30日 | 50社 | Nvidia、Costco、Nike など |
| 11月2日 | 56社 | Tesla、Amazon、Netflix、SpaceX、Lam Research、SoFi |
| 11月3日 | 59社 | Apple、Home Depot、GE Vernova |
| 11月4日 | 62社 | ServiceNow、Boeing、Nebius |
| 11月5日 | 67社 | Meta、Palantir、S&P Global、KLA、Super Micro Computer |
時価総額の大きい「マグニフィセント・セブン」の7社は、11月5日付の版ですべて一覧に載った。記者のエレノア・テレット氏は11月4日の時点で、6社が異議を出し Meta は初回の名簿に載っていなかったと伝えていた。Meta は名簿の外から異議を出した形で、同じ立場の企業は Wells Fargo、Arm、Cerebras Systems など合わせて11社ある。残る56社が初回の名簿の中だ。
公告は社名を並べるだけで、各社の異議の理由は載せていない。
残る6社とアームストロング氏の賛成
アームストロング氏の投稿は、上場企業の CEO として自社株のトークン化に賛成する理由を「もっと多くの人に持ってほしいから」と述べ、新しい種類の株主を遠ざけるのは商売として良くないと続けた。投稿は OKXICE の名を挙げていない。
この主張は、残る6社の事業と重なる。Coinbase、Robinhood、Circle、Securitize、BitGo は暗号資産やトークン化を自社の事業に持ち、Strategy はビットコインを大量に保有する上場企業だ。トークン化株の広がりで得をする側が残り、そうでない側がほぼ出ていった。名簿の残りを、市場全体の賛否として読むことはできない。
異議が止めるのは、発行体と無関係な第三者が作るトークン化株だ。SEC の免除命令のもとで、発行体は書面で異議を出せる。発行体が自分でトークン化する道は別に残っていて、11月7日の Signal で書いた Canton Strategic の売買はその形だった。大手が拒んだのは第三者による扱いで、株のオンチェーン化そのものを拒んだとは公告から読み取れない。
議決権と配当は公告の条件に入っている
OKX の欧州 CEO は CoinDesk の取材で、議決権と配当のあるトークン化株を出す計画を語った。公告の原文には、その条件が書かれている。OKXICE は、トークンの保有者が元の株と同じ配当と議決権、清算時の取り分を持つことを、発行者からの表明、裏付けの株が1対1であることを示す第三者の証明、配当と議決の手順の確認で確かめる。権利を保てなくなったトークン化株は取り扱いをやめる。
設計の中身は、株主の権利を保つ方向で組まれている。問われているのは、その設計で扱う銘柄がどれだけ残るかだ。
次に見るもの
確認先は OKXICE の公告ページ (okx.com/okxicetsv) に載る次の版だ。発行体は通知から30日のあいだ異議を出せ、会場は5営業日以内に公告を直す。通知が初回公告と同じ10月4日前後なら、処理が反映されるのは11月10日前後までになる。その版で6社のまま止まるのか、そして「OKXICE TSV is coming」と掲げたページに開始日が出るのかを見る。公告は、稼働の前にスマートコントラクトの監査を受けるとも書いている。
ことば
- OKXICE — 暗号資産取引所 OKX の米国の持株会社と ICE が50%ずつ出資する合弁会社。SEC の免除命令のもとで、トークン化した米国株の売買の場を運営する計画を進めている。
- 発行体の異議 — 第三者が作るトークン化株を会場が扱う前に、元の株の発行企業が書面で断る手続き。第三者による扱いを止めるもので、発行企業が自ら発行する道には影響しない。
- マグニフィセント・セブン — Apple、Microsoft、Alphabet、Amazon、Nvidia、Meta、Tesla の7社の通称。米国株の時価総額の上位に並び、相場全体を左右する銘柄として語られる。
🔗 一次ソース
- OKXICE TSV 公告 (2026年11月5日付・異議を出した発行体67社の一覧と、株主の権利の確認手順)okx.com
- OKXICE TSV 公告 (11月4日付・62社)okx.com
- OKXICE TSV 公告 (11月3日付・59社)okx.com
- OKXICE TSV 公告 (11月2日付・56社)okx.com
- OKXICE TSV 公告 (10月4日付・初回の名簿)okx.com
OKXICE TSV の公告ページOKX United States- SEC 免除命令 (Release No. 34-106402)sec.gov
- ブライアン・アームストロング氏の X の投稿 (11月6日)
- エレノア・テレット氏の X の投稿 (11月4日・59社)
- CoinDesk の X の投稿 (OKX 欧州 CEO の取材)
